政策金利を25ベーシス引き下げ(2015/3/4作成)

*グローバル投資環境 No.914*
ご参考資料
髙木証券投資情報部
政策金利を25ベーシス
インド準備銀行が臨時政策会合を開催~引き下げ
2015年3月4日作成
インド準銀は次回の金融政策会合を来月7日に開くことを予定していたが、4日に臨時の金融政策会
合を開催し、政策金利であるレポレートを7.75%から7.50%に引き下げた。同準銀は1月15日に開い
た臨時の金融政策会合において25ベーシスの利下げを実施した後、先月3日に開かれた定例の会合で
は利下げを見送っており、準銀はその理由について「(利下げを実施した1月15日以降)ディスイン
フレと財政の見通しに新たな進展がみられないため」としていたほか、「基準年度が従来の
2004/2005年度から2011/2012年度に変更されたGDP(発表は前回会合後の2月9日で、詳細につい
ては「グローバル投資環境No.892をご参照下さい)を注意深く分析し、準銀の見通しに反映させる必
要がある」と述べていた(但し、今回の声明文ではGDPの見通しは示されていない)。
ちなみに、インドではGDPだけではなく、CPIについても従来の2010年基準から2012年基準に変更
されている。準銀は新基準ベースで5.1%となった1月のCPIについて、野菜の価格が下がったほか、
食品と燃料を除く幅広い物価が最低を更新したと述べ、インフレが2014年1月の政策会合で示された
見通し(2015年1月 8%、2016年1月 6%)に沿って、実際には当初の予想を上回るペースで低下してい
るとの認識を示した上で、インフレは2015/2016年度の上半期にわたって軟化した後、下半期には
多少上昇するが、それでも6%以下にとどまると予想している。
また、声明文では先月28日に政府が示した予算
(詳細はグローバル投資環境No.911参照)について
も、「多くの重要かつ有用な構造改革が盛り込まれ
ており、供給の改善に中期的に寄与するだろう」と
述べているほか、財政赤字の対GDP比3%の目標達
成は1年先送りされたものの、とりわけ地方政府の
協力が得られた場合には、財政の質が高まるとの見
方を示している。
以上みてきたような、詳細な分析に基づく慎重な
金融緩和はインドの金融市場にとってポジティブで
あり、SENSEX.30株価指数は利下げ発表後に史上初
めて一時3万ポイント台の大台に乗せた。
なお、新興国通貨の中では屈指の底堅さをみせて
いるインドの通貨ルピーについて、準銀が「過度に
強いルピーは望ましくない」と述べている点には注
意が必要だが、実質金利をプラス保ちつつ緩やかな
利下げが行われる限りにおいては、ルピーが大きく
崩れる可能性は低いとみられ、緩和的な金融政策の
継続を前提にすれば、先に述べた同国の株式市場だ
けではなく、同国の債券についても良好な投資環境
が続くと思われる。
(文責:勇崎 聡)
(出所:インド準銀及びBloombergより髙木証券作成)
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