[Q] インプラントSDについて、説明会を聞いて総義歯の患者さんに対して有用なこと はわかりましたが、径が細く、強度的に不安です。 耐久性はどのくらいあるのでしょうか。 [A] インプラントSDは製造販売承認審査の過程で、ISO14801に準拠した疲労試験を行な い、その試験データをもとに機械的安全性が評価されています。 この試験では1本のフィクスチャ単体で、骨吸収を想定し骨内埋入部を3㎜露出させた 状態で、なおかつ30°傾斜させた上で繰り返し変動荷重を負荷し、500万回の負荷に 耐える疲労限の値を確認しています。下顎前歯部に4本植立し、総義歯の維持装置と して使用することを考えると、極めて過酷な条件下での試験であることはご理解いた だけると思います。試験の結果得られた疲労限の値は、諸般の事情により開示するこ とができませんが、総義歯の前歯部において通常想定される荷重負荷には十分耐える ことを確認しています。 また、海外で販売されている同用途の直径1.8mmのミニインプラントとの強度比較を FEM解析により実施した結果、3点曲げによる強度比較解析では、インプラントS Dの方が比較対象としたミニインプラントよりも反力が大きく、1.3倍の強度を有す るという解析結果が得られています。さらに、斜め荷重による解析では、同じくイン プラントSDは比較対象としたミニインプラントよりも、約4倍という解析結果が得 られています。 これらの解析の値は相対比較によるもので、実製品における強度差を示しているもの ではありませんが、インプラントSDは直径が細いサイズでもφ2.0mmと、比較対象 としたミニインプラントよりも大きくしていますので、同一の原材料であれば径が少 しでも大きいほうが、機械的強度が増すことは当然の結果と言えるでしょう。
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