寄居町 橋梁長寿命化修繕計画 [PDFファイル]

寄 居 町
橋 梁 長 寿 命 化 修 繕 計 画
平成27年1月
寄居町
建設課
橋梁長寿命化修繕計画の背景・目的
修繕計画の背景
●寄居町にはインフラ施設として全 308 橋の橋梁があります。
これらの橋梁をこのまま放置しておくと、将来的に老朽化に伴う損傷が増加して架替え
を迎える橋梁が急激に増える事が予想され、今後これらに対する維持・修繕・架替え等
に多くの費用を必要とすることが懸念されます。
●そこで、寄居町では「橋梁長寿命化修繕計画」を策定することで、より計画的、
効率的に橋梁の維持管理を行い、維持・修繕・架替えに係わる費用を縮減し、合理的な
維持管理の実現を目指します。
●全 308 橋のうち、「跨道橋・跨線橋」「15m以上の道路橋」である 24 橋を修繕計画の対
象とします。
ただし、H20 年度に新設された 2 橋については、
供用開始が H25 年 4 月であることから、
埼玉県との協議により今回の修繕計画からは除外します。
●下図に示すように、修繕計画対象橋梁は 1975 年以降に集中して整備されたもので、現
時点では比較的新しい橋梁が多いのが現状です。
16橋
14橋
14橋
12橋
10橋
橋
梁
数
1975年以降に
集中して整備
されている!!
8橋
6橋
4橋
2橋
2橋
2橋
2橋
2橋
1橋
1橋
0橋
竣工年
長寿命化修繕計画対象橋梁の竣功年分布
管理橋梁数及び長寿命化修繕計画対象橋梁
1 級町道
全管理橋梁数
うち計画の対象橋梁数
うちこれまでの計画策定橋梁数
うち H26 年度計画策定橋梁数
2 級町道
その他町道
合
計
27 橋
23 橋
258 橋
308 橋
10 橋
3橋
11 橋
24 橋
0橋
0橋
0橋
0橋
10 橋
3橋
11 橋
24 橋
修繕計画の目的
●橋梁長寿命化修繕計画の対象である 24 橋のうち、完成から 50 年を経過する高齢化橋梁
は 2014 年現在で 2 橋のみですが、20 年後には 19 橋となり、急速に高齢化橋梁が増加
します。
●このまま従来通りの事後保全型(損傷が大きくなってから橋梁を補修する管理手法)で
対応すると、30 年後には大規模な補修および架替えが必要になり、莫大な費用がかか
ります。
●このような背景から、事後保全型から予防保全型(損傷が小さいうちから計画的に補修
を行い、橋梁を長持ちさせる管理手法)へ転換することで、橋梁の長寿命化および維持
管理にかかるコストの縮減を図ります。
50年以上
2橋
8%
10 年後
50年以上
2橋
8%
50年未満
22橋
92%
50年未満
22橋
92%
2014 年
2024 年
20 年後
50年未満
8橋
33%
50年未満
5橋
21%
30 年後
50年以上
16橋
67%
50年以上
19橋
79%
2034 年
2044 年
供用年数 50 年以上の橋梁の推移
修繕計画対象橋梁の特徴
●橋梁長寿命化修繕計画の対象である 24 橋についての特徴を整理しました。
橋種別の橋梁数
コンクリート橋が対象橋梁全体の約 8 割を占めています。
鋼橋
鋼橋
4橋
17%
鋼橋とは主要部材に鋼材を使用し
ている橋梁の事です。
コンクリ-ト橋
20橋
83%
コンクリート橋
コンクリート橋とは主要部材にコ
ンクリートを使用している橋梁の
事です。
鋼橋の一例
ラーメン橋(3008 号橋)
H 形桁橋(金塚橋)
コンクリート橋の一例
床版橋(冬住橋)
床版橋(柿平橋)
コンクリート橋と鋼橋の一例
T 桁橋(落合橋)
橋長別の橋梁数
15m 以上~30m 未満の橋梁が 10 橋(42%)
、30m 以上~50m 未満の橋梁が 9 橋(37%)とな
り、中小規模の橋梁が 8 割を占めています。
比較的規模の大きい 50m 以上の橋梁は 4 橋あり、その内の 1 橋は 100m を超えています。
100m以上
1橋 15m未満
1橋
50m以上100m未満 4%
4%
3橋
13%
15m以上30m未満
10橋
42%
30m以上50m未満
9橋
37%
15m未満の橋梁
30m以上
50m未満の橋梁
御朱印橋
中平橋
50m以上
100m未満の橋梁
下平橋
15m以上
30m未満の橋梁
諏訪橋
吉野川橋
高柿新橋
稲荷東橋
100m以上の橋梁
鶴巻橋
天沼大橋
路線別の橋梁数
路線の重要度が高い 1 級町道及び 2 級町道に架橋されている橋梁は、それぞれ 10 橋
(42%)、
3 橋(12%)となり、対象橋梁全体の 5 割を占めています。
1 級町道に架橋されている橋梁
1級町道
10橋
42%
その他町道
11橋
46%
・下平橋
・中平橋
・諏訪橋
・井ノ岡橋
・天沼大橋
・鷹巣橋
・吉野川橋
・落合橋
・柿平橋
・1018 号橋(柳井戸橋)
2級町道
3橋
12%
