ノバルティス ファーマ株式会社 〒105-6333 東京都港区虎ノ門1丁目23番1号 虎ノ門ヒルズ森タワー http://www.novartis.co.jp MEDIA RELEASE • COMMUNIQUE AUX MEDIA • MEDIENMITTEILUNG 2016年3月10日 報道関係各位 ノバルティス ファーマ株式会社 この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2016年2月26日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳 (要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については英語が優先されます。 英語版はhttp://www.novartis.comをご参照ください。 「アフィニトール®」、 消化管/肺原発の進行性非機能性神経内分泌腫瘍(NET)の 効能追加承認をFDAより取得 • 進行性非機能性神経内分泌腫瘍(NET)において、「アフィニトール」は肺 NET に対する初の承認薬、また消化管 NET に対する初の経口治療薬となる • 消化管/肺原発の進行性非機能性 NET は予後不良であり、治療選択肢も限られ ているため、今回の承認はアンメットニーズを満たす一助となる 1,2 • 今回の承認により、「アフィニトール」は米国において最も一般的なタイプの 3 つの進行性 NET で承認を取得。消化管/肺原発 NET については、世界各国で 適応追加申請が現在進行中 3 2016年2月26日、スイス・バーゼル発 – ノバルティスは、「アフィニトール®(一般名: エベロリムス)錠」が、消化管又は肺原発の局所進行、転移性または切除不能の高分化型 の進行性非機能性神経内分泌腫瘍(NET)を有する成人患者さんの治療薬として、米国食 品医薬品局(FDA)から承認されたことを発表しました。「アフィニトール」は、重篤な 疾患の治療薬および安全性または有効性を著しく向上させる薬剤に対して審査期間が短縮 される「優先審査品目」に指定されていました。 ノバルティス・オンコロジー事業部のプレジデントであるブルーノ・ストリジニ(Bruno Strigini)は次のように述べています。「『アフィニトール』は、肺原発の進行性非機能性 NETに対する初の承認薬となる一方、消化管原発の進行性非機能性NETは限られた治療選 択肢のひとつを増やすことになり、これらのがんの治療を変革しました。『アフィニトー ル』開発プログラムが、さまざまながんや希少疾患を抱える患者さんへのベネフィットに つながったことを誇りに思います」 神経内分泌腫瘍(NET)は全身の神経内分泌細胞から生じる希少がんで、特に消化管、肺、 膵臓に多く発生します1,4。NETには機能性のものと非機能性のものがあります。機能性 NETはホルモンなどの物質の過剰分泌によって症状を生じます。非機能性NETでは腫瘍の 増殖による症状がみられ、消化管NETの場合は腸閉塞、疼痛、出血など、肺NETの場合は 喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺炎などが生じることがあります5,6,7,8。海外の疫学によるとNET 患者さんの70%以上は非機能性腫瘍です9。診断されたときには、消化管NET患者さんの5 ~44%(腫瘍発生部位によって異なる)、肺NET患者さんの28%がすでに進行している状 態、つまり、がんが転移して治療が困難な状態になっています1,4。進行して、腫瘍の持続 的な増殖と転移がみられると、一般的には予後不良となる傾向にあります10。 1/4 今回の「アフィニトール」の承認の根拠となったのは、ピボタル試験(RADIANT-4試験) の有効性および安全性データでした。RADIANT-4試験では、「アフィニトール」がプラ セボ群に対し、消化管/肺原発の高分化型の進行性非機能性NET患者さんの進行リスクを 52%(ハザード比[HR]0.48、[95%信頼区間(CI)0.35~0.67]、p<0.00001)低下さ せました。さらに「アフィニトール」は、無増悪生存期間(PFS)の中央値を7.1カ月延長 させました。中央判定によるPFSの中央値は「アフィニトール」群で11.0カ月(95%CI、 9.23~13.3)、プラセボ群で3.9カ月(95%CI、3.6~7.4)でした3。 本試験で多くみられた治療に関連したグレード3/4の有害事象(AE)(発現率5%以上)は (「アフィニトール」群 vs. プラセボ群)、感染症(11.0% vs. 2.0%)、下痢(9.0% vs. 2.0%)、口内炎(9.0% vs. 0.0%)、疲労(5.0% vs. 1.0%)、高血糖(5.0% vs. 0.0%) でした3。 世界各国で本適応での承認申請が現在進行中であり、EUでの決定は2016年中になされる と見込まれています。 RADIANT-4試験について:進行性NETを対象とした最大規模の治験プログラムの一環 RADIANT-4(RAD001 In Advanced Neuroendocrine Tumors)は第III相・前向き・二重盲 検・無作為化・並行群間・プラセボ対照・多施設共同試験です。