035号 川内原発再稼働に抗議し、即時停止を求める決議

15全港発 第35号
2015年9月10日
川内原発再稼働に抗議し、即時停止を求める決議
九州電力が8月11日、川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の原子炉を起動し、
再稼働を強行した。再稼働に先立って、安倍首相は8月9日、「原発は何より安全を優
先させる」と表明した。安倍首相は2013年9月7日、アルゼンチン・ブエノスアイ
レスのオリンピック招致プレゼンテーションで、福島原発は管理下に置いており、「今
までも現在も過去も安全だ」と大きな嘘を臆面もなく述べた。今でも福島原発事故の救
済も原発事故処理も何ら終わっていない。立ち並ぶ汚染水タンクから汚染水が漏れてい
る。放射性物質と汚染水は、ずさんな管理下に置かれ、いつ制御不能になってもおかし
くない状況である。
川内原発再稼働について規制委員会は、新規制基準への適合性を判断したもので、再
稼働の判断には立ちいらないとした。政府与党は、規制委員会で安全性が確認され、地
元了解の上で原発の運転を順次再開していくとし、最終判断責任を電力事業者に押し付
けた。原発に対する国民の安全責任を原子力規制委員長は「緊張感を持って安全確保を
事業者は取り組んでほしい」とまるで他人事のように言っている。
2015年夏は全国各地で酷暑に見舞われた。東京では猛暑日が8日連続し、187
5年の観測開始以降の最長記録を更新した。しかし、真夏は電力使用が最も多くなる季
節にもかかわらず電力需給は逼迫していない。国民はもはや原発に頼らなくてもよいよ
うに、節電や自然エネルギーで対応すべく努力している。
先の福島第一原発事故の教訓を何ら生かすことなく、経済優先で再稼働を強行した。
国民の大多数は原発再稼働を望んでいない。事故が起きれば、見えない放射性物質の拡
散の脅威ばかりか、いまだ福島原発の事故処理も終結していない事実を安倍政権は直視
しようとしていない。すでに川内原発では再稼働後、配管に海水が混入する事故が起き
るなど危険な状況である。
われわれは、安倍政権の原発推進政策による川内原発再稼働を、ただちに停止するよ
う求める。国民の大多数が福島第一原発事故を教訓に、原発再稼働に反対しているにも
かかわらず、再稼働を強行したことに抗議する。原発の再稼働を許さず、すべての原子
炉の廃炉、自然エネルギーへの転換を求め、すべての原発再稼働を許さない人々とたた
かい抜く。
以上、決議する。
2015年9月10日
全日本港湾労働組合
第86回定期全国大会