3 幼稚園・保育園における子どもの読書活動の推進 (1)幼稚園・保育園の役割 乳幼児期には、絵本や物語の世界に遊び、その世界を楽しめるように、読み聞か せの機会をたくさんとることが大切です。生涯にわたる人間形成の基礎を育む重要 な時期です。子どもたちの読み聞かせや、読書経験の始まりを家庭と連携しながら 行っています。親が子に肉声で語りかけること、向かい合うことの大切さを理解し、 さらに読書に対する興味や関心が高まるよう働きかけることが必要です。 (資料P.25 図表Ⅱ参照) (2)幼稚園・保育園の取り組み ① 読み聞かせ活動 生後間もなくから、子どもは親の声や言葉で安定します。日常生活の中で、読み 聞かせを行うことで、読み手と子どもの心のふれ合いは深まり、子どもの心は安定 します。同時に絵本の面白さ楽しさを体験していきます。園では、日課の中に読み 聞かせを位置づけ、教員・保育士が行っています。行事や参観日には、保護者、図 書館職員、ボランティアによる読み聞かせやおはなし会を実践しています。 ② 本の貸し出し 予算の中から質の良い本を選本して購入しています。家庭での読み聞かせを楽し んでいただけるように、教員、保育士が選んだ本の中から貸し出しも行っています。 園にない本は、市立図書館の団体貸出を活用し提供しています。 ③ 保護者への働きかけ 行事、参観日等に読み聞かせやおはなし会を行い、絵本の楽しさを子どもと一緒 に味わっていただき、親子や家庭での読み聞かせにつながるきっかけ作りを工夫し ています。 ④ 職員育成 教員・保育士の意識向上のため、絵本の専門研修や、講演会、勉強会に参加して います。 (3)幼稚園・保育園の課題と方策 ① 読み聞かせ活動 ○教員・保育士による肉声での読み聞かせ活動の充実 ○子どもの集中力や理解力の個人差を補う、少人数での読み聞かせの機会の創出 ○多様な絵本や紙芝居を意識的に与えるなど、年齢に応じた興味関心を高める取り組 み 16 ○保護者、図書館職員、ボランティアなど教員・保育士以外の読み聞かせの導入 ○行事や参観日に合わせてのおはなし会など、読書体験の機会の増加 ② 本の貸し出し 本の不足、予算の不足、老朽化などの課題がありますが、本の充実のため、次の事 に取り組みます。 ○限りある予算の中での、質を意識した良い本の選定 ○家庭での読み聞かせを楽しんでいただけるように、教員・保育士が選んだ園の本や、 市立図書館からの団体貸出の活用 ○安心こども文庫※1の活用、充実 ③ 保護者への働きかけ ○行事、参観日などでの読み聞かせやおはなし会などの啓発、読書 PR ○園だより、クラスだより、参観日などでの幼い頃からの絵本体験の紹介 ○本が子どもの成長発達にどのように影響していくかを伝え、興味をもってもらえる ような働きかけ ○家庭における読み聞かせタイムの推進 ④ 職員育成 ○本を手渡す教員・保育士に対する、図書館利用の仕方や絵本を知るための職員研修 会等の実施 ○教員・保育士の理解や技能の向上の推進 ※1 平成22年度安心こども基金事業補助金地域子育て創生事業(安心こども文庫事業)により、市内保育園(16)、子育て 支援センター(2)、児童館・児童クラブ(10)に、書架と絵本を中心とした児童書をセットで設置したもの。 17
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