J-PARCがもたらす新たな元素分析法

J-PARCがもたらす新たな元素分析法
-大強度パルス中性子による迅速・高精度分析-
成果
原子力機構と首都大はJ-PARCの大強度パルス中性子を用いることにより2つの元素分析法を融合し、試料を破壊することなく
迅速に正確な分析値が得られる手法を確立した
J-PARC MLF ANNRIの大強度パルス中性子ビームにより2つの分析手法を融合
既存の2つの分析法
即発ガンマ線分析法
陽電子
中性子エネルギーを使って
スペクトルがCoに純化された
融合非破壊分析法
Coに他の元素が混じるため解析困難
中性子共鳴吸収分析法
融合
電磁波エネルギー
2つの分析法の融合より得られる
3次元スペクトル
Co
0
例えばCoを選択的に抽出
500
1000
1500
電磁波エネルギー(keV)
2000
ほぼ純粋なピークが得られる
Co
電磁波エネルギーを使って
スペクトルがCoに純化された
僅かに残ったTaなど
中性子飛行時間(エネルギー)
Co以外(Taなど)も選択抽出が可能
80
研究開発のポイント
800
8000
中性子飛行時間(μ秒)(エネルギーと対応)
単元素だと測定が容易な標準元素Co,Ag,Au,Cd,Taを含む混合試料を測定し、従来法で
はどちらもCoの分析が困難であるのに対し、開発した分析法では正確にCoを分析する
ことができた。Co以外の元素でも同様の効果が期待でき、分析対象が広がった。
意義及び
波及効果
放射性物質を含む試料や隕石などの貴重な試料などの測定において分析精度の向上や試料の再利用などが期待でき、
これまで得られなかった元素情報をもとに原子力や宇宙化学などの分野における研究の進展が期待できる。