Economic Indicators 定例経済指標レポート

Global Market Outlook
警戒モードへ突入
2016年2月12日(金)
第一生命経済研究所 経済調査部
藤代 宏一
TEL 03-5221-4523
日経平均株価が15000円台に沈み、USD/JPYが一時110円台まで突入したことを受けて、先行き12ヵ月の予
想を以下のとおり変更する。新たな予想は日経平均が18000円(従来23000円)、USD/JPYが118(130)。変
更の理由は、筆者予想の大前提にあった米経済の強さが失われつつあり、市場がそれを逸早く織り込んだ
ことで、米実体経済に悪影響が及ぶ可能性が上昇したため。資産価格下落の悪影響は、信用収縮、企業・
家計マインド悪化など複数の経路を通じて実体経済に伝播するので、そのこと自体が景気減速要因となる。
もっとも、米経済は家計部門が粘り強さを発揮することが期待され、市場の懸念をよそにリセッションは
回避される見込み。弊社米国担当は2016年が+2.2%、2017年が+2.4%とまずまずの成長を見込んでいる。
そうした成長軌道が確保されるのであれば、複数回の利上げが実施される可能性があり、それが意識され
ることでドル高トレンドが復活するだろう。ただし、こうしたUSD/JPY急落を目の当たりにした投資家の恐
怖心が払拭されるには相当の時間がかかる。日銀の追加緩和期待が高まる、或いは実際に追加緩和があっ
たとしても、USD/JPYは1月29日に付けた121近傍で上値が重くなるだろう。USD/JPYの120回復が視野に入
る場面では、再びドル高による米経済減速懸念が強まることで、似たようなリスクオフが繰り返される。
日本株については、この為替水準では業績不安の蔓延が不可避。製造業を中心に上値の重い展開が見込ま
れ、予想EPSも下向きのカーブを描くだろう。もっとも、日本・欧州のマイナス金利が象徴するような
低成長レジーム下では安全資産から得られるリターンが著しく低下するため、債券の代替投資先としてデ
ィフェンシブ、高配当銘柄を中心に株式投資が選好される可能性はある。TOPIXの配当利回りと10年
金利のイールド・スプレッドが株式投資の相対的な魅力を高めつつあることは既に指摘したが、FEDの利
上げ観測後退・米金利低下によって“Search for Yields”の流れが一段と強まることも想定される。米10
年金利より高い利回りのインカムゲインを確保できるアセットは一定の需要を集めるだろう。
日経平均株価
24000
140
22000
130
20000
USD/JPY
120
18000
110
16000
100
14000
90
12000
10000
筆者予想
80
70
8000
10
11
12
13
(備考)Thomson Reutersにより作成
筆者予想
14
15
10
11
12
13
(備考)Thomson Reutersにより作成
16
14
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本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
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