米国 マーケット・コメント (15/2/06~15/02/19)

2015/02/19
大和証券・債券部
米国 マーケット・コメント (15/2/06~15/02/19)
◇ これまでのポイント
○
原油価格下げ止まりと強い雇用統計によって織り込みすぎた悲観論が巻き戻し
2.20
2 月 6 日に発表された米 1 月雇用統計は、非農業部門雇用者数変化が予想の 22.8 万人増
2.15
2.10
を上回る 25.7 万人増(前月分も 25.2 万人増から 32.9 万人増に上方修正)となり、平均
2.05
2.00
時給(前年比)も予想の+1.9%を上回る+2.2%(前月分も+1.7%から+1.9%に上方修正)と
1.95
1.90
なり、非常に強い内容となった。
1.85
1.80
一方、東京時間 2 月 18 日に公開された FOMC 議事録では、一部の Fed 高官が米ドル高や
市場のインフレ期待値低下を懸念していることが確認され、市場の想定よりハト派な内
容であった。また、雇用統計以降発表された米経済指標の多くは予想を下回る内容とな
米国国債10年金利(1/15~2/19)
%
雇用統計前に原油
とともに金利反発
1.75
1.70
強い米雇用統計を受け
て、世界的に長期金利
が上昇
ギリシャ総選挙後、米
GDPが軟化したことで、
1.63%台まで低下
1.65
1.60
01/15
01/26
02/04
り、ギリシャ支援延長の是非を巡り欧州金融不安が高まった。
02/13
出所:大和証券債券部作成
結果として、米国 10 年債利回りは一時 2.16%まで上昇し、1 月に低下した分を半月でほ
米国10年実質金利と米国10年債利回り (12/15~2/19)
ぼ取り戻したことになったわけだが、米 1 月雇用統計で強い労働市場が確認されたこと
0.6
に加え、原油価格の下げ止まりや米ドル高の一服によってインフレ期待低下圧力が後退
0.5
したことで、1 月に織り込みすぎた悲観論が巻き戻されたことが要因であると考えられる。
0.4
%
%
米国10年国債利回りの50bps上
昇の内、40bpsは実質金利の上
昇
2.3
2.2
2.1
0.3
2
落ち着かない債券需給バランスの中で昨年末の水準を防衛できるか
0.2
1.9
米 QE3 による流動性低下によって米国債の需給バランスが不安定になっており、ボラティ
0.1
◇ 今後の注目点
リティが高い状態が続いている。ギリシャ動向は不安定な状況が続いており、2 月 24 日・
25 日にイエレン FRB 議長による議会証言を控え今後の米金融政策の方向性に注目が集まる。
織り込みすぎた悲観論が巻き戻されたとはいえ、振り出しに戻っただけと言える。ここか
0
-0.1
12/15
らは昨年末の水準である米国 10 年債利回り 2.20%のポイントを防衛できるかどうかに注目
1.8
米国10年実質金利(左軸)
米国10年債利回り(右軸)
1.7
1.6
12/24
1/2
1/11
1/20
1/29
2/7
2/16
出所:大和証券債券部作成
したい。
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