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Forex Watch
Daily Market Comment
Forex Watch Koujiro Mori
2015 年 3 月 24 日
明暗を分けた米欧金融当局者の発言
※当レポートは、投資の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を意図するものではありません。 投資の決定はご自身の
判断と責任でなされますようお願い申し上げます。 記載された意見や予測等は、作成時点における 森 好治郎 個人の見解であり、
その正確性、完全性を保証するものではなく、今後予告なく変更されることもありますのでご留意ください。
― 1 ―
Techno-fundamental Analysis
Daily Market Comment
週明けの為替マーケットは、米欧金融当局者に
ドルの対主要通貨相場の騰落率
%
(NYクローズベース)
NYクローズベース)
よる発言を手掛かりに米ドルが広範に売られる一 0.50
2015/03/20
2015/03/20 ⇒ 03/23
03/23
方、ユーロが買い戻される展開となった。
ユーロ圏では、ドラギ ECB 総裁が欧州議会で 0.00
-0.02
-0.31
-0.31
の証言で、ユーロ圏のインフレ率は年末にかけ緩
やかに上昇していくとの見通しを示したことを受け -0.50
-0.85
て、ECB が 2016 年 9 月まで継続するとした量的
ドル高
緩和をこれよりも早い時期に終了させる可能性が -1.00
-1.16
-1.19
-1.35
あると受け止められ、国債利回りの上昇と共にユ
ドル安
-1.50
ーロ買い戻しが優勢となった。
JPY
EUR
GBP
CHF
AUD
CAD
NZD
ドラギ総裁は、最近の原油価格下落の影響が
EURUSD Daily Chart
年内終盤まで続くと予想した上で、「インフレ率は 1.275 2 1.2569
Global Range
12/16
今後数カ月、極めて低い水準、もしくはマイナスに
2014/11/242014/11/24-2015/03/23
とどまると想定している」と述べたが、一方で「イン
フレ率が年末にかけ緩やかに上昇していくと予想 1.225 1.2247
Runaway gap
12/08
1.2001⇒1.1947
する。総需要に加え、ユーロの一段安、原油価格
が現在の安値から戻すことに下支えされるだろう」
1.1680
4
01/21
との見解を示した。 このほか、ECB の緩和政策 1.175
1.1534
02/03 1.1450
02/19
に支えられた融資状況の改善などが追い風とな
(3)
)-2
1.1460
り、「ユーロ圏の成長は勢いを増している」と、総じ
c
01/16
1.125
1.1062
1.1270
てポジティブな見通しを示した。
03/18
02/09
a
1.1115
これにより、ドイツ 10 年債利回りは前週末の
3 01/23
0.1860%から 0.2240%まで上昇し、米 10 年債利 1.075
回りとの格差(終値ベース)は、今月 11 日に記録
b
した 26 年ぶり高水準の 1.9056%から 1.6854%ま
1.0463
03/13
で 0.2202%縮小している。
1.025
NYクローズと移動平均線
5
NYクローズと移動平均線
ⅴ
ユーロ/ドルは、「21 日平均線」(=1.0924 処)
(3)
)-1
1.300
を上抜けて一時 1.0972 ㌦まで急伸し、NY クロー
200
1.2461
ズは 1.0945 ㌦で着地している。
89
1.200
21
1.1676
上向きで推移する「21 日平均線」を NY クロー
ズで明確に上抜けたことにより、同線をサポートと 1.100
1.0945
1.0924
する自律反発の継続が想定され、目先的には日
足チャート上に記した「下降チャネル」の上限を巡 1.000
る上抜け攻防が焦点となる。
「下降チャネル」の上限を NY クローズで上抜く場合は、Fibonacci point の 1.1073 処(=61.8% of
1.1450⇒1.0463)や同 76.4%の 1.1217 処を試す展開が想定されそうだ。
また、日足均衡表では昨日の NY クローズを抑えた「基準線」(=1.0957 処)を巡る攻防が焦点となり、
同線を NY クローズで上抜く場合は「遅行線」が日々線の上方へ抜け出る可能性が高まるため、この局面
では<C 波>の下落波動を構成する(3)-2 の修正波による三波構成(a-b-c)の上昇波を想定したい。
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FX Market Daily Comment
Forex Watch Kojiro Mori
ユーロ/円は、一時 131.36 円まで急伸する場
面が見られたものの、下向きで推移する「21 日平
均線」(=131.36 処)で抑えられ、NY クローズは
131.01 円で着地している。
本日の焦点は、「21 日平均線」を巡る上抜け攻
防となり、同線を NY クローズで上抜く場合は日
足チャート上に記した「下降チャネル」の上限をブ
レイクすることになるため、132.85 処(=126.92
+【130.75⇒136.68】)や 132.95 処(=61.8% of
136.68⇒126.92)に向けた一段高を想定したい。
一方、日足均衡表では「基準線」(=131.58 処)
を巡る上抜け攻防が焦点となり、同線を NY クロ
ーズで上抜く場合は「遅行線」が日々線の上方へ
抜け出る可能性が高まるため、この局面では<2
波>の修正波(A-B-C)を構成する B 波による三
波構成(a-b-c)の上昇波を想定したい。
1
EURJPY Daily Chart
Global Range
2014/11/242014/11/24-2015/03/23
