地域力は田舎力 - 千葉大学工学部都市環境システム学科佐藤研究室HP

太陽光・風力
エネルギーの源 ②
/入力の割り算が与える
値であるが、どの自然エ
ネルギーも分母の入力の
賦存量は莫大であり、こ
の割り算はゼロとなり、
意味がないのである。む
しろ分子の出力を取り出
す努力をする方がいい。
であり、地域エネルギー それは、自然エネルギー
佐藤 建吉
㌔ ㍍、 里・川里・海里の風景で
期から昭和 年まで稼働
千葉県で昨年、昭和初
を適用し、利用すること
自然エネギー利用を推進
その後、勤務先の大学の
寄宿寮で半年過ごした。
台にあるブルネル大学の
秋、その地を見下ろす高
地 で あ る。 1 9 9 4 年
ナ・カルタが調印された
感もある。
存在感や顔見知りの安心
自然の中の人間としての
美しさと神秘さがある。
の静かさのほか、星空の
さである。静寂感は、夜
一望できる開放感や自由
を、意味づけている。
力 を、「 座 」 の 土 が 地 熱
電所に再生させた例があ
がバイオマスを、風が風 用し、今日的な小水力発
陽 光 を、
「楓」のきへん
る。最大出力130㌔㍗
んずいが水力を、光が太 し、その後眠っていたそ
太 平 洋 側、 外 房 に 引 越
電車で1時間の千葉県の
確かに百万ドルの夜景で
るが、人工の光の輝きは
ターで遊覧したことがあ
東京の夜景をヘリコプ
が低いと言われ、また天 い。これらを活用して自
ギーは、エネルギー密度 域は、未整備の森林も多
柄が現れる。自然エネル 温泉地でもある。この地
れるものでもあり、土地 は、養老川という渓流の
を 挙 げ る と、 第 一 に 自
私が考える田舎の魅力
ス(無名性、無作家性)
自然がつくったアノニマ
間に対し、田舎の夜景は
出とは異なる。人工の空
はあるが、月や星々の演
る こ と 、ま た 、賦 存 量
いえる。それは安全であ る。
多いが、長所であるとも り実現したいと考えてい
所であると指摘する人も る地域に、洸楓座が関わ
気に作用されるなど、短 然エネルギー利用を進め
たからである。
然、第二に天空率、第三
ともいえる。
風力、そして太陽光や太
「地域
のエネルギー利用を進め ー は、 文 字 通 り、
ま重要なことは、これら と言える。地域エネルギ
大きいからでもある。い エネルギーの宝庫である
田舎は、いまこそ豊富
に静寂、第四に人間味で
(ポテンシャル)が極めて な資源が眠る自立可能な
陽熱などのいろいろのエ
用 に 際 し て、 あ ま り 効 る。それは、また、持続
提案としては、その利 舎の持つ「田舎力」であ
率、効率とは言わないよ 可能革命を先導する地方
ることではないだろうか。 力」であり、それは、田
情報として伝えている新
ネルギー源がある。これ
エネルギーであるが、自
うにしたい。効率は出力 創生のパワーでもある。
新旧の送水管(面白峡発電所、
大多喜町)
然に根ざしたエネルギー
らは、本紙が全国からの
さて田舎には、水力や
ある。自然の魅力は、山
なかで暮らしたいと思っ
し、
年になる。自然の
散型エネルギーとも言わ 大多喜町)である。ここ
自然エネルギーは、分 の面白峡発電所(千葉県
の施設の上池、下池を利
駅前にあった居宅から、
35
私の所属する洸楓座は に目を向けることである。
出す食材の新鮮さや旬の
す る 団 体 で、
「洸」のさ
とも呼ばれる。
味わいが大きい。天空率
あり、また、そこが産み
㍍のテムズ河畔にある広
は、文字通り地から空を
㌔
大な緑地のラニーミード
ヒースロー空港から
30
は、 1 2 1 5 年 に マ グ
10
ロンドンから
一般社団法人 洸楓座 代表理事
千葉大学大学院工学研究科都市環境システムコース准教授
地域力は田舎力
Column
20
4
2015年(平成27年)2月9日
新エネルギー新聞
隔週 月曜日発行
第19号