タイトル: お母さんの仲間 氏名: 髙橋 涼華 小学校名:山口県 山口市立大殿小学校 六年 小さい頃、道路を走っているパトカーを見つけると、とてもうれしかった。赤、白、黒 の三色がキラキラ光って見えた。私がパトカーに向かって手をふると、おまわりさんは笑 顔で敬礼してくれた。うれしくて、なんだかほっとした。パトカーに乗っているおまわり さんは、みんなお母さんの友達だと思っていた。 私のお母さんは、警察官だ。夜中や休日、家にいないこともある。保育園のおむかえは、 いつも最後だった。小学校の参観日にもほとんど来ない。いつもけい帯電話を自分の近く においている。仕事の話はしないけれど、たいへんそうだ。お母さんは、どうして警察官 になったんだろう。 「子どものころ、弱い者いじめはいけないと思っていたけれど、何もできなかったから」 とお母さんは言った。 私も、勇気が出ない時がある。思ったことを言おうか迷って結局言えなかった時は、 「ちゃんと言ったほうがよかったのかな。 」 と後悔してしまう。お母さんも、子どもの頃そうだったんだ。でも、きっとそんな自分の ままではいけないと思って、警察官になったんだ。そんなお母さんを応えんしたいと思っ た。 この間、お母さんと車に乗っていた時、パトカーとすれちがった。私が、 「おまわりさんは、みんなお母さんの友達なの」 と言うとお母さんは、 「会ったことのない人もたくさんいるけれど、警察官はみんな仲間」 と言った。辞書で調べてみて、お母さんの言っていることがわかった。仲間とは、仲良く していなくても、たとえ初めて会う人でも、同じ目的を持って、協力できる人間関係とい うことだ。だから、友達ではなく仲間。 お母さんは、弱い者いじめにあっている人を助けるために、弱い者いじめをなくすため に、警察官になったと言った。他のおまわりさんが警察官になった理由はわからないけれ ど、きっと、おまわりさんは、みんな正義の味方だ。困っている人や、小さな私たちを助 けてくれる。 小さい頃、おまわりさんが笑顔で敬礼してくれたのを見た時、私がうれしいだけではな く、ほっとした理由は、きっと小さな私のことをおまわりさんがちゃんと見ていてくれた からだ。 小学校の近くを歩いていると、パトカーによく出会う。おまわりさんは、私たちの方を 見ながらパトロールしている。おまわりさん、いつも私たちを見守ってくれてありがとう。 将来の夢はまだ決めていないけれど、人のためになり、人に安心感を持ってもらえる仕 事をしたいと思う。もしかすると、お母さんの仲間になるかもしれない。
© Copyright 2024 ExpyDoc