149.55
5 12/08
150.0
ⅱ
147.22
12/29
145.0
144.96
ⅰ 12/16
140.0
137.64
01/20 136.68
02/11
ⅳ
B
c
135.0
134.81
01/16
131.82
a
03/18
ⅲ 130.75
130.0
01/26
b
126.92
03/13
125.0
ⅴ
A
2
一方、米国ではフィッシャーFRB 副議長が昨日
145.0
の講演で、「(利上げは)年末前の実施が正当化
NYクローズ移動平均線
NYクローズ移動平均線
89
される公算が大きく、利上げに伴い見込まれる効
140.0
138.99
200
138.58
果がコストを上回った時に実施されるべき」と述べ
135.0
21
たものの、予想外の原油安やこの先起こり得る地
131.36
130.0
131.01
政学的危機などの衝撃に米国経済が直面するで
125.0
あろうことから、「FF レート金利誘導目標がスム
ーズな上昇軌道をたどらないのはほぼ確実だ」と
レート先物市場 15年
年9月以降の漸進利上げを想定
月以降の漸進利上げを想定
■FFレート先物市場
・ FFレート先物市場は米金利見通しを示す最強の
レート先物市場は米金利見通しを示す最強のFEDウォッチャー
ウォッチャー
レート先物市場は米金利見通しを示す最強の
述べた。 前回 2014 年の利上げ局面では、同年
・ 金利変動リスクを抱える債券ディーラーによって価格が形成される
6 月から 2006 年 6 月まで全ての FOMC で 25bp
・ 15年
年9月限のインフライド金利は
月限のインフライド金利は0.280%で利上げ確率は
%で利上げ確率は43%
月限のインフライド金利は
%で利上げ確率は %
・ 市場は9月以降の利上げ開始と緩やかな引き締めを織り込む
の利上げが実施された経緯があるが、フィッシャ
市場は 月以降の利上げ開始と緩やかな引き締めを織り込む
ー副議長が「FF レートの引き上げ、引き下げ双方
FRB(米連邦準備制度理事会)
FRB(米連邦準備制度理事会)
FF(フェデラルファンド)レート先物市場
FF(フェデラルファンド)レート先物市場
2.500%
%
FFレート誘導目標
FFレート誘導目標 0.000.00-0.25%
0.25%
限月別インプライド金利の推移
を検討していく」との認識を示したことで、市場で 2.50
14年
年12月時点の
月時点のFOMCメンバーによる政策金利予測(中央値)
メンバーによる政策金利予測(中央値)
月時点の
は金利先高観が一段と低下する格好となった。
15年
年3月時点の
月時点のFOMCメンバーによる政策金利予測(中央値)
メンバーによる政策金利予測(中央値)
月時点の
米長期金利の指標となる 10 年債利回りは、前 2.00
3月23日
23日
1.875%
%
■今後のFOMC開催日程
開催日程
■今後の
週末の 1.9320%から 1.9094%へ一段と低下した 1.50
・4月
月28-29日
日 ・6月
月17-18日
日 ・7月
月28-29日
日
ほか、市場の金利観を反映する FF レート先物市
1.125%
%
場では 2016 年 10 月限以降のインプライド金利が 1.00
16年
年12月
月
1.170%
%
軒並み低下している。
0.625%
%
誘導目標レンジ引き上げライン
米経済は 2015 年 6 月に景気拡大 7 年目を迎 0.50
15年
年12月
月
0.455%
%
え「成熟段階」に入るものの、7~8 年周期の中期
2016
2016年
0.00
3月限
6月限
9月限
12月限
3月限
6月限
9月限
9月限
12月限
12月限
12月限
循環からは米景気はすでに山を越え、谷に向かっ
ている可能性が指摘されている。
%
世界の主要株価指数・週間騰落率
<終値ベース 2015/03/20
2015/03/20⇒
20⇒ 03/23
03/23
1.0
こうした観点からは、金利正常化(利上げ)によっ
0.99
て利下げのための“のり代”を作る必要性が高まっ
0.5
ていると読むこともできそうだ。
0.22
昨日の米株式市場では、NY 序盤に発表された 2
0.10
0.0
-0.06
-0.17
月の中古住宅販売件数が年率 488 万戸と事前予
-0.31
想を下回ったことや、2 月のシカゴ連銀全米活動指 -0.5
-0.65
数が市場予想に反してマイナスとなったことを受
-1.19
け、ダウ平均が一時 80 ㌦近く上昇したものの、取 -1.0 (米) (米)
(米)
(英)
(加)
(独)
(仏)
(日)
150.0
%
NASDAQ
S&P500
NYダウ
NYダウ
トロント300
トロント300
FTSE100
DAX
CAC40
日経225
日経225
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その正確性、完全性を保証するものではなく、今後予告なく変更されることもありますのでご留意ください。
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FX Market Daily Comment
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引終了 15 分前になって急速に値を消し終値ではマイナスとなっている。
前週のハト派的な FOMC の内容や米金融当局者の発言によって、米経済の先行きに対する疑心暗鬼
が生じているとすれば、大きな調整局面を迎える可能性も念頭に置いておく必要がありそうだ。
(3 月 24 日 11:30 記)
※当レポートは、投資の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を意図するものではありません。 投資の決定はご自身の
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