エコーマップを活用した家族システムを考える~新婚期に高次脳機能

【ポスターセッション】
14:30~15:00 (第 3 会場・国際会議室)
医療提供と運営(退院支援)
-看護部門-
エコーマップを活用した家族システムを考える
~新婚期に高次脳機能障害の夫と向き合った妻への関わり~
《演者》
戸田中央リハビリテーション病院
加藤 正美
【目的(はじめに)】
本研究は、A 病院では稀な新婚期の夫婦である。新たな生活基盤をこれから築いていく途中経過で妻が夫の
高次脳機能障害と向き合うことになった事例を通して家族看護の理論にあてはめ検討していくこととする。
【方法(内容)】
研究デザインは質的研究とした。倫理的配慮は対象者には口頭と文書により匿名性の確保、研究目的以外
には公表しないなどの説明を行い、文書による承諾を得た。
用語の定義:エコーマップ:エコロジーマップ(生態図)の略
【結果(結論)】
①
入院時のエコーマップ
B 氏の両親
B氏
共通の友人
B 氏の両親
妻の両親
病院スタッフ
B 氏の職場
② 退院時の目標のエコーマップ
B 氏の妻
妻の妹
近所の医院
妻の職場
B 氏の職場
近所の人
妻の友人
共通の友人
妻の両親
妻の妹
B氏
B 氏の妻
近所の人
妻の職場
妻の友人
強い関係(線が太いほど関係性が強い)
弱い関係性
ストレスになる関係性
情報と資源を提供する流れ
【考察】
エコーマップの結果から B 氏の母親と妻は B 氏の発症以前の関わりは、一般的な嫁と姑の関係であったと考
える。妻、B 氏の母親ともに B 氏の発症はショックな出来事であったが、妻は B 氏の母親の前では明るくふるま
い、落ち込んでいる母親を励ます役割をしていたことからストレスを感じていたと考える。そこで退院時の目標を
B 氏の両親にも治療計画を理解してもらい、親子、新婚夫婦のサブシステムの境界が有効的に開いたり閉じたり
し、互いに必要な情報や支援を受けることが必要と考えた。
第 51 回TMG学会