NHK for school アワード 2015 NHK for school『未来広告ジャパン!』を活用した教員研修で協働的な学びを実感! 仙台市教育委員会教育指導課では,市立学校の校内LAN更新の機会をとらえ,出前研 修を行っている。平成27年度は,更新校35校(中学校17校,小学校18校)を対象 に実施した。 このうち11校(小学校10校・中学校1校)では, 「主体的・協働的な学び」をテーマ とし,NHK for school『未来広告ジャパン!』のコンテンツを活用した研修を行った。 研修内容は, 「主体的・協働的な学び」についての講義の後,模擬授業を体験し,デジタ ルコンテンツやデジタル表現ツールの役割を実感してもらうのである。この研修の模擬授 業部分で,「未来広告ジャパン!」の第9回「日本の食料自給率は低いままでいいのか?」 を活用した。 授業では,まず番組関連データ「日本の食料自給率」のグラフから,自給率の変化を読 み取り,どうしてこのような変化が起こっているのかを番組や動画クリップ「日本の食料 自給率」で理解していった。その上で, 「日本の食料自給率は低いままでいいのか?~望ま しい自給率を考えよう~」という課題を提示し,消費者の視点,生産者の視点,環境の視 点で描かれた3本の関連動画クリップを分担視聴して調べた。その後,異なるクリップを 視聴した者同士でグループをつくり,持ち寄った情報についてデジタル模造紙を使って整 理し,協働的に課題の解決を図るというジグソー学習を行った。 児童生徒の立場になって,職員同士が協働的に楽しく学びながら,ICT,デジタルコ ンテンツ等の役割について考えるきっかけとなったことが下記のような受講者の感想から 伺える。 <研修受講者の感想> ●今までの,考える授業やグループ学習にはメリットが多い反面,評価や時間の利用の面 で難しさを感じていたのは事実。アクティブラーニングの可能性を感じ,目から鱗の思い がした。これからの学びの方向性を感じた。 ●紙や黒板,教科書や資料集だけでは学べない協働型の学習スタイルのイメージがわいた。 後は,学習課題の設定や活用場面の吟味をしなければと思った。また,普段からICTに 教師も子供も触れることが大切だと思った。 視点が異なる番組関連の動画クリップが用意されていることで,矛盾や葛藤をはらむ社 会の出来事の意味や背景について,主体的・協働的に考えを深めていく授業のデザイン, 協働的課題解決の力を高めるための課題設定や教材の準備,学習活動の工夫等について, 受講者が実感できる研修となった。
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