輸入価格下落

No.2015-030
2015年3月13日
≪藤井英彦の
藤井英彦の視点≫
視点≫
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中国輸入減
~ 輸入価格下落 ~
(1)中国輸入金額が大幅減(図表1)。人民元建て前年比で本年1月の▲19.7%から2月▲20.1%
と僅かながらも、さらにマイナス幅拡大。減勢は昨年11月から4ヵ月連続。11月▲6.5%、12月
▲2.3%で、本年に入り減勢に拍車。一般に輸入は景況に連動。もっとも、輸出金額は本年2月、
前年比48.9%と大幅増。一部に内需の低迷から同国経済の先行きを懸念する見方が拡がり。
(2)主要品目別に大幅減となった本年1、2月の輸入をみると原油が主因(図表2)。寄与度は1月
▲5.4%、2月▲6.1%と際立って大きく、次いで鉄鉱石が1月▲3.3%、2月▲2.2%。さらに2月、
寄与度がマイナスの品目を順にみると、自動車▲1.0%、銅鉱▲0.8%、プラスチック▲0.7%。
原油や鉄鉱石の大幅減は単価下落が主因。金額を数量と単価に分けて前年比をみると、原油は
単価が1月▲41.4%から2月▲51.5%に拡大。しかし数量は1月▲0.6%から2月10.8%に一転増。
鉄鉱石の単価は1月▲45.1%から2月▲43.8%。しかし数量は1月▲9.4%から2月9.7%に増加。
(3)前年比では春節など前年の特殊要因が左右する余地。季節調整を施してみると原油は2013年
半ば以降の一進一退を脱し、月次変動はあるものの、昨秋来増勢(図表3)。一方、鉄鉱石を
みると、原油以上に月次変動が大きいなか、総じて昨年初来、一進一退。もっとも、同国向け
輸出拠点である豪州ポートヘッドランド港の中国向け鉄鉱石輸出をみると、昨年央来の頭打ち
から季調ベースで本年1月に前月比4.4%増、さらに2月は同7.6%増に加速し、既往最多更新。
石炭の昨年初来減勢に対し、天然ガスは昨秋来、増勢回復。環境重視政策が反映。主要製品の
自動車は昨年10月をピークに月を追って減勢加速。本年2月は前月比▲25.5%の大幅減。昨夏、
独禁法の規制当局が主要自動車メーカーに対し調査強化。メーカーサイドでは単価引き下げの
動き。輸入車の単価は昨年央をピークに下落(図表4)。本年2月、原油価格は1バレル43ドル、
鉄鉱石は1月比横這い。一段の資源価格下落がない限り、大幅な輸入減は一巡に向かう公算大。
(図表1)中国の輸出入金額と実質輸出入(季調済)
124
(図表2)主要輸入品目別寄与度と数量、金額、単価
118
(2013年=100)
(2013年=100)
116
2
109
108
寄与度(1月、左目盛)
数量(1月、右目盛)
金額(1月、右目盛)
単価(1月、右目盛)
(%ポイント)
寄与度(2月、左目盛)
数量(2月、右目盛)
金額(2月、右目盛)
単価(2月、右目盛)
18
(%)
1
9
0
0
▲1
100
▲18
▲3
▲27
▲4
▲36
91 ▲5
▲45
▲6
▲54
▲7
▲63
92
輸出金額(左目盛)
実質輸出(左目盛)
輸入金額(右目盛)
実質輸入(右目盛)
84
76
▲9
100 ▲2
82
2013
14
(出所) 中国海关总署など
15
(年/月)
(出所) 中国海关总署 (注) 前年比。2015年。
(図表3)主要品目別輸入数量(季調済)
(図表4)主要品目別輸入価格
142
128
172 124
(2013年=100)
自動車(左目盛)
原油(〃)
鉄鉱石(〃)
石炭(右目盛)
天然ガス(〃)
148
112
114
124
100
100
86
76
72
52
2013
152
(2014年=100)
天然ガス(左目盛)
石炭(〃)
自動車(〃)
原油(右目盛)
126
鉄鉱石(〃)
(2014年=100)
(2013年=100)
14
(出所) 中国海关总署
15
100
100
88
74
76
48
2013
(年/月)
14
(出所) 中国海关总署
15
(年/月)
【ご照会先】日本総研理事 藤井英彦([email protected] , 03-6833-6373)
≪藤井英彦の視点≫は、理事・藤井英彦が独自の視点から、新興国や一次産品動向を中心とするホットなトピックスに鋭く切り込むレポートです。