太田市運動公園野球場は、昭和54年度の竣工以来35年が経過しており、著しく老朽化が進んで ■選定委員長講評 います。メインスタンドにおいては、新耐震基準に適合しておらず、内外装ともに大規模改修が必要 な状態です。また、本施設を国体等の会場として利用するには、全体的に手狭であり、高齢者等に配 慮した施設整備もされていません。 平成28年2月18日 選定委員会委員長 尾 内 俊 夫 当初、設計・施工一貫プロポーザルコンペに 4 社が参加意志を表明したが、最終的には 2 社が最終 案を提出する結果であった。参加した各社はそれぞれ限られた時間の中で熟考された作品および関連 本事業は、限られた予算・工期の中で施設整備しなければならないため、民間事業者の知識・技術・ 資料を提示していただいた。 ノウハウ等を積極的に取り入れ、 「ユニバーサルデザインを取り入れた、選手及び観戦者にやさしい 選定者の立場からすれば、少なくとも 3 から 4 社の参加の中で秀逸な作品および資料を吟味し、 野球場」を基本コンセプトに地域に根差した誰もが利用しやすい施設となるような全面改修を行うこ 最終選定することが、コンペとして望まれる所であると考える。その点ではやや物足りなさもあり、 とを目的とします。 今後同様なコンペが行われる際には参加条件や提出すべき設計図書類についてさらに検討を要する と考える。 ■事業概要 事業名称:太田市運動公園野球場建設事業 計画地 計 画 地:太田市飯塚町1059番1 ○ 特定 石川建設株式会社 評:全体計画は動線を十分に考えた明快なものとなっている。メインスタンド中央にあるプラザゲー 事業内容:基本設計、実施設計 トと呼ぶ主出入口に加え、それぞれ内野席出入口のさくらゲート、外野席出入口のもみじゲートによ 建設工事、工事監理 り動線をうまく処理している。また、メインスタンド席両端近くに 4 席ずつの車椅子用観覧席を配置 事業期間:平成30年3月15日まで し、ただ観覧するだけでなく応援席との一体化を意識した配置となっている。提示した条件となる諸 室を満足するだけでなく、ランニングコストについても良く考えている。さらに、現状の野球場周辺 ■設計・施工一貫プロポーザルとは の環境や利用のされ方についても、工事中の仮設トリムコース設置による安全な歩道の確保や住宅地 設計・施工一貫プロポーザルとは、建設業者に提案書を提出してもらい、選ばれた建設業者が設計 から施工を一貫して行う方式です。もともと、特殊工法を採用するような建物に採用された方式です。 への騒音低減などに配慮した計画となっている。 計画案の説明、質疑応答に際しても、熱心に取り組もうとする前向きな意欲が伺えるものであった。 建設業者のアイデアや技術力により工事費が低減できる可能性もあります。竣工後の不良箇所につい ただし、外部空間に設けられた児童コーナーの安全確保やフィールドブルペンの設置位置などにはさ ても、設計が悪かったのか施工が悪かったのか、設計者と施工者が同一なため責任が明確になるメリ らに検討を進める必要がある。 ットもあります。 ○ 次点 ■提案書提出者(2社) 清水建設株式会社 、石川建設株式会社 清水建設株式会社 評:特定となった計画案に劣らず良く考えられた作品となっている。メインスタンドに重点を置き、 ※ヒアリング順に記載 ボウルテラスと呼称する 2 階部分の空間を人の行き交う中心に据えて動線処理を行っている。また、 この部分に再生木ルーバーを使用する提案も行われ、環境に配慮する建築としたい意欲が伺える。内 ■審査の方法 野席部分や外野芝生席を既存のものを活かそうとして最小限両翼の拡幅に留めようとしている。内野 選定委員会で、提出された提案書の書類審査及びヒアリング審査を行い、選定委員による協議と審 査を経て特定します。 芝生のベンチシート席部分の維持管理にはやや難点があること、さらに外野両翼の最小限の拡幅にと ■審査結果 の安全上の懸念がある。膜構造を用いた屋根など斬新な部分がある一方で、室名の未記入や細部検討 の不足が見受けられ次点となった。 提出された提案書を厳正かつ公正に審査した結果、 石川建設株式会社 どめた結果、フィールド内に凸状の壁面あるいはフェンスが設けられることにより視認性や守備選手 を特定しました。 事務局 スポーツ施設管理課・建築課
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