世界遺産と聞いて、真っ先に思いついたのが屋久島だった。ポストカードや写真集、旅行雑誌、 インターネットでは大自然が広がっている。屋久杉は木の強さが感じられ、屋久島のシンボルと して欠かせない。 同じようにここ奄美大島にも自然は多いが、どうして世界遺産には登録されないのだろうか。 屋久杉がないからか。 私は奄美の自然が好きだ。鳥はいろいろな声で鳴き合うし、エメラルドグリーンの海は底ま で透き通っている。たまに旅行で都会に行くけれど、帰って来てきれいな海を見るとほっとする。 しかし、この間残念なことがあった。それは、学校帰りにたばこのポイ捨てをする人を見たこ とだった。戸口の砂浜にはたくさんのゴミが落ちているし、登下校の際もゴミを目にすることがあ る。町に落ちているゴミは、誰かが捨てなければあるはずがないと思いながら、帰り道によく見 てみると、道路の端にお菓子のゴミや、道路脇の草むらには投げ込まれたように空き缶が落ちて いる。 島の自然がきれいでも、そこに住む一部の人々の心が汚れているのだと思った。私たち一人一 人が町をきれいにすることを心がけていれば、道路にごみを捨てるなんて無くなるはずだ。そし て自然も人々もみんな暮らしやすくなる。奄美に住む人々はきれいな自然に慣れてしまって、き れいにする努力が足りないのだと思う。そして、努力することで心もきれいになると思う。 きれいな心をもった人がたくさんいる奄美大島こそが世界遺産にふさわしいのだ。そのために は、私たち一人一人ができることを考え努力し自然を守らなければならないのだ。 奄美には屋久杉のようなシンボルはないかもしれない。しかし、島を想い、島に誇りをもって 生きていく、そんな島人に私はなりたい。
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