2015 年度 数学概論 IV・情報解析学 演習問題 §14. 有理型函数 2016 年 1 月 26 日出題 [ 14.1 ] z = i が 1 位の極であって留数が 1,さらに z = 1 と z = 1 が極であっ 2 1 て,そこにおける特異部がそれぞれ z 2 + z , 2 + z + 1 で,これら以外 (z + 1) には極はなく,しかも f (0) = i となるような有理型函数 f (z) をすべて求めよ. [ 14.2 ] f (z) := (z z5 を複素数の範囲で部分分数分解せよ. 1) (z 2 + z + 1) 2 [ 14.3 ] a1 , . . . , an は異なる複素数とし,多項式 P (z) := (z を考える.ただし,n は 2 以上の自然数である. n P 1 (1) 1 の留数を考えて, = 0 を示せ. 0 P (z) P (a j) j=1 n P (2) (1) と同様に考えて,k = 0, 1, . . . , n 1 に対して, j=1 a1 )(z a2 ) · · · (z an ) akj を求めよ. P 0 (aj ) [ 14.4 ] 写像 w = 1 により,次の図形はどんな図形に写されるか. z (1) 円 z ↵ = ↵ ( ↵ 2 C \ {0} は定数) (2) 直線 Re z = a (a 2 R) = 1 ,すなわち,逆写像が逆数に等しい 1 次分数変換 '(z) = az + b ' cz + d をすべて求めよ. z+i [ 14.6 ] '1 (z) := とし,n = 2, 3 . . . に対して 'n := '1 'n 1 とおくとき, iz + 1 閉区間 [ 1, 1 ] ⇢ R の像 'n ([ 1, 1 ]) を調べよ. [ 14.5 ] ' 1 【ヒント】実は,'1 は [14.5] の答えの一つである. [ 14.7 ] ↵ 2 C,0 < ↵ < 1 として,1 次分数変換 w = '(z) = z ↵ を考える. ↵z 1 (1) ' 1 = ' であることを示せ. (2) ' による円 Cr : z = r (0 < r < 1) の像 '(Cr ) はどんな円か. (アポロニウスの円:中心と半径は [1.18] で求めた.) (3) z < 1 のとき,次の不等式がなりたつことを示せ. z ↵ z + ↵ 5 z ↵ 5 1 ↵ z 1 ↵z 1+ ↵ z 【ヒント】直線 O↵ と円 '(Cr ) の交点を p, q とすると,次のようになる. r+ ↵ r ↵ p = , q = . 1+r ↵ 1 r ↵ 【注意】 z ↵ 5 z + ↵ かつ 1 ↵z 5 1 + ↵ z などより,問題の不等式は明らか としてはいけない.この意味で,(3) はおもしろい不等式である. 以上
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