2015 年 赤十字国際ニュース 第 21 号 2015 年 4 月 17 日 ( 通巻 第 1106 号 ) 日本赤十字社 国際部 東京都港区芝大門 1-1-3 TEL 03-3437-7087 / FAX 03-3435-8509 E-mail:[email protected] http://www.jrc.or.jp/ ■世界の赤十字・赤新月社の活動を 支える昭憲皇太后基金 「昭憲皇太后基金」は、明治天皇のお后である昭憲皇太后が、1912 年(明治 45 年)にワシントンで第 9 回赤十字国際会議が開催さ れた際、赤十字の平時の活動を奨励するために国際赤十字に 10 万円(現在の 3 億 5 千万円相当)をご寄付なさり、これを基に創 設されました。赤十字が戦時救護の活動を中心にしていた時代、 災害救護や開発協力といった平時活動を盛んに行うための国際 的基金の創設は画期的なことであったと言われています。 2012 年に創設 100 周年を迎えた昭憲皇太后基金は、皇室をは じめとする日本からの寄付金によって成り立っています。基金は 国際赤十字の中に設けられた合同管理委員会によって運営され、 原資を取り崩すことなく、そこから得られる利子が必要とされる 赤十字社の活動に配分されます。配分先は皇太后のご命日にあた る毎年 4 月 11 日に決定されています。これまでの配分は大正 10 昭憲皇太后 年の第 1 回から今回までで、合計約 14 億 8,180 万円(1,280 万 スイスフラン) 、配分先は 161 の国と地域に上り、世界中で災害・感染症などに苦しむ人 びとの救済や福祉の増進、防災、病気の予防などの活動に充てられています。 ■2015 年の配分先が決定 -総額約 1,858 万円が8カ国での活動支援に- 昭憲皇太后基金合同管理委員会は 4 月 11 日、今年度の基金の配分先を以下の 8 カ国で の活動に決定しました。その総額は約 1,858 万円(15 万 100 スイスフラン)です。 1.コスタリカ赤十字社(中央アメリカ):約248万円(2万スイスフラン) コスタリカ赤十字社は、貧困や麻薬取引、ギャングの存在が生み出す深刻な社会問題 に対処するため、コミュニティーの活動を通じて、若者が抱える問題、保健や社会福祉、 リーダーシップの育成、人道的価値の啓発を行います。 2.スリナム赤十字社(南アメリカ):約226万円(1万8,300スイスフラン) 自動車の数が急増し、交通安全に対する訓練や啓発が緊急の課題となっているスリナ ム。交通事故の減少や深刻さの軽減のため、特に若年層に対する交通安全の学習が必要 と考え、責任ある行動や安全に向けての良い習慣を身につけるように啓発しています。 3.ラオス赤十字社(アジア):約177万円(1万4,300スイスフラン) 公共の救急サービスの不足が要因で、交通事故による路上での死亡率が高いラオスで は、緊急の医療処置や救急法を行うボランティアの能力向上に取り組みます。 4.東ティモール赤十字社(アジア):約236万円(1万9,050スイスフラン) 東ティモール赤十字社は近年、自立的資金造成計画の一環として、有料の救急法等の 講習を実施しており、その一環として既設のビルをリフォームし、救急法用の研修室を 設置します。この研修室の活用により、同赤十字社の評価や社会的認知度の向上、各地 域の支部組織の能力強化にもつなげます。 5.カーボベルデ赤十字社(アフリカ):約256万円(2万640スイスフラン) 同国フォゴ島の火山噴火で被災した子どもた ちへの支援として、カーボベルデ赤十字社は、学 校の机や椅子などの教育資材や食料、身体検査や こころのケアといった活動を行います。 6.ナイジェリア赤十字社(アフリカ):約215万円(1万7,400スイスフラン) ナイジェリア赤十字社は、毎年甚大な被害を 出している交通事故の被害者をはじめ、災害や 社会的暴力によって傷ついた人びとへの迅速な 支援活動を展開してきます。交通事故の被害者 に対する支援を計画し、交通事故に対する一般 市民への啓発とともに、救急法の講習を継続し て実施します。 積極的に活動するナイジェリアのボランティア ©IFRC 7.モルドバ赤十字社(ヨーロッパ):約267万円(2万1,600スイスフラン) モルドバでは児童に対する暴力がまん延しています。モルドバ赤十字社は、行政当局 や NGO などのパートナーと連携し、児童に対する暴力を予防するとともに幼少期に受け る暴力が及ぼす影響に関する啓発を行うため、キャンペーンや情報提供、公共のイベン トなどを行います。 8.モンテネグロ赤十字社(ヨーロッパ):約233万円(1万8,810スイスフラン) モンテネグロ赤十字社は、複合的に発生する災害に対し、被災者へのこころのケアな どで重要な役割を担ってきました。基金の配分を受けて、人道的価値を推進し、若者の 間での暴力を絶つ支援を行います。 ●赤十字活動を支援する http://www.jrc.or.jp/contribute/support/#tabMenu2 〔お振り込みについての連絡先窓口〕 日本赤十字社組織推進部海外救援金担当 TEL 03-3437-7081 FAX 03-3432-5507 ★日赤のさまざまな情報を配信中です!公式アカウントをぜひご登録ください★ Facebook:日本赤十字社
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