本試験では「アフィニト ール」+ベスト・サポーティブ・ケア(BSC)群とプラセボ+BSC群における有効性と安 全性を、消化管(膵原発を除く)/肺原発の局所進行、転移性または切除不能の高分化型の 進行性非機能性NET患者さん302名を対象に検証しました。RADIANT-4の主要評価項目は、 RECIST(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)規準による独立した放射線学的評 価に基づくPFSでした。その他の評価項目は、全生存期間と最良総合効果(完全奏効+部 分奏効と規定)でした3。 患者さんは、「アフィニトール」10 mgを毎日経口投与する群とプラセボを毎日経口投与 する群に2:1の割合で無作為に割り付けました。すべての患者さんが治療期間中にBSCを 受けましたが、ソマトスタチンアナログ(SSA)は除外されました。患者さんは、低/中等 度グレードの組織像を有し、カルチノイド症候群の既往または症状がなく、試験前の6カ 月以内に病勢進行が確認されており、試験開始前の4週間はSSA治療を中止しました3,11。 「アフィニトール」の安全性プロファイルはこれまでの試験で観察されたものと一致しま した。最も多くみられた治療関連の有害事象(全グレード、発現率30%以上)は口内炎 (63%)、感染症(58%)、下痢(41%)、末梢浮腫(39%)、疲労(37%)、発疹(30%) でした。患者さんの29%が有害事象のため「アフィニトール」投与を中止し、「アフィニ トール」治療を受けた患者さんの70%で減量または投与延期が必要となりました3。 「アフィニトール®」(エベロリムス)について 「アフィニトール錠」は今回、消化管/肺原発の局所進行、転移性または切除不能の高分化 型進行性非機能性神経内分泌腫瘍(NET)を有する成人患者さんの治療薬として米国食品 医薬品局(FDA)から承認を取得しました。このほか、「アフィニトール」は米国やEU 全土を含む世界99カ国で膵原発の局所進行、転移性または切除不能の進行性NETの適応で 承認されています。さらに、米国とEUを含む120カ国以上で、血管内皮増殖因子(VEGF) 標的治療薬による治療中または治療後(米国では、スニチニブおよびソラフェニブによる 治療後)に疾患が進行した転移性腎細胞がん治療薬として承認されています。 また「アフィニトール」は米国および欧州を含め102カ国でHR陽性/HER2陰性の進行性乳 がんにも、内分泌療法を受けた後のエキセメスタン(exemestane)との併用療法として承 認されています。 日本では、「アフィニトール®錠」の販売名で、2010年1月に根治切除不能または転移性の 腎細胞がん、2011年12月に膵神経内分泌腫瘍、2012年11月に結節性硬化症に伴う腎血管 筋脂肪腫および結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫、2014年3月に手術不能また 2/4 は再発乳がんを効能または効果として承認を取得しており、2015年9月に神経内分泌腫瘍 に対する効能追加申請を行いました。また、「アフィニトール®分散錠」については、2012 年12月に結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫を効能または効果として承認され ています。この他、現在、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、結節性硬化症に伴うてん かんを対象とした第III相の国際共同治験に参加しています。 エベロリムスは、「アフィニトール」またはVotubia®、「サーティカン®」、Zortress®な どの製品名で、がん以外の領域でも治療薬として承認されており、また薬剤溶出性ステン トの用途に関する独占的販売権がアボットに、サブライセンスがボストン・サイエンティ フィックに供与されています。 適応症は国によって異なり、すべての適応症がすべての国で承認されているわけではあり ません。承認されている適応症以外では、エベロリムスの安全性と有効性のプロファイル は確立されていません。臨床試験の結果は不確実であるため、エベロリムスが世界のどこ かの国でさらなる適応症の治療薬として効能追加されるという保証はありません。 「アフィニトール®」に関する重要な安全性情報 「アフィニトール」/Votubiaは、肺・呼吸器障害、感染症(敗血症を含む)、腎不全など、 死亡の可能性のある重篤な副作用を引き起こすことがあります。ACE阻害剤を服用してい る患者さんでは血管性浮腫のリスクが高まることがあります。よく見られる副作用には、 口腔内潰瘍および口内痛があります。「アフィニトール」/Votubiaは、血球数、腎・肝機 能、血糖・コレステロール・トリグリセリド値に影響を及ぼすことがあります。「アフィ ニトール」/Votubiaは、妊娠中の女性に重大な害を及ぼすことがあります。「アフィニト ール」/Votubiaを服用中または服用終了後8週間以内で、妊娠の可能性がある女性は、効果 の高い方法で避妊することが推奨されます。