親野智可等(おやのちから)氏(本名:杉山桂一氏)講演内容

親野智可等(おやのちから)氏(本名:杉山桂一氏)講演内容
ある家庭の話、
「早くご飯を食べなさい!」子供が食べていると「なぜ顔を洗わないの!」
「いつ
まで食べているの!」と次々に矛盾した言葉が飛んでくる。ガミガミと否定されると子供は自己肯
定感、自尊感情が低くなり、何やってもだめだと思ってしまう。また親の愛情に対する不信感が芽
生え、愛情を確認するために悪いことをするようになる。
なぜ愛する子供に否定的な事を言うのか、親の一方的願望であり、子供の時なら変えられると思
っているからで、これが大きな勘違いである。確かに子供はスポンジのような吸収力がある。新し
いものを吸収する事は、子供は得意であるが、持って生まれた性格や才能を変えるのは極めて難し
い。逆に持って生まれたものを変えていくのは、大人になってからである。自分もおっとりとした
性格で片付けが出来なかった。教師になって大事なものを無くした事があり、それで本当に反省し
て、片付けのノウハウ本を沢山読んで努力した。大人はやる気があれば自己改造が出来る。子供に
とって、それは超苦手である。子供は、吸収力はあるが自分を変えるのは難しく、変えようという
モチベーションが持てない。将来を真剣に考えなければ自己変革のモチベーションにならない。
子供を変えたいというのは親の願いや欲で、これで親子が苦しむ。今変えなければならないとい
う事はない。長い人生でスイッチが入る時がくる。チャンスが来た時、自分はできるという自己肯
定感が強い子供はスイッチを押せる。親はそれを育てて高めるだけで、それまで親が待てるかどう
か。スイッチを押せる子供にしてあげる事が大事。叱ると自己肯定感をぼろぼろにして潰してしま
う。親子関係がぼろぼろだとやる気スイッチ入った時に応援できない。待つ事が大切である。
促す方法は、合理的工夫と言葉の工夫の二つがある。合理的な工夫は、例えばご飯の所に歯ブラ
シを置いておいて、自分で歯を磨いたら褒めてあげる。過不足ないサポートをして褒めること。す
ぐ遊びに行く子供に、玄関に大きい箱を置いて「遊びに行ってもいいけどカバンの中を箱に出して
から遊びに行こうね」、あるいは「とりあえず1問方式」、1問だけやって遊びに行かせる。見通し
が付いて、全体像や現在地が分かると取り掛かりやすい。「見える化」する。まず簡単な問題をや
って褒めると脳の血流があがる。また毎日決めた時間にお片付けタイムをとる。遊ぶ時は出しっぱ
なしの方が良い。脳が高速回転する。遊んでいる途中に叱ると脳の回転が急に落ちる。アップル社
のジョブズ氏は片付けが下手である。あまりにも片付けられた家では子供は伸びない。出来る工夫、
合理的工夫をしてみましょう。それでもうまくいかない場合はやってあげて下さい。「やってあげ
ると自立できない」これも誤解です。出来なければやってあげる。ちょっとできたら褒めてあげる。
自立の意味を勘違いしている。子供の自立、人間の自立とは何か、実は皆あまり考えていない。
親の都合がいい事や親がやらせたい事をする子供が自立していると勘違いしている。子供がやりた
い事を自分で見つけて、自分で頑張れる子供が自立している。自己実現力がある。その中で自己改
革が必要になってくる。達成する為に自己改革をするようになる。だから自己実現力を育てる。本
人がやりたがる事を応援してあげると誰よりも得意になる。さかなクンは魚が好きで、お母さんは
全面的に応援した。好きな事に夢中になると自信になり、スイッチがどんどん入る。本当の自立を
させる。親がやってあげる時は文句を言わず、叱らず、恩着せがましくせずにしてあげる事。
言葉の工夫は、否定的に言わず、とりあえず褒める。言う時も「こうしたら良い事があるよ」と
プラスのイメージで伝える。出来てから褒めるのでは、永久に出来ない。子供は褒めるから出来る。
同じ事を何度言ってもいい。子育ては何十万回同じ事を言う生活。明るく楽しく言いましょう。
共感が大事である。とりあえず共感してあげる。喧嘩してもまず聞いてあげる。理解してあげる。
信頼は共感から。親が共感しないと他にそれを求めるようになる。夜の街や出会い系サイト等。
男の脳、女の脳がある。男の脳はやりたい事しかしないし、行き当たりばったりで落ち着きがな
い。これらは将来、行動力や創造性、主体性につながり伸びる要素でもある。子供は後で伸びる。
(藤田メモより、詳しくは市販書籍にて)