平成28年度小角散乱分科会を開催します。

茨城県中性子利用促進研究会
平成 28 年度小角散乱分科会
主催:茨城県中性子利用促進研究会
共催:中性子産業利用推進協議会
協賛:(一財)総合科学研究機構中性子科学センター(CROSS 東海)
J-PARC/MLF 利用者懇談会
日時:平成 28 年 11 月 1 日(火) 13:00-16:50
場所:エッサム神田ホール 1 号館 401 会議室
〒101-0045 東京都千代田区神田鍛冶町 3-2-2
TEL: 03-3254-8787 (最終頁の<会場へのアクセス>をご参照下さい)
テーマ:iMATERIA における小角散乱機能の進展
趣旨:
茨城県が中性子の産業利用促進のために J-PARC/MLF に設置した茨城県材料構造解
析装置(iMATERIA)において、一昨年 11 月に共用開始した小角散乱機能は、この 1 年で
一層の高性能化が進むとともに、スピン偏極コントラスト変調法のような世界に先駆け
た機能の準備も進めている。今回は、放射光などの量子ビームによる小角散乱解析の事
例も紹介しながら、iMATERIA での小角散乱(SANS)機能向上の取り組みと最新の実
験例を紹介する。
プログラム
13:00-13:05 開会挨拶
分科会代表
13:05-13:25 iMATERIA における中性子産業利用
小泉 智(茨城大)
富田俊郎(茨城県)
J-PARC/MLF の最新の運転状況、並びに iMATERIA を中心とした中性子産業利用の状況を
紹介する。
13:25-13:50 iMATERIA 小角散乱機能の現状
小泉 智(茨城大)
iMATERIA では前方の検出器群(小角&低角度バンク)の整備を終え、産業向きの小角散乱
の利用を開始した。現状の観測範囲 (qmin=0.007 Å-1) は、原子炉型ピンホール小角散乱装置
とほぼ同等である。低角バンクをつなげると q=5.0Å-1 までワンショットの測定でカバーで
きる。また大強度陽子加速器の利得を活かすために、
「中性子偏極」と「水素の核スピン偏極」
を組み合わせた新しいコントラスト変調法を発展させている。特にこの技術を製品に適用す
るために、各企業ユーザーと茨城県小角分科会の活動を開始した。また「汎用さ、簡便さ」
を売りにする小型中性子源小角散乱装置の建設を理研と共同で開始した。
<チュートリアル>
13:50-14:25 小角散乱による微粒子分散系の解析
原田雅史(豊田中研)
微粒子が液中で分散・凝集するのを設計するためには、微粒子間の相互作用を制御しなけれ
ばならない。小角散乱を測定すると、分散・凝集を定量的に評価することができる。特に、
中性子を用いると、添加した高分子が微粒子の分散・凝集に及ぼす影響を解析できる。さら
に、Ornstein-Zernike 方程式に基づいて、粒子間の相互作用を求めることができる。これら
の取り組みを紹介する。
14:25-15:00
コントラスト変調 SANS の現状と展開
能田洋平(茨城大)
中性子小角散乱では、重水素などの同位体置換によって構造を維持したままコントラストを
制御でき「コントラスト変調法」として役立てられている。一方、水素核スピン偏極によっ
てもコントラスト変調を実現でき、重水素化の困難な高分子に対するコントラスト変調法と
して期待されている(スピン偏極コントラスト変調法)
。本講演ではコントラスト変調法につ
いて原理と実例を交えて解説する。高分子へ無機微粒子を充填したナノコンポジット材料は、
タイヤゴム等、性能向上への取り組みが続けられており、微細構造の詳細な理解は重要課題
である。スピン偏極コントラスト変調法によって微粒子表面への高分子吸着層の観測が可能
になることを示す。
15:00-15:15
休憩
<最近の実験例>
15:15-15:45 SAXS 及び SANS による燃料電池触媒の構造解析
稲田拓実(茨城大)
固体高分子型燃料電池の触媒層では、炭素上に担持された白金微粒子を数ナノメートルの厚
みの高分子電解質(ナフィオン)がコーティングしているが、膜内の詳細な構造は未だ明ら
かでない。本研究では、ナフィオンの側鎖の末尾のスルホン酸が白金に対してどのように配
置するのかを明らかにするために、ナフィオン側鎖の類似物質と白金微粒子の混合溶液につ
いて、中性子小角散乱法、X 線小角散乱法を用いて構造解析を行った。特に中性子では軽水/
重水混合溶媒によるコントラスト変調実験を行った。研究に用いた白金微粒子の合成につい
ても報告する。
15:45-16:15
表面修飾サイズ形態制御無機ナノ粒子のナノ組織構造解析
蟹江澄志(東北大)
無機ナノ粒子表面への精密有機・ポリマー修飾は、有機物由来の自己組織性を無機ナノ粒子
に付与する上での有益な手法となりつつある。本講演では、サイズ・形態を厳密に制御した
無機ナノ粒子表面に自己組織性有機分子を修飾することにより得られる有機無機ハイブリッ
ドナノ粒子が形成する自己組織構造を小角散乱法により解析した結果について紹介する。さ
らに、得られるナノ組織構造とその構造に由来して発現する機能についても紹介する。
16:15-16:45
高分子-クレイブレンドハイドロゲルの構造解析
武野宏之(群馬大)工藤佳宏(日産化学)
ひねりや圧縮などの力学変形に対して壊れにくい、力学的にタフなハイドロゲルが開発され、
注目を浴びている。近年、我々はクレイの分散剤を用いることによって、単純混合により作
製可能な、力学的にタフな高分子-クレイブレンドハイドロゲルを開発した。この高分子-
クレイブレンドハイドロゲルに対して、コントラストバリエーション小角中性子散乱法と放
射光小角 X 線散乱法を組み合わせることによって、構造解析した結果について報告する。
16:45-16:50
閉会挨拶(今後の予定など)
峯村哲郎(茨城県)
交流会:17:10~19:10
神田駅近くの「ワインホール 130」で交流会を開催します.参加費は 2,000 円です.
講演者と参加者のざっくばらんな意見の交換の場になりますので,是非ご参加ください.
参加希望者は 10 月 31 日(月)までに登録してください.参加費は当日いただきます.な
お,当日キャンセルされた場合には参加費をいただきます.
<参加申込み>
茨城県中性子利用促進研究会
事務局 田中志穂
E-mail: [email protected]
TEL: 029-352-3301
(1)名前,(2)所属,(3)連絡先(電話番号,E-mail address),(4)交流会への参加の有無
をご記入の上,メールにてお申込みください.取りまとめの都合上,できるだけ 10 月31日(月)
までにご連絡をお願い致します.
<会場へのアクセス>
<貸し会議室>エッサム神田ホール
東京都千代田区神田鍛冶町 3-2-2
JR 神田駅北口徒歩 1 分
東京メトロ銀座線神田駅 3 出口前
http://www.essam.co.jp/hall/access/
<交流会場のご案内>
会費:2,000 円
時間:17:10~19:10
会場:ワインホール 130
(右の案内図をご参照ください)
http://tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13144314/
東京都千代田区内神田 3-18-8 ナルミビル 4F
TEL: 03-5295-2525
JR神田駅