4.新技術説明会について(実施後フォローアップ、来年度の実施) 【産連展開部(産学連携支援G)】 心電図を用いた非侵襲 血中カルシウム濃度測定技術 帯広畜産大学 臨床獣医学研究部門 助教 伊藤 めぐみ 酪農学園大学 獣医学群 准教授 川本 哲 北海道立総合研究機構 農業研究本部 主査 松井 義貴、研究主任 櫻井 由絵 北海道立総合研究機構 産業技術研究本部 主査 中島 康博 1 従来技術とその問題点 乳牛の血中カルシウム(Ca)濃度の測定方法に は次の方法があるが、それぞれに問題がある。 • 血液を検査センターへ送付して依頼 – 結果に時間がかかる(半日~1日) • 牛のいる場所で迅速測定用機器を用いる – 消耗品や測定機器が高価 非侵襲・迅速・経済性の要望すべてを満たす手 段はなかった。 2 新技術の特徴・従来技術との比較 • 従来技術の問題点であった、採血と測定ス ピードを改良することに成功した。 • 従来は採血が必要であったが、心電図と血中 Ca濃度の相関を用いる事で、30秒程度で血 中Ca濃度の測定が可能となった。 • 本技術の適用により、乳牛の低Ca血症の検 出が容易となり、起立不能による廃用を大幅 に抑制することが期待される。 3 想定される用途 • 本技術の特徴を生かすためには、酪農現場 の乳牛の低Ca血症のスクリーニングに適用 することで廃用コストの低減を図れる。 • 上記以外に、乳牛の日常健康管理により、健 康状態の向上の効果が得られることも期待さ れる。 4 実用化に向けた課題 • 現在、検量線に必要なデータを搭載し、心電 図からの血中Ca解析アルゴリズムの推定が 可能なところまで開発済み。しかし、心電図異 常のフィルタリング方法が一部未解決である。 • 今後、治験のための実験データを取得し、動 物用医療機器として適用していくための各種 試験を行っていく。 5 企業への期待 • 心電図波形の解析や特徴量の検出など時系 列波形技術を持つ企業、また商用アプリケー ション開発の技術を持つ企業の強力による製 品化を希望。 6 本技術に関する知的財産権 • 発明の名称 : 血中カルシウム濃度測定方法 出願番号 : 特願2015-018051 • 出願人 : 地方独立行政法人北海道立総合研究機構、 国立大学法人帯広畜産大学 学校法人酪農学園 • 発明者 : 伊藤めぐみ、川本哲、中島康博、前田大輔 桑野晃希、櫻井由絵、松井義貴 7 産学連携の経歴 • 2010年-2013年 科研Aに採択 – 「個別筋活動電位非侵襲同時計測技術の開発」 • 2011年-2012年 JST ASTEP事業に採択 – 「個別筋活動電位非侵襲同時計測技術の開発」 • 2012年-2014年 総務省SCOPE事業に採択 – 高齢者・障がい者の自立支援のための複合現実感(MR) 技術を用いた多感覚フィードバック型遠隔ヘルストレーニ ング・リハビリテーションシステムの研究開発 • 2013年-2014年 総務省SCOPE事業に採択 – 「携帯型心電計による乳牛の血中カルシウム濃度判定法 の開発」 8 お問い合わせ先 お問い合わせ先 北海道立総合研究機構 本部研究企画部 知的財産グループ 武者、西山 TEL 011-747-2806 FAX 011-747-0211 e-mail hq-rps@hro.or.jp 9
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