2015年4月26日説教要約(PDF)

生まれながらの市民権
使徒の働き 22 章 22∼29 節
1 大混乱を起こした犯罪人
22∼24 節。パウロの話を聞いていた人たちは、まだ話の途中だ
ったのですが、
「こんな男は、地上から除いてしまえ。生かしてお
くべきではない。
」と、声を張り上げ、着物を放り投げ、ちりを空
中にまき散らしました。パウロは、騒動を鎮めようと、群衆に語
りかけたのですが、
かえって大混乱を引き起こしてしまいました。
そこで、ローマ兵の千人隊長は、パウロが群衆に打ち殺される
ことがないように、
兵営の中に引き入れるように命じたのですが、
なぜ、ここまでパウロは人々の怒りを買っているのかわからず、
どれほど大きな罪を犯したのか知るために、取り調べようとしま
した。しかも、千人隊長は、パウロがこれほどの騒動を引き起こ
す張本人ですから、犯罪人であると考え、むちを打って取り調べ
ることを命じました。
2 生まれながらのローマ市民
25∼29 節。千人隊長は、パウロをむちで打つように命じたので
すが、パウロが、ローマ市民であることを打ち明けたために、そ
の言葉を直接聞いた百人隊長、そして、千人隊長は恐れました。
この千人隊長も、ローマ市民として兵役についているのですが、
彼はもともとローマ人ではなく、たくさんのお金を出して、市民
権を買っていました。ですから、千人隊長は、パウロがその市民
権をどのように手に入れたのか問いただしました。すると、パウ
ロは、
「私は生まれながらの市民です。
」と、答えました。生まれ
ながらのローマ市民となると、初めから支配者であるローマ帝国
に属し、ローマ皇帝の市民となります。もともと、被支配者の身
分だった千人隊長が、支配者のローマ市民を、裁判にかけること
もなく鎖でつなぎむち打つなど、許されることではありません。
パウロは、生粋のユダヤ人たちではありましたが、その出生は
ローマ市民という特権を与えられているという恵みを受けていま
した。それは、異邦人の使徒として、イエス様にお仕えするため
に、生まれる前から備えられた特権であったと言えます。
摘要:与えられた天国の市民権を活用しよう
ピリピ 3:20
けれども、私たちの国籍は天にあります。
パウロは、ローマ市民権を生まれながらに与えられていて、そ
れが異邦人伝道で、また、エルサレムで捕えられたときにも、と
ても役に立ちました。このように、地上ですばらしい特権を与え
られていたパウロですが、自分の国籍は天にあると告白していま
す。私たちも、様々な特権が与えられています。その中でも大切
なのが、天国の市民権、神様の子どもという特権です。
ヨハネ 1:12 しかし、この方を受け入れた人々、すなわち、その名を
信じた人々には、神の子どもとされる特権をお与えになった。
私たちはもともと神様の子どもという、特権を与えられていま
した。しかし、アダムの罪のため、自ら神の子の身分を捨て、自
分勝手な生き方をしてしまいました。それにも関わらず、イエス
様の十字架の贖いによって、この特権を信仰によって受け取らせ
ていただき、本来の姿である神様の子どもの特権を回復し、再び
天に国籍を持つことが許されました。
私たちは、神様のご愛により、神様の子どもにしていただき、
天国の市民権を与えられています。神様の子どもというすばらし
い特権をいつも覚えて、その恵みにふさわしい行いを心がけまし
ょう。神様は、ご自身の子どもを愛と平安で満たし、すべての危
険から守り、イエス様を証しする人生へと導いてくださいます。
2015 年 4 月 26 日
木下淳夫牧師