オセアニア マーケット・コメント (16/9/2~16/9/15)

2016/09/16 大和証券
外国債券・為替部
オセアニア マーケット・コメント (16/9/2~16/9/15)
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オーストラリア:RBA は暫く静観の構え。債券は買いのチャンス!
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9 月 6 日、オーストラリア準備銀行(以下 RBA)は金融政策決定会合を開き、大方の
予想通り政策金利であるキャッシュレートを 1.50%で据え置いた。
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声明文では、雇用と国内景気に対して「全体的な成長が続いている」とし、前回入っ
ていた「緩やかなペースで」という表現を削除し、見方をやや上方修正した。
9 月 7 日に第二四半期 GDP が発表され、前期比は+0.5%と第一四半期の+1.0%ほどの
伸びはなかったものの、前年比で見ると+3.3%と 2012 年第二四半期以来の伸びとなり、
底堅い成長が続いている。
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最終段落は、5 月に利下げした翌月の 6 月の内容とほぼ同じ文言となっており、
「今回
の会合で政策を維持したことは、経済の持続的成長やインフレがターゲットに戻るこ
とと整合的である」とした。この先の金融政策の方向性を示す手がかりは無い。
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今回の声明文は前回と比較して大きな変化は見られなかったものの、最も注目を集め
たのは住宅市場に関する記述だろう。「住宅目的の貸出の伸びは鈍化している」とし、
前回の「やや鈍化」から表現を変える一方で、
「利下げによる住宅市場のリスクが悪化
出所:大和証券 外国債券・為替部作成
する可能性は減退した」という文章を削除している。住宅市場に対する懸念が払拭さ
れたのかを判断するには早計であるが、RBA が引き続き住宅市場を注視していくこと
は間違いなく、金融政策の方向性を探るためにも次回以降の内容に注目したい。
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最近のオーストラリア市場は、自国の経済情勢ではなく、各国中央銀行の金融政策へ
の信任にテーマが移ってきているように見える。ここまで先進国では、引締め方向の
米国に対し、緩和方向の英国・欧州・日本という構図にあった。そのような中、9 月 8
日に開催された ECB 理事会では、市場の期待に反し、現状維持となり、ドラギ総裁か
らも今後の追加緩和に対する示唆はなかった。また、日本銀行についても、非伝統的
金融政策によりイールドカーブをフラット化させるというこれまでの方針が転換され
るのではないかとの憶測が高まっている。中銀のさらなる緩和策への期待で買われて
いた債券・株などはショック売りが出る事態となっている。
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しかし、この局面は押し目と見て、買いスタンスで望みたい。オーストラリアやニュ
ージーランドは、健全な財政状況であり、高成長・高金利を維持する先進国だ。外的
ショックに巻き込まれて売られている現在、絶好の買い場だと言えよう。
この資料は、投資判断の参考になる情報提供を目的としたものです。投資判断に関する最終決定はお客様御自身の判断でお願い申し上げます。
出所:大和証券 外国債券・為替部作成
大和証券
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