A型インフルエンザウイルス感染マウスの生存率に対するEnterococcus faecalis FK-23の効果 近藤正敏1, 2、深田一剛1, 2、藤倉大輔2、嶋田貴志1、鈴木義充1、岩井淳2、宮崎忠昭2 1ニチニチ製薬株式会社中央研究所 2北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター Viral Immunology誌 (アメリカ) FK-23の水様性成分をC57BL/6マウスに毎日経口投与した。FK-23投与7日目にA型インフルエンザ ウイルス(PR8)を鼻から摂取して感染させた。感染後の生存率を調べたところ、FK-23を投与したマウ スは、FK-23を投与していない対照群と比較して生存率を有意に高めた(図1)。さらに、感染後の肺を 観察すると、FK-23を投与することで、肺の炎症が軽減されていた(写真)。このことを裏付けるために、 肺のサイトカインの発現量を調べた。その結果、FK-23を投与したマウスは対照群と比較して、抗炎症 性サイトカインであるIL-10の発現量が有意に高くなっていた(図2)。これらのことから、FK-23を飲用す ることで、インフルエンザウイルスに感染しても、過剰な肺の炎症を抑え、その結果、肺炎といったの重 篤な症状を免れる可能性が期待できる。今後、FK-23の活性成分を同定し、免疫細胞にどのように作 用するのかを明らかにしていく予定である。 100 生存率(%) 80 P < 0.05 60 40 対照群 FK-23投与群 20 0 0 1 3 9 11 13 7 5 感染後の実験日 15 17 対照群 FK-23投与群 写真 インフルエンザウイルス 感染マウスの肺の炎症像 発現量の多さ 図1 インフルエンザウイルス感染マウスの生存率 15 対照群 10 FK-23投与群 P < 0.01 5 0 -5 -10 実験1日 実験5日 実験3日 図2 肺の抗炎症性サイトカインIL-10の発現量
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