3会合連続で政策金利据え置き(2015/4/15作成)

*グローバル投資環境
No.957*
ご参考資料
髙木証券投資情報部
インドネシア中銀の金融政策会合~3会合連続で政策金利据え置き
2015年4月15日作成
インドネシア中銀は14日に金融政策会合を開催し、政策金
利を3会合続けて7.50%で据え置いた。中銀は、政府が昨年11
月に実施した燃料に対する補助金削減によるインフレを最小
限にとどめるために、同月18日に開いた臨時の政策会合で1年
ぶりに25ベーシスの利上げに踏み切ったが、今年に入って政
府が補助金のさらなる削減を行い、実質的には市場価格に連
動する形になったにもかかわらず、原油安によって燃料価格
は逆に値下がり、CPI上昇率も昨年12月の8.36%をピークに低
下に転じたため、2月17日に開いた会合では25ベーシスの利下
げを実施している。
声明文における政策決定の背景に関する表現は、「2015年
及び2016年のインフレ目標である4±1%を達成するとともに、
経常赤字を中長期的にはGDPの2.5%~3%というより健全な方
向に向かわせるための努力に沿ったものである」であり前回
と変らない。また、「国内外のリスクに常に注意を怠らず、
マクロ経済と金融システムの安定を維持するための通貨ルピ
アの安定を含む金融及びマクロ調整のためのポリシーミック
スの強化する」姿勢を維持している。
景気について3月17日に開かれた前回会合の声明文では、
「第1四半期の成長は前四半期を上回るだろう」と述べていた
が、消費は予想通り強かったものの、投資と輸出のスローダ
ウンを背景に、今回は「第1四半期の成長は緩やかになった」
に変更された。第2四半期については、消費は引き続き堅調が
見込まれることに加え、政府支出も増加し始めると予想、輸
出も回復初期のサインがみられるとして、「リバウンドが見
込まれる」と述べているが、2015年の成長が5.4~5.8%とし
ている予想の下限近辺にとどまる可能性を指摘している。
声明文は貿易収支について、「3月は2月(7.38億米ドル)
を上回る黒字が見込まれる」と述べるとともに(3月の貿易収
支は本日発表予定)、「1~3月の貿易黒字により、第1四半期
の経常赤字は2014年の第4四半期を下回る」との見方を示して
いる。また、インフレについては、「2015年の最初の2ヶ月の
鈍化傾向の後、3月は前月比0.17%上昇(前年同月比は6.38%
上昇)したが、2015年のインフレ目標である4±1%にコント
ロールされている」との見方を示している。
インドネシアの株式市場は今月上旬に過去最高値を付けた
後、足下ではやや伸び悩んでいるが、その背景としては中銀
が指摘した成長下振れのリスクが意識されている可能性があ
ろう。
(文責:勇崎 聡)
(インドネシア中銀及びBloombergデータより髙木証券作成)
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