平成 24 年度 家庭用品健康被害防止調査 アジピン酸系可塑剤の

平成 24 年度 家庭用品健康被害防止調査
アジピン酸系可塑剤の皮膚感作性試験
国立医薬品食品衛生研究所生活衛生化学部 五十嵐良明、伊佐間和郎
-------------------------------------------------------------------------------概要
フタル酸系可塑剤の使用に関して EU や米国での規制が強化されたことに伴い、代替可
塑剤の使用量が増加している。アジピン酸系可塑剤は非フタル酸系代替可塑剤の一つであ
り、各種家庭用品への使用が確認されている。本研究では、使用量の多いもの、及びこれ
らとアルキル鎖の異なる計 6 種の皮膚感作性を評価した。DMA 塗布群の反応は AOO 群と
ほとんど差がなかった。DiPA 及び DOA の ATP 量の SI 値はいずれの濃度でも 1.8 以下で
あった。DEA は 100%の 1 濃度だけが値 2.2 を、DiNA については 100%で 2.0 であった。
DiPA について SI 値 1.8 を超えたものは 50%塗布群、
100%群でそれぞれ 1 匹ずつであった。
DBA は試験物質の中で最も高い反応を示し、SI 値が 2.5 を超えた。DiBA については 100%
よりも 50%塗布群で反応が強く表れた。SI 値 2.5 を基準として判断したところ、DiBA と
DBA が感作性陽性となるが、確実な判断ができないものが多かった。アジピン酸エステル
類の感作性に関して、文献上いくつかはモルモット試験で陰性と報告されており、in vitro
感作性試験の h-CLAT の適用も困難であった。これらから考えると、感作性はあったとし
ても非常に弱いと思われた。以上、使用実態のあるアジピン酸系可塑剤の種類、配合され
る家庭用品に関する情報収集、製品への配合量や製品からの溶出量を考慮してリスク評価
することが必要である。