ジェスチャ可視化チャートを つくる

第2部
第
12 章 筋電応用に欠かせない!
ジェスチャ可視化チャートを
つくる
長嶋 洋一
20s
1
0
(a)チャネル1(内側)
経過時間[s] 20
何が
何だか
わかり
にくい
1
0
多
(b)チャネル2(外側)
経過時間[s] 20
外側の
筋パルス
外側の筋力に
力を入れた
多
内側の
筋パルス
少
0
少
内側の筋力に
力を入れた
経過時間[s]20
0
(c)表示のくふう後(Nucleo F401REで処理した結果をパソコンに表示)
図 1 リサジュー図の考え方を元に施した処理
本章では,計測した筋電情報を意味のあるわかりや
すい量に変換し,チャート図として表示してみます
[図 1(a),(b)].リアルタイムに処理できるようにし
ておけば装置などへの応用も可能と思います.
● パッと見で筋の動きがわかるようにしてみる
写真 1 のように,腕の内側と外側にパッドを付けま
す.写真 2 のように腕の内側 / 外側の筋肉を収縮させ
たとき,曲げた方向と力の入れ具合を一つの画面で表
示できるようにします.
図 1(a),(b)は腕の内側,外側に貼り付けた電極
で検出した筋電位です.力の入れ具合で変化が生じて
2015 年 4 月号
いることしかわかりません.図 1(c)は二つの変位量
の関係(この場合は 2 チャネルの筋電信号レベル)を表
現できるリサジュー図の考え方をヒントに作成したプ
ログラムを Nucleo F40IRE で実行した結果です.ど
の筋肉が収縮しているか,ようすを判断できます.
本稿での「リサジュー解析」は,拡張された「2 次元
変数の関係性を可視化する」という発想であり,x と y
に何らかの関係性や規則性がある場合には,シンプル
な図形として可視化されることを目指したものです.
筋電センサで歴史的にもっとも古いパターン認識の
応用は,義手の制御,つまり筋電義手です.調べてみ
ると多くの文献がありますが,ここでは省略します.
103