研究概要図

12.研究成果概要図(別添3)
「多層的疾患オミックス解析における、プロテ
オーム情報に基づく創薬標的の網羅的探索を目指した研究
【研究期間】 H22~H26
【研究目的】死亡率や罹患率が高く、QOLを低下させている主要
総括: 南野直人 (国立循環器病研究センター)
分担: 山田哲司 (国立がん研究センター)
後藤雄一 (国立精神・神経医療研究センター)
安田和基 (国立国際医療研究センター)
松本健治 (国立成育医療研究センター)
新飯田俊平 (国立長寿医療研究センター)
(ID 10-44)
10疾患について、タンパク質総体の量的変動、構造変化を見出す
プロテオーム解析を実施し、他のオミックス解析の結果と統合して、
疾患発症や病態形成に係わる分子や機序に基づく新しい創薬標
的候補を各疾患に1個以上同定する。解析結果をデータベースに
収録し、広く創薬研究に利用可能とする。
【実施体制】
【研究成果】
1.研究計画のIRB承認、MTA締結を完了。SOPとQC基準に従った質の高い試料収集と解析を実施。
2.脂肪の多い肥満症、NASHの前処理法も確立し、 全プロテオーム解析を実施、多層解析に貢献。
3.腎がんのプロテオーム解析等の結果を用い、データベース用パスウェイマップの基本案を完成。
4.脊柱管狭窄症では、創薬標的候補タンパク質の変動をMRM法で絶対定量した。多層的解析デー
タと臨床情報を照らし合わせ、発症に関連する生物学的機序の一部が解明された。
5.拡張型心筋症では、リン酸化プロテオーム解析や他の解析結果を統合し、数理情報解析技術を
用いた解析も行い、12種のバイオマーカー候補と、既存薬から10種の候補薬剤を選出した。
6.大動脈瘤ではプロテオーム解析に基づく進行度分類法を作成し、バイオマーカー候補を選出した。
7.他の疾患においても変動タンパク質を数多く同定し、創薬標的候補発見に向け多層解析を開始。
8.2DICALのバージョンアップとペプチド吸着分離法の改善を完了し、同定タンパク数を大幅に増加。
【今後の計画】 2DICALによるプロテオーム解析を完了し、リン酸化プロテオーム解析や他のオミックス
解析結果を総合して、バイオインフォマティックス技術を導入した統合解析を実施し、各疾患の発症、
病態形成機序に基づく新しい創薬標的候補分子や分子経路、診断用バイオマーカーを見出す。
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(ID 10-44) 「多層的疾患オミックス解析における、プロテオーム情報に基づく創薬標的の網羅的探索を目指した研究」
【研究概要】
プロテオーム解析領域の研究体制
【25年度の主な成果】
・拡張型心筋症では、多層解析と数理情報解析技術を用いて、
12種の診断マーカー候補と10種の候補薬剤を選出
・脊柱管狭窄症では、発症に関連する機序の一部を解明
・プロテオーム解析結果より、大動脈瘤の進行度分類法を提案
・腎がんのデータを用いてパスウェイマップ表示の基本案を完成
・2DICALと分離法改善を完了し、同定タンパク数を大幅に増加
拡張型心筋症のプロテオーム、多層解析
エピゲノム‐
トランスクリプトーム
疾患特異的タンパク質の同定
バイオインフォマティ
クス解析による相互
作用マッピングから、
機能分子群の分類と
分子病態を解析
DNAメチル化率
重症度診断用マーカー
Protein B
Protein C
タンパク質量
タンパク質量
タンパク質量
鑑別診断用マーカー(組合せ)
Protein A
発症進行に関わる機序と主要タンパク質群を同定
●疾患群
●対照群
mRNA量
分子経路の中心として
創薬標的候補を探索
●疾患群
●対照群
mRNA量
脊柱管狭窄症のプロテオーム解析
3層で相関した変動を示す
遺伝子・タンパク質の同定
プロテオームトランスクリプトーム
正常群 準疾患群 疾患群
CNT
DCM
d-HCM
CNT
DCM
d-HCM
重症度や病型毎に発現量の異なるタンパク質を診断マーカー候補に選出
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