また、「アフィニトール」/Votubiaを服用中 の女性は授乳を避けてください。「アフィニトール」/Votubiaの服用によって、男性およ び女性の妊孕性に影響が出ることが考えられます。 最もよく見られる副作用(発生率10%以上)は口腔内潰瘍、発疹、脱力感・疲労、下痢、 感染(上気道感染、のどの痛み、鼻汁、副鼻腔炎、中耳感染および肺炎を含む)、無月経、 コレステロール値の上昇、吐き気、食欲減退、赤血球減少、にきび、味覚異常、月経異常、 肺組織の炎症、四肢または他の部位の腫脹、血糖値の上昇、掻痒感、体重減少、鼻出血、 せき、頭痛です。最もよく見られるグレード3~4の副作用(発生率2%以上)は口腔内潰 瘍、感染症(肺炎を含む)、赤血球減少、無月経、血糖値の上昇、脱力感・疲労、下痢、 白血球減少、肺組織の炎症、突発的な出血やあざです。B型肝炎ウィルスの再活性化、肺 または下肢の血栓、ニューモシスチス・イロベチー肺炎(PJP)が報告されています。血 液学的および生化学的な検査値異常も観察されています。 免責事項 本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その 内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどに より、現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。なお、詳細につきましては、 ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。 ノバルティスについて ノバルティスは、ヘルスケアにおける世界的リーダーです。革新的な新薬、アイケア(眼 科用医療機器、コンタクトレンズなど)、高品質かつ安価なジェネリック医薬品など、幅 広い分野の製品を提供しています。ノバルティス グループ全体の2015年の売上高は494 億米ドル、研究開発費は89億米ドル(減損・償却費用を除くと87億米ドル)でした。スイ ス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは約119,000人の社員を擁しており、世界180カ 国以上で製品が使われています。詳細はホームページをご覧ください。 http://www.novartis.com 3/4 参考文献 1. American Cancer Society. Gastrointestinal Carcinoid Tumors. Available at http://www.cancer.org/acs/groups/cid/documents/webcontent/003102-pdf.pdf. Accessed February 2016. 2. American Cancer Society. Lung Carcinoid Tumors. Available at http://www.cancer.org/acs/groups/cid/documents/webcontent/003117-pdf.pdf. Accessed February 2016. 3. Afinitor (everolimus) Prescribing information. East Hanover, New Jersey, USA: Novartis Pharmaceuticals Corporation; February 2016. 4. Yao J, et al. One hundred years after "Carcinoid:" Epidemiology of and prognostic factors for neuroendocrine tumors in 35,825 cases in the United States. J Clin Oncol. 2008; 26: 3063-72. 5. Öberg K, et al. Gastrointestinal neuroendocrine tumors. Annals of Oncology. 2010; 21: vii72–vii80. 6. Modlin I, et al. Priorities for improving the management of gastroenteropancreatic neuroendocrine tumors. J Natl Cancer Inst. 2008; 100: 1282-1289. 7. Modlin I, et al. Current status of gastrointestinal carcinoids. 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Available at http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(15)00817-X/fulltext. Accessed February 2016. 以上 4/4
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