平成28年度予算編成方針

かつらぎ町訓令甲第18号
庁 中 一 般
各出先機関
平成28年度予算編成方針を次のとおり定めるので、的確な処理を期されたい。
平成27年10月7日
かつらぎ町長
井
本
泰
造
平成28年度予算編成方針
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国及び地方財政の状況
国の月例経済報告によると、我が国経済の基調判断は、「景気は、このところ一部に鈍い動きも
みられるが、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、雇用・所得環境の改善傾向が
続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待される。」とする一方、「ア
メリカの金融政策が正常化に向かうなか、中国経済を始めとするアジア新興国等の景気が下振れ
し、我が国の景気が下押しされるリスクがある。こうしたなかで、金融資本市場の変動が長期化し
た場合の影響に留意する必要がある。」としている。
そのような中、国は6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2015」において、平
成32年度の財政健全化目標達成に向けて、「経済・財政再生計画」を策定し、経済再生と財政
健全化の双方を実現するため、民間活力を活かしながら、「経済・財政一体改革」を推進するとし
ている。
地方財政については、国庫支出金等を見直すとともに、地方創生予算への重点化を行うことに
より新型交付金を創設・活用し、地方創生の深化を図る。また、地方交付税について、頑張る地
方自治体を支援する算定を強化・推進するとしている。
これに基づいて総務省から要求された平成28年度予算概算要求における地方交付税は、前
年度より3200億円、2.0%減少して、16.4兆円となっており、町税等を含めた一般財源の総額
は今年度と同水準が確保される見込みであるが、最終的な決定は年末の地財折衝を待つことと
なる。
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2
町財政の状況
町財政は、平成26年度決算において、町税は増加したものの地方交付税の減少が大きく、一
般財源等が減少した。そのため、経常収支比率は94.6%と非常に硬直化した状態となってい
る。
また、合併後10年が経過し、町村合併に伴う財政支援が減少していく中で、地方交付税につ
いて、合併算定替による増加額が平成27年度算定で約2億2000万円に上っている。平成28年
度からは、今年度実施される国勢調査の人口減少と合併算定替の終了に伴う減少が地方交付税
に反映されることとなり、歳出でも少子高齢化の進行や社会保障費の拡大による支出が増加して
いく見込みであることから、今後も硬直化した財政状況が続いていくことが予想される。
このような状況において、第4次長期総合計画・基本構想に掲げた17,000人の目標人口を達
成するには、今年度策定する「まち・ひと・しごと総合戦略」に基づく、人口減少に歯止めをかける
取り組みを推進するとともに、限られた財源で最大の効果をあげるため、第2次行政改革大綱によ
る行財政改革に取り組み、財源の確保や経費の節減、適正な財政運営などに努める必要があ
る。
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予算編成の基本方針
平成28年度は、まちづくりの指針である長期総合計画・前期基本計画(平成25年度∼平成29
年度)の計画期間の4年目にあたり、これまでに取り組んできた施策や事業の進捗状況をしっかり
と捉え、今後の施策展開に結びつけていくことが重要である。
しかしながら、現在の財政状況を鑑みると、現在実施しているすべての事業を継続しながら新
たな事業を展開していくことは困難であり、選択と集中の観点から施策の重点化を図っていく必要
がある。
こうしたことを踏まえ、平成28年度においては、かつらぎ町の将来像である「住んでみて ここが
イチバン かつらぎ町」を実現するために、中長期的な施策の展開を見据え、住民満足度を重視
した効率的・効果的な行政運営に努めるとともに、次の事項を重点項目とし、長期総合計画の推
進に取り組む予算を編成するものとする。
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《 重点項目 》
(1) 地域の特性を活かした活力あるまちづくり
人口の減少と活力低下を食い止めるため、地域特性を生かした農林業の展開や魅力ある
商工業の振興、観光・サービス業の育成等に積極的に取り組むとともに、「かつらぎ町まち・
ひと・しごと創生総合戦略」に定める目標の達成を目指す。
(2) 健康に暮らせるまちづくり
「健康寿命日本一」を目指し、地域医療の充実や健康づくりの支援による病気の予防等に
努める。
(3) 安全・安心のまちづくり
南海トラフ地震発生の可能性が高まる中で、予期せぬ自然災害から住民の暮らしを守る
ため、防災対策・体制の強化や整備を進める。
また、防犯体制の強化を図るため、地域の防犯活動への支援、防犯啓発活動を行うととも
に防犯設備の整備を進める。
(4) 快適で潤いのあるまちづくり
安全で快適な交通環境と産業の振興を図るとともに、地域の利便性と定住環境の向上に
つなげるため、町道や橋梁など生活基盤の整備を進める。
(5) 行政運営の効率化
限られた財源と人員で住民の満足度の高い行政サービスを提供できるよう、簡素で効率
的・効果的な組織体制の構築を目指す。
また、町民本位の政策展開ができるようPDCAサイクルに基づいて事務事業の進捗管理
と検証を行い、予算編成との連携を図ることで、予算の有効活用に取り組みます。
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