はじめに いま、われわれ日本人の食は安全と言えるでしょうか? 今年は戦後 70 年ということが話題となっておりますが、終戦直後は食糧が不足して食を選択する余裕の なかった日本人が、高度成長期を経て、現代の消費者は食の多様な選択肢を謳歌できる飽食の時代となっ てきました。そんな中で 21世紀に入ってから情報化社会の急速な進展と相俟って、 表面化してきたのが「食 の安全と安心」の問題です。 実際、幾多の研究者や行政担当者が継続的に実施してきた食品のリスク評価/リスク管理の成果として、 国内の「食の安全」の管理体制はかなり整ってきたように思いますが、健康リスクが十分低減化できている食 品中のハザードに関しても、いまだ「食の安全」の問題が残存することも事実です。こういった状況の中、逆 に日常生活の中でいつ起こってもおかしくない食中毒の健康リスク(実害をともなう食品事故)について、わ れわれは十分な知識をもちあわせているでしょうか? そこで今回は、わが国で発生している食中毒事故の中で最も発生患者数が多く、特に冬場に猛威をふる う「ノロウイルス」に関して、詳しく学ぶための一般公開シンポジウムを企画いたしました。ノロウイルスによ る感染や食中毒に関する最新知見とともに、その予防対策や感染拡大防止のためのヒントについて、専門 家の先生方よりご講演いただきます。 NPO食の安全と安心を科学する会(SFSS )は、 「食の安全と安心の最適化」をゴールとして、いま食の安全 に関して科学的にわかっていることは何なのか?リスクはどの程度なのかを、客観的かつわかりやすく情報 発信していくこと (リスクコミュニケーション) で、 市民の「安全」の理解が「安心」につながっていくと考えています。 本フォーラムでは、 「ノロウイルス」の基本的なリスク情報とその防御対策について専門家から学び、市民の 皆様と活発に議論したいと思います。 NPO食の安全と安心を科学する会 山崎 毅 − 1− 【賛助会員一覧】 株式会社OSGコーポレーション メロディアン株式会社 株 式 会 社 蓬 莱 旭松食品株式会社 キユーピー株式会社 株式会社ホワイトマックス カルビー株式会社
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