目白大学大学院 修了論文概要 所属 看護学部研究科 看護学専攻 修士課程 ウイメンズヘルス看護学分野 修了年度 平成 26 年度 氏名 井上 直子 指導教員 (主査) 刀根 洋子 論文題目 妊娠中の運動が初妊婦のセルフケア能力におよぼす影響 本 文 概 要 [目 的] 妊娠中の運動が初妊婦のセルフケア能力におよぼす影響を明らかにする。 [方 法] 初妊婦を対象とし、被験者(運動群)と対照群(非運動群)をおいた、記名質問紙による前向 きコホート調査。妊娠中期、妊娠後期の 2 回調査する。初妊婦のセルフケア能力を測定するため自尊感 情尺度、妊婦セルフケア行動意図尺度、出産準備尺度を使用した。 調査期間は 2014.5 月~2014.9 月であった。 [結 果] 調査票の回収は運動群 36 名(82.2%) 、対照群 38 名(66.6%)であった。平均年齢は、運動群 32.6 歳(SD=4.41、25 歳~42 歳) 、対照群 29.9 歳(SD=4.71、20 歳~42 歳)であった。妊娠中に運動 している初妊婦は、運動していない初妊婦より妊娠中期、妊娠後期とも自尊感情が高く、自尊感情、セ ルフケア行動、出産準備力は妊娠中期から妊娠後期に向上していた。妊娠中に運動していない初妊婦は、 セルフケア行動の中で、 「母親役割・分娩準備」 「食生活」の項目が妊娠中期から妊娠後期に点数が有意 に下降していた。 [考 察] 運動を継続しながら初妊婦自身の健康管理、身体のコントロールができるという自信は何らか の自尊感情に影響をおよぼしている。運動は身体と精神の双方に良い効果があるため運動群に効果が認 められた。運動中に自身の身体反応に注意を向けセルフコントロールを高めていく過程で、他の健康行 動である母親役割準備・分娩準備、食生活、日常生活動作への配慮というセルフケア行動までもが高ま り、妊娠中の生活全般にかかわるセルフコントロールが強化された。 [結 論] 妊娠中に運動をしている初妊婦は、 自尊感情が高く、 妊娠中期より妊娠後期にセルフケア能力、 出産準備力が上昇していた。初妊婦に運動の効果を伝え、妊娠中の運動を推奨していきたい。 [キーワード] 初妊婦 マタニティ・エクササイズ セルフケア能力 出産準備性 自尊感情
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