2 級町道に架橋されている橋梁
・平橋
・4007 号橋
・原橋
桁下状況別の橋梁数
桁下状況は河川、道路、鉄道となっており、跨道橋と跨線橋(橋梁の下に道路、鉄道が通
っている橋)が対象橋梁全体の 8 割を占めています。
跨道橋
鉄道
4橋
17%
道路
13橋
54%
河川
7橋
29%
・下平橋
・中平橋
・平橋
・諏訪橋
・井ノ岡橋
・原橋
・鶴巻橋
・稲荷東橋
・冬住橋
・鷹巣橋
・台橋
・焼野橋
・御朱印橋
跨線橋
・1018 号橋(柳井戸橋)
・3008 号橋
・天沼大橋
・9007 号橋
橋梁長寿命化修繕計画の基本方針
●一般的には、下表に示す 4 種の管理シナリオがあります。
●橋梁長寿命化修繕計画の基本方針として、寄居町の実状を考慮した管理シナリオを設定
し、適切な維持管理を行います。
●寄居町における橋梁の架設状況及び橋梁点検結果の分析から検討を加えた結果、
「予防保全型」
、
「減築型」の管理シナリオで維持管理を行います。
各管理シナリオ別の橋梁数は下表に示す通りです。
各管理シナリオについて
管理シナリオ
維持管理内容
予防保全型
( 21 橋 )
補修の繰り返しによる延命で将来のコストが安価と考えられる維持管理シナリオ。
事後保全型
( 0橋 )
定期的な点検により確認された損傷を必要に応じて修繕する維持管理シナリオ
更 新 型
( 0橋 )
補修による機能回復が困難な橋梁について架替えを前提とした維持管理シナリオ。
※都市計画及び改修計画等の影響による架替えも含む。
減 築 型
( 3橋 )
交通需要が尐ない、または維持管理費用を軽減するために撤去を前提とした維持管理シナリオ。
事後保全型及び予防保全型について
事
後
保
全
型
事後保全型は、部材の損傷が進行して機能
良
損
傷
程
度
が低下した段階で修繕する方法です。
そのため、大規模な補修工事が必要になり、
回
復
コストが莫大にかかります。
大規模補修
架替え
悪
時間
予
防
保
全
型
予防保全型は、部材の損傷が進行する前に
良
損
傷
程
度
対策を行うことで、短いサイクルで小規模な
回
復
補修工事を行います。
長寿命化
小規模補修
これにより、橋梁の長寿命化が可能になり、
維持管理にかかるコストの縮減が図れます。
悪
時間
橋梁長寿命化修繕計画の効果
●今後 50 年間における予防保全型と事後保全型の維持管理コストを試算しました。
予防保全型による維持管理では約 39.6 億円、事後保全型では約 108.8 億円という結果にな
りました。
●予防保全型に転換することで、約 69.2 億円(64%)のコスト縮減効果が期待できます。
4,000,000
12,000,000
予防保全型(10年毎のコスト)
108.8億円
事後保全型(10年毎のコスト)
9,000,000
事後保全型(累積コスト)
69.2億円
(64%縮減)
2,000,000
6,000,000
39.6億円
1,000,000
3,000,000
0
0
1~10年
11~20年
21~30年
年 数
31~40年
10 年毎の維持管理コストの試算結果
41~50年
10年毎の累積コスト(千円)
10年毎のコスト(千円)
予防保全型(累積コスト)
3,000,000
今後の管理方法
●PDCA サイクルを導入し、継続的に橋梁長寿命化対策を実施します。
●修繕計画は 10 年間で策定し、定期点検の結果を踏まえ、5 年毎に見直しを行います。
●1 級、2 級町道に架かる 15m未満の橋梁に関しては、今後、修繕計画を策定する予定です。
●修繕計画対象橋梁と修繕計画予定橋梁を除いた橋梁(残り 247 橋)も計画的な修繕を実施
すべく、今後も定期的な点検と計画的な補修を実施します。
A
C
P
D
PDCA サイクル
Plan:計画
Plan(計画)では、寄居町の実状に合わせた長寿命化修繕計画を策定します。
Do:実施・実行
Do(実施・実行)では、その後の継続的な点検、長寿命化修繕計画に従った補修計画を
実施します。
Check:評価
Check(評価)では、橋梁点検による損傷の進行状況の評価、補修した箇所の妥当性を確認す
るなど、前回の状況との対比を行い、今後のより良い長寿命化修繕計画改善へ向け、更なる
評価を実施します。
Action:処置・改善
Action(処置・改善)では、道路交通網の変化などによる架設環境の急激な変化や、補修技
術の発展から、より効果的な補修工法の導入など、必要に応じて長寿命化修繕計画の見直し
を行います。
学識経験者から助言を頂きました。
長寿命化修繕計画を進めるにあたって、
埼玉大学大学院
理工学研究科
教授
奥井義昭 様より
助言を頂いて作成しました。
問い合わせ先
寄居町 建設課
〒369-1292
埼玉県大里郡寄居町 1180 番地 1
tel:048-581-2121(代表)