平成27年度物質科学研究会の開催のご案内

平成 27 年度物質科学研究会
主催:中性子産業利用推進協議会,
茨城県中性子利用促進研究会,
(一財)総合科学研究機構(CROSS 東海)
協賛:J-PARC/MLF 利用者懇談会
日時:平成 27 年 7 月 30 日(木) 10:30~17:00
場所:エッサム神田ホール 401 会議室
〒101-0045 東京都千代田区神田鍛冶町 3-2-2
TEL: 03-3254-8787
参加費:
参加費は無料ですが資料代として 5,000 円いただきます.なお,中性子産業利用推進
協議会の会員企業の皆さまと大学,研究機関の方は無料です.それ以外の方は事務局ま
でご相談ください.資料代は当日徴収させていただきます.
テーマ:原点回帰:中性子回折で何が見えるか?
-中性子材料構造解析の威力-
趣旨:
J-PARC/MLF が共用開始してから 6 年余が経過したが,中性子材料構造解析の採択課
題件数は順調に増加しており,学術界はもちろん,産業界の利用も徐々に拡大しつつあ
る.そこで,今回は中性子利用の原点に立ち帰り,これまでの利用成果から浮かび上が
ってきた「中性子回折で見えること」に焦点をあてる.本研究会では,SPring-8 に代表
される高強度 X 線材料構造解析などの先端分析技術と比較しながら,中性子材料構造解
析の特長的な成果を俯瞰してその威力の認識を共有するとともに,今後の利用分野の拡
大を展望する.
プログラム:
10:30-10:35 開会挨拶
主査
10:35-10:50 J-PARC/MLF の現状と中性子の産業利用
吉沢英樹(東京大学)
林 眞琴(茨城県)
J-PARC/MLF と茨城県 BL の現状と,J-PARC/MLF における産業利用の状況,2015A におけ
る課題採択結果,ならびに,産業利用の成果などを紹介する.
<チュートリアル>
10:50-11:40 中性子で何が見えるか?-中性子散乱の原理と特長-
大山研司(茨城大学)
中性子回折は X 線回折とならび構造物性研究で不可欠な測定手法であるが,特に X 線と比
較して以下の利点がある.
・Fe と Co など原子番号のごく近い元素の合金や,重元素を含む物質での水素,酸素,
リチウムなどの軽元素化合物での構造研究が可能.
・磁性体での磁気モーメントの配列と大きさの観測が可能.
・透過力が大きいので試料表面の状況の影響を受けにくく,バルクの性質を観測可能.
・液体、ガラスなどランダム系での構造の詳細研究が得意.
講演では,中性子実験の原理的特色と,このような特色を生かした研究の実例をあげ,物質
研究で中性子を利用するメリットを紹介する.
11:40-12:15
中性子線ホログラフィーの可能性
林 好一(東北大学)
原子分解能ホログラフィーとは,特定元素周辺の三次元原子配置をイメージングできる手法
である.特にその中の,放射光を用いる蛍光 X 線ホログラフィーについては,不純物周辺の
局所構造解析を中心に特筆すべき成果を上げてきた.最近,J-PARC において白色パルス中
性子線を用いた原子分解能ホログラフィー技術の開発を行っており,ある部分では蛍光 X 線
ホログラフィーを凌ぐポテンシャルを有することが分かってきた.講演では,従来の蛍光 X
線ホログラフィーと新しい中性子線ホログラフィーの,それぞれの利点・欠点についての考
察を中心に講演を行う.
12:15-13:15
昼食
<軽元素(水素やリチウム)を見る>
13:15-13:50 新規水素化物の未知結晶構造解析
佐藤豊人(東北大学)
水素は,材料中(水素化物)でイオン結合性,共有結合性,は金属格子隙間に侵入する中性
的な結合性を示す.そのため,この多様な結合性を利用した機能性材料(水素貯蔵,イオン
伝導,超伝導など)の研究開発が国内外で盛んに行われている.これらの水素化物の機能性
をさらに理解するためにも中性子回折による水素の位置を含めた結晶構造の解明が必要不
可欠である.そこで,本研究会では,中性子回折を用いて解明した新規水素化物の結晶構造
について紹介する.
