美馬市 橋梁⻑寿命化修繕計画 1.美馬市の橋梁の現状 美 馬 市 が 管 理 す る 橋 梁 は 現 在 571 橋 あ り 、 そ の 多 く の 橋 梁 が 高 度 経 済 成 長 期 以 降 に 架 設 さ れ て い ま す 。 ま た 、 1997 年 に 徳 島 自 動 車 道 が 開 通 し た こ と に よ り 多 く の 高 架 橋 が 架 設 さ れ た こ と も あ り 、 架 設 年 を 把 握 し て い る 橋 梁 だ け で 1950 年 代 か ら 199 0 年代に全体の半数もの橋梁が架設されています。 架 設 後 50 年 以 上 を 経 過 し た 橋 梁 が 占 め る 割 合 は 現 在 16%で す が 、10 年 後 に は 36%、 20 年 後 に は 64%と 橋 梁 の 老 朽 化 が 一 段 と 進 行 し て い き ま す 。 橋梁数 80 70 60 50 40 30 20 10 0 -1950 1950- 1960- 1970架設年度 1980- 1990- 2000- 架設年度別橋梁数の分布 注)架設年を把握できている橋梁のみを対象 50年以上 16% 50年以上 36% 50年未満 50年未満 36% 50年未満 50年以上 64% 64% 84% 現 在 10年後 架 設 後 50 年 の 橋 梁 数 の 割 合 推 移 1 20年後 2.長寿命化修繕計画策定の背景 美 馬 市 の 橋 梁 の 現 状 か ら 、よ り 計 画 的 な 維 持 管 理 を 行 い 、限 ら れ た 財 源 の 中 で 効 率 的 に橋梁を維持していくための取り組みが不可欠となります。 コ ス ト 縮 減 の た め に は 、従 来 行 わ れ て き た“ 損 傷 が 深 刻 化 し て か ら 対 策 を 行 う「 事 後 的 な 対 応( 事 後 保 全 型 )」”か ら“ 損 傷 が 深 刻 化 す る 前 に 対 策 を 行 う「 予 防 的 な 対 応( 予 防 保 全 型 )」”へ 転 換 を 図 り 、橋 梁 の 長 寿 命 化 お よ び 効 率 的 な 管 理 を 実 施 す る 必 要 が あ り ます。 3.長寿命化修繕計画の対象橋梁 今 回 の 長 寿 命 化 修 繕 計 画 で は 、美 馬 市 の 全 管 理 橋 梁 に 対 し て 計 画 を 策 定 し ま し た 。よ っ て 、 対 象 橋 梁 は 全 管 理 橋 梁 571 橋 で す 。 4.健全度の把握及び日常的な維持管理に関する基本的な方針 4.健全度の把握及び日常的な維持管理に関する基本的な方針 橋 梁 の 点 検 は 、以 下 に 示 す 体 系 で 実 施 し ま す 。橋 梁 維 持 管 理 の 一 環 と し て 現 状 を 把 握 し 、安 全 性 や 耐 久 性 に 影 響 す る と 考 え ら れ る 損 傷 を 早 期 に 発 見 し 対 策 を 行 う こ と に よ り 、 常に橋梁が良好な状態であることを目指します。 定 期 点 検 は 基 本 的 に 10 年 に 1 回 実 施 し 、 橋 梁 の 損 傷 を 早 期 に 発 見 し 、 健 全 度 の 把 握に努めます。 点 検 通常点検 道路パトロール 橋梁の保全を図る為に日常的な点検として実施するも のであり、主に道路パトロール時に車内からの目視と ともに徒歩による目視点検 定期点検 遠望・目視点検 主に目視及び簡易な点検器具により行う点検であり、 地上から目視できる範囲での望遠目視点検。ただし、 可能な限り近接して実施 詳細点検 近接・目視点検 主に目視及び簡易な点検器具により行う点検であり、 橋梁各部に触れる程度の距離まで近接して目視する点 検 異常時点検 地震、台風、豪雨、豪雪などにより災害が発生した場合と、異常が発見さ れたときに、主に橋梁の安全性を確認するために行う行為 予備点検 維持管理計画案の立案と橋梁台帳の整備を目的とした望遠目視による橋梁 概略点検 点検の体系 2 5.