平成28年度予算編成方針(PDF:138.4KB)

平成 28 年度予算編成方針
平成 27 年 10 月
鴨
川
市
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国の経済情勢と予算編成動向
我が国経済は、
「大胆な金融政策」、
「機動的な財政政策」、
「民間投資を喚起する成長戦
略」の「三本の矢」の一体的推進により、デフレ脱却と経済再生に向けた前進がみられ、
平成 27 年9月の内閣府月例経済報告によると、「景気は、このところ一部に鈍い動きも
みられるが、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、雇用・所得環境の改
善傾向が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待され
る。ただし、アメリカの金融政策が正常化に向かうなか、中国を始めとするアジア新興
国等の景気が下振れし、我が国の景気が下押しされるリスクがある。」としている。
このような中、政府は、平成 27 年 7 月 24 日に「平成 28 年度予算の概算要求に当たっ
ての基本的な方針について」を閣議了解し、平成 28 年度予算については、「経済財政運
営と改革の基本方針 2015」で示された「経済・財政再生計画」の初年度であり、手を緩
めることなく本格的な歳出改革に取り組むこととし、歳出全般にわたりこれまでの改革
の取組を強化するとともに、施策の優先順位を洗い直し、無駄を徹底して排除しつつ、
中身を大胆に重点化することとしており、そのため、義務的経費等について抑制を図り
つつ、
「『日本再興戦略』改訂 2015」等を踏まえた諸課題について「新しい日本のための
優先課題推進枠」を措置するなどとしている。
2
県の財政状況
平成 28 年度においては、歳入面では、県税収入は企業業績の回復基調等により増収が
期待されるものの、これに伴い、臨時財政対策債を含めた実質的な地方交付税は減額が
見込まれており、さらに、国においては、別枠加算や歳出特別枠などのリーマンショッ
ク後の特別措置について、平時モードへの切替えを進めることとしており、地方交付税
の一層の削減が懸念されている一方、歳出面では、社会保障費や公債費は引き続き増加
するとともに、人件費については給与改定による増要素も想定されており、全体として、
歳入増を上回る義務的経費の増加が避けられない状況となっており、厳しい財政運営が
見込まれている。
このような厳しい状況のもと、平成 28 度当初予算編成に当たっては、総合計画「新 輝
け!ちば元気プラン」に基づき、東京オリンピック・パラリンピックの県内開催や成田
空港、アクアライン、圏央道などの県のもつポテンシャルを活かした地域活性化、また
防犯、防災対策の推進など安全で安心して暮らせる社会づくりなど、
「くらし満足度日本
一」の千葉の実現に向けた施策を着実に推進するとともに、千葉県行政改革・財政健全
化計画に基づき、徹底した事務事業の見直しや県税徴収対策の充実・強化等の歳入確保
などに取り組み、持続可能な財政構造の確立を目指すことが掲げられている。
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本市の財政状況
本市の財政状況は、平成 26 年度決算においては、職員給与費の復元や消費税率引上げ
による物件費等の増から経常収支比率が前年度比 2.8%増の 90.1%となり、実質公債費
比率は 10.8%で前年度比 0.8%の微減であったものの、将来負担比率については、庁舎
耐震改修工事などの大規模事業に伴う地方債発行の影響により、前年度比 9.4%増とな
る 113.8%と大幅な増となった。
-1-
平成 28 年度の本市の財政は、歳入面については、市税については景気回復が見込まれ
るものの本市域の経済情勢からは増収を見込むことは難しく、また普通交付税はリーマ
ンショック後の危機対応モードから平時モードへの切替えを進めることとされ、別枠加
算や歳出特別枠などの取扱いが不透明であるほか、合併算定替による特例交付分の縮減
幅が 3 割に拡大するため、減少は避けられない状況にある。
一方、歳出面においては、太海多目的公益用地の取得費のほか、防災・安全関連経費
や引き続き増加が見込まれる社会保障関係費、さらに、本格化していく多目的施設整備