13:50-14:25
Li イオン電池用正極材料の平均・局所構造解析
井手本 康(東京理科大学)
Li イオン電池正極材料の充放電過程では,Li の脱挿入過程の構造変化が特性を支配する重
要なキーである.この過程の構造変化を,コインサイズの正極で,中性子回折を用いて世界
で初めて捉えることに成功した.さらに,中性子と放射光Ⅹ線を相補的に用い,結晶 PDF
解析を世界に先駆けて適用することにより,平均構造解析では分からなかった局所的な構造
変化(歪み,秩序-無秩序配列)などを明らかにした.この結果を用いれば.局所構造初期モ
デルなどの妥当性も理論計算で検証できる.これらを組み合わせて多角的に取り組むことで
電池特性の支配する因子を明らかにし,電極材料の開発指針を得ていくことを目指している.
<酸素を見る>
14:25-15:00 新規酸化物イオン伝導体の結晶構造解析と伝導メカニズム
藤井孝太郎,八島正知(東京工業大学)
近年開発した新構造型の酸化物イオン伝導体 NdBaInO4 について,結晶構造とイオン伝導の
メカニズムという観点で進めた研究について紹介する.これまでに報告のない新しい構造型
であったことから,その結晶構造は中性子と放射光 X 線回折を相補利用した未知構造解析法
により明らかにすることができた.特に酸素の原子位置は X 線のみでは決定できず,中性子
回折を利用したことで,はじめて正確に決定することができた.さらに最近,元素置換によ
ってイオン伝導度を大幅に高くすることにも成功したので,その結果も含め構造とイオン伝
導の関係について詳細を紹介する.
15:00-15:15 休憩
15:15-15:50
マルチプローブによる物質構造の研究
-中性子と X 線で何が分かるか?-
伊藤孝憲(東京理科大学)
金属酸化物,希土類酸化物は機能性材料として期待されている,それらの特性は酸素に大き
く依存する.酸素を定量する方法は様々存在するが,結晶構造中の構造パラメータとして酸
素の情報を引き出せる評価方法は数少ない.本発表では放射光 X 線,中性子を利用した結晶
構造中の酸素についての定量的な評価について説明する.また精度,確度の点について原理
やシミュレーションから考察する.最後に放射光 X 線、中性子を利用してどのような酸素に
関する情報が得られ物性と関連付けられるか具体的な解析例を示す.
<同位体や原子番号の近い元素を見る>
15:50-16:25 正極材料における遷移金属元素の識別
岡野哲之(パナソニック)
Li イオン二次電池は,PC・スマホ等モバイル用から車載・家庭蓄電用に用途が広がり,よ
り大きいエネルギー密度,高い出力密度が求められ,正負極材料の性能向上が不可欠である.
正極材料は Li と複数の遷移金属から成る酸化物結晶であり,Li イオンの脱挿入に伴って価
数変化する遷移金属の挙動を知ることが性能向上の鍵となる.中性子回折を活用した,結晶
内の遷移金属の識別例,結晶構造モデル構築例について報告する.また,Li 原子移動経路の
可視化,小角散乱等の事例報告も行う.
16:25-17:00
Li 同位体による Li イオン電池用正極材構造解析
石垣 徹(茨城大学)
中性子回折の利点は,軽元素を精度よく観察できることは知られているが,同位体元素を区
別することができることも特徴の一つである.よく知られている例としては,水素と重水素
があるが,それ以外の元素でも同位体を利用した測定が可能である.今回 Li イオン電池材
料について Li の同位体を利用した実験を行ったので,その同位体置換の有効性について紹
介する.
17:00
閉会挨拶
交流会:17:20~19:20
神田駅近くの「ワインホール 130」で交流会を開催します.参加費は 3,000 円です.
講演者と参加者のざっくばらんな意見の交換の場になりますので,是非ご参加ください.
参加希望者は 7 月 28 日(火)までに登録してください.
参加費は当日いただきます.なお,
当日キャンセルされた場合には参加費をいただきます.
<参加申込み>
申込み先:中性子産業利用推進協議会 事務局 三井恭子
E-mail: [email protected]
(1) 名前,(2)所属,(3)連絡先(電話番号,E-mail address),(4)交流会への参加の有無
をご記入の上,メールにてお申込みください.
<会場へのアクセス>
<貸し会議室>エッサム神田ホール
東京都千代田区神田鍛冶町 3-2-2
JR 神田駅北口徒歩 1 分
東京メトロ銀座線神田駅 3 出口前
http://www.essam.co.jp/hall/access/
<交流会場のご案内>
会費:3,000 円
時間:17:20~19:20
会場:ワインホール 130
(右の案内図をご参照ください)
http://tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13144314/
東京都千代田区内神田 3-18-8 ナルミビル 4F
TEL: 03-5295-2525
JR神田駅