専らもの“の取り扱いについて

【専ら物が生まれた理由】
廃棄物処理法上で廃棄物に該当するが、特例を受けている 「専ら再生利用の目的となる廃棄
物」があります。略して、専ら物、
(①古紙、②くず鉄(古銅等を含む)、③あきびん類、④古繊維)
と呼ばれています。この特例は、廃棄物処理法が制定される昭和 45 年以前から古紙専門回収業
者などが存在していた実態があり、これらの業者を保護する目的があるとされています。
「専ら物」の処理を委託するときに委託契約書を作成しなければならないか(Q46)
専ら再生利用の目的となる産業廃棄物(古紙、くず鉄(古銅等を含む)
、空きびん類又は古繊維)
(昭
和 46 年 10 月 16 日環整第 43 号通知。
)を専門に取り扱う再生業者に再生利用を委託する場合は、有
価物として売却するものを除いて、産業廃棄物の処理委託となりますので、委託基準が適用され、委
託契約書の締結は必要になります。
(有償売却される場合は、有価物となってそもそも廃棄物処理法は
適用されません。
)ただし、マニフェストの交付は不要です。
委託契約書の法定記載事項として、
「受託業務終了時の受託者の委託者への報告に関する事項」が定
められており、通常はマニフェストで代用していますが、マニフェストの交付が不要な「専ら物」の
委託に当たっては、マニフェストに代わる何らかの書面(受入伝票など)で業者から処理終了報告を
受けることが望まれます。
(
「専ら物」の処理確認のためにマニフェスト伝票を使用した場合でも、マ
ニフェスト交付等状況報告書の対象とはなりません。
)
また、
「専ら物」を取り扱う業者は産業廃棄物処理業の許可が不要であるため、廃棄物処理法で定め
る産業廃棄物収集運搬業者や産業廃棄物処分業者ではありませんので産業廃棄物処理基準も適用され
ません。しかし、
「専ら物」を取り扱う業者の施設に排出事業者が自ら搬入する場合は、排出事業者に
よる自家運搬であって、産業廃棄物処理基準(運搬車への表示及び書面の備え付けを含む)が適用さ
れることに留意してください。
なお、
「専ら4品目」であっても、それを埋立処分や焼却処理するなど再生利用していない場合は、
通常の産業廃棄物処理委託と同様に産業廃棄物処理業者に委託し、マニフェストを交付することが必
要です。従って「専ら4品目」を、処理料金を支払って産業廃棄物処理業者でない者に委託する場合
は、それが確実に再生利用されることを確認することが望まれます。
事務所で発生する不要物はどのように分別して委託処理すればよいか(Q47)
廃棄物処理法の規定に則り、通常は、
「事業系一般廃棄物として市町村が定めたルール(分別区分・
排出方法等)に従い市町村に処理を委託又は一般廃棄物処理業者に処理を委託するもの」
「産業廃棄物
として産業廃棄物処理業者に処理を委託するもの」及び「専ら再生利用の目的となる廃棄物(古紙、
くず鉄(古銅等を含む)
、空きびん類又は古繊維)
。いわゆる「専ら4品目」
)を専門に取り扱う再生業
者に再生利用を委託するもの」に区分し、適切に分別して管理する必要があります。
従って、事務所で発生する廃プラスチック類、金属くず等の産業廃棄物を、事業系一般廃棄物であ
る紙ごみに混ぜて、市町村に処理を委託することは廃棄物処理法に違反します。
(有価物であるものに
ついては、廃棄物処理法は適用されません。
)
大阪府HPより抜粋:http://www.pref.osaka.jp/jigyoshoshido/report/faq_5.html
(参考条文)
廃棄物処理法(第7条、第7条6項、第14条、第14条第6項)
(要約)
廃棄物処分業(収集運搬業、処理業)を行おうとする者は、その地域を管轄する都道府県(産廃)
、
市町村(一廃)の許可を受けなければならない。ただし、専ら再生利用の目的となる廃棄物(産廃、
一廃)のみの収集運搬、処理業を行う者については、この限りでない。
廃棄物処理法第12条の3、施行規則第8条の19第3号)
専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの収集若しくは運搬又は処分を業として行う者に当該産
業廃棄物のみの運搬又は処分を委託する場合、産業廃棄物管理票の交付を要しない。
昭和 46 年 10 月 16 日環整第 43 号通知(改定 昭和 49 年 3 月 25 日 環整 36 号)
。
産業廃棄物の処理業者であっても、もっぱら再生利用の目的となる産業廃棄物、すなわち、古紙、
くず鉄(古銅等を含む)、あきびん類、古繊維を専門に取り扱っている既存の回収業者等は許可の対象
とならないものであること。