長寿命化及び修繕・架替えに係る費用の縮減に関する基本的な方針 ①定期点検による橋梁の状態の継続的な把握により橋梁の安全性を確保します。 ②「 事 後 保 全 型 」の 管 理 か ら「 予 防 保 全 型 」の 管 理 へ の 移 行 に よ り コ ス ト の 縮 減 を 行 い ます。 ③中長期的な観点から対策の優先順位を判断するとともに予算の平準化を図ります。 ④個々の橋梁の重要度や損傷程度を総合的に評価した修繕計画を策定することにより、 効率的な維持管理を行います。 「橋も健康診断(定期点検および治療)が必要です」 人は血圧測定や血液・尿検査など定期的な健康診断をして、早期に悪いところを 発見し適切な治療をしています。橋も人と同じように、定期的に点検(健康診断) をして、予防的な修繕(早期発見・早期治療)をすることが重要です。定期点検・ 評価・判定・予防的修繕という維持管理サイクルを適切に実施することにより、修 繕のコストを抑えられ、橋の寿命を長くすることが可能となります。 橋 人 点検/計測に よる損傷の 把握 評価基準 との対比 対策(補修/ 架替)の要 否判定 補修 定期点検 評価 判定 予防的修繕 血圧・血 液・尿検査 などの測定 基準値と の比較 治療の必 要性判定 処方/治療 3 6.長寿命化修繕計画による効果(コスト縮減効果) 対 象 橋 梁 571 橋 に つ い て 、 事 後 保 全 を 実 施 し た 場 合 と 予 防 保 全 型 を 実 施 し た 場 合 の 維 持 管 理 費 に つ い て 、シ ミ ュ レ ー シ ョ ン( 模 擬 試 算 )を 行 っ た 結 果 、今 後 50 年 間 の 工 事 費 ( LCC : Life Cycle Cost) は 約 6 割 の コ ス ト 縮 減 が 見 込 ま れ ま す 。 LCC:棒グラフ 棒グラフ (百万円 百万円) 百万円 LCC累計:折線グラフ 累計:折線グラフ (億円 億円) 億円 1,200 30 予防保全 事後保全 予防保全 事後保全 25 1,000 26 25 800 20 15 14 600 15 10 400 7 200 10 8 5 3 5 0 0 2011-2020 2021-2030 2031-2040 年度 2041-2050 2051-2060 予防保全型・事後保全型の工事費予測 7.長寿命化修繕計画に基づく今後の取り組み 美 馬 市 は 、「 事 後 的 な 対 応 」 か ら 「 予 防 的 な 対 応 」 へ 転 換 を 図 り 、 橋 梁 の 長 寿 命 化 お よ び 効 率 的 な 維 持 管 理 に よ る コ ス ト の 縮 減 を 図 る 目 的 で 、長 寿 命 化 修 繕 計 画 を 策 定 し ま し た 。今 後 、長 寿 命 化 修 繕 計 画 に 基 づ い た 橋 梁 点 検 や 修 繕 ・ 架 け 替 え を 着 実 に 実 施 す る と と も に 、そ の 結 果 を 反 映 さ せ た 長 寿 命 化 修 繕 計 画 の 見 直 し や 更 新 を 継 続 し て 行 っ て い きます。 8.意見を頂いた学識経験者 長 寿 命 化 修 繕 計 画 の 策 定 は 、橋 の 専 門 知 識 を 有 す る 学 識 経 験 者 か ら 意 見 を 聴 取 し ま し た 。 学識経験者名簿 徳島大学大学院 成行 義文 教授 徳島県県土整備部道路整備課 瀬尾 政二 予防保全・利用活用担当室長 問い合わせ先 美馬市 建設部 監理課 〒777-8577 徳島県美馬市穴吹町穴吹字九反地5 TEL.0883-52-5607 4
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