費など、多くの財政需要が見込まれるなか、水道事業、病院事業に対する一般会計繰出
しの負担増も避けられない状況にあり、財政運営を取り巻く状況は極めて厳しくなる見
通しである。
4
予算編成の基本方針
このような状況のなか、平成 28 年度の予算編成に当たっては、以下の基本的な考え方
に基づいて、限られた財源を最大限に活用しながら、各種施策の積極的な推進を図るた
めの予算編成に取り組むものとする。
(1)
総合計画等との関係性
平成 28 年度予算は、現在策定中である本市の第 2 次総合計画(以下「総合計画」
と いう 。) の初 年 度 と な るも の で あ って 、 予 算 編成 に 当 た って は 、 新 規事 業 は もと
より、これまで実施してきた事業についても総合計画及びこれと関連する「まち・
ひと・しごと創生総合戦略」(以下「総合戦略」という。)に掲げる施策の実現を図
る観点からその必要性、有効性等を検証し、必要に応じて事業の再編成、再構築を
図ること。
(2)
重点事業及び財源の確保
総合計画及び総合戦略に位置付けた施策に係る事業については重点事業として予
算の積極的配分を図ることとし、一方、その財源を確保してくため、行政改革指針
及び財政健全化計画を策定した上で、これに沿った業務改革や財政マネジメント強
化に取り組むことにより、必要な財源を確保し、及び歳出削減に努めること。
(3)
財政規模の適正化
平成 27 年度から普通交付税の合併算定替の特例による増額交付分の段階的縮減
が始まっており、平成 28 年度は 3 割の減となる。これに対応していくためには、
合併算定替効果もあって膨張してきた財政規模を適正規模に戻していく必要があ
る 。こ の た め 、合 併 調 整 とし て 設 計 され た 現 在 の事 業 内 容 、シ ス テ ム 等を 見 直 し、
現在の鴨川市に最適なものへと転換を進めること。
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特に留意すべき事項
平成 28 年度当初予算の編成に当たっては、特に次の事項に留意して積算・要求を行う
ものとする。なお、要求に際しては、基本方針に沿った事業の見直しを行うこと、真に
必要と認める事業費のみを要求することを基本姿勢として、目的と成果を意識した事務
事業の再設計や新たな執行体制の構築を期待するものであり、安易に前例を踏襲する考
え方からの脱却を図ることとする。
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(1)
経常経費の抑制
人件費、公債費、扶助費(法定分のみ)を除く経常経費については、一般財源ベ
ースで平成 27 年度当初予算額か ら 5% を減 じた額 の範囲 内で 予算 要求を 行うこ と。
(2)
国・県補助金等の動向と対応
制度改変に特に留意するとともに、国・県補助金等の動向についての情報収集に
努め、本市の事務事業に影響のあるものについては、当該事務事業の見直しを含め
た適切な対応策を検討するものとする。
(3)
補助金等の見直し
平成 21 年策定の「鴨川市補助金等の見直しに関するガイドライン」に基づく見直
しを実施し、当初予算に反映させるものとする。
※
補助金等を削減する場合には、当該団体を所管する担当課において十分な説明
を行うとともに、その理解を得ること。
※
各種団体等への補助金、負担金及び交付金について予算要求する場合には、当
該団体等の平成 26 年度の補助金等実績報告書を必ず資料として提出すること。
(4)
普通建設事業費(投資的経費)
総合計画、総合戦略に掲げる事業であっても、その投資効果、緊急度、財源措置
等を十分勘案したうえで、当該計画期間内に実施すべき施策のメリハリのある的確
な選択 と事業 費総 量の 抑制を 図るこ とと し、 予算の 範囲 内 で 調 整 す る も の と す る 。
なお、補助事業に伴って実施する継足単独については、必要最低限とすること。
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その他
(1)
特別会計及び企業会計についても、本方針に準じて予算編成を行うこととする。
(2)
その他詳細事項については、
「 予算編成要領」に従って予算編成を行うこととする。
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