第1章 名古屋市の予算と市税収入 平成28年度予算の主な事業内容 平成28年度予算では、 「名古屋市総合計画2018」に掲げる「4つの都市像」の実現に向けた取り組みを進める こととし、 とりわけ3つの重点戦略を推進する取り組みについて優先的に対応することとしました。 1. 子育て世代に選ばれるまちをつくるとともに、地域の活力を高めます いじめ・自殺予防対策 子どもの貧困対策 いじめや自殺を未然に防止するための取り組みを充実 します。 ●なごや子ども応援委員会の運営 ………7億642万円 ●コーディネーター支援講師の全中学校への配置 ………………………………………1億1,307万円 ●スクールカウンセラーの配置 …………3億3,288万円 など 子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右さ れることのないよう、 また、貧困が世代を超えて連鎖す ることのないよう、取り組みを充実します。 ●ひとり親家庭や生活保護世帯等の中学生の学習支 援事業 ………………………………1億6,978万円 ●ひとり親家庭応援専門員の配置…………1,340万円 ●低所得のひとり親世帯等及び多子世帯の保育料な どの負担軽減 など 妊娠・出産期サポーターの配置7,713万円 妊産婦が、安心して子どもを産み育てることができるよ う、情報提供や相談・助言などの支援を行います。 待機児童対策 20億4,487万円 難病対策の推進 7,404万円 難病患者への支援を充実させるため、障害者医療費 助成制度や障害者自立支援配食サービス等の適用範 囲の拡大などを行います。 平成29年4月の待機児童ゼロを目指し、引き続き民間保 育所の整備などを行います。 2. 市民・企業・行政の総力で大規模災害へ備えます 震災対策事業 震災対策実施計画及び地域強靭化計画に掲げた事業の着実な推進を図ります。 ●災害用食糧等の備蓄を充実………………………………………1億6,091万円 ●災害用トイレの備蓄を充実 ……………………………………………8,870万円 ●市役所・区役所・保健所・消防署の非常用発電機の整備 ………10億2,090万円 ●学校・生涯学習施設・スポーツセンター等の天井等落下防止対策 5億4,290万円 ●地下街耐震改修等助成 ………………………………………………7,511万円 など 機能別消防団の新設 390万円 大 学 生など多くの方々に消 防団活動に参加していただ くため、役割や活動を限定し た機能別消防団を設置しま す。 3. 国際的な都市間競争を勝ち抜く、大きく強い名古屋をつくります 観光文化交流局の設置 名古屋の認知度やイメージの向上、文化や歴史をはじ めとする名古屋の魅力の向上を図ることにより、観光な ど国内外の交流を促進します。 ●シティプロモーションの推進 ………………5,000万円 ●歴史観光の推進 ……………………1億7,000万円 ●音楽あふれるまちづくりプロジェクト ……1億700万円 ●名古屋城天守閣の整備検討 ……………2,988万円 など 5 リニア中央新幹線開業を見据えた まちづくりの推進 2億3,900万円 名古屋駅周辺まちづくりのための市街地整備計画、名 古屋駅ターミナル機能強化のための乗換空間などの 整備計画を策定します。 東山動植物園開園80周年記念事業1,500万円 東山動植物園の開園80周年を記念した展示や催しを 行います。 一般会計予算と市税収入 《予算》 特別会計は、特定の事業を行う場合など一般の歳入 歳出予算と区分して経理する必要がある会計です。 〈特別会計の例〉 名 古 屋 市の予 算 と 市 税の収 入 特別会計、公営企業会計の3つにわけられます。 予算は、一般会計、 〈公営企業会計の例〉 ● 国民健康保険会計 ● 病院事業会計 また、公営企業会計は、企業的色彩の強い事業で、 ● 後期高齢者医療会計 ● 水道事業会計 サービスを受ける人が支払う料金で運営することを原 ● 介護保険会計 など ● 自動車運送事業会計 則とした会計です。 ● 高速度鉄道事業会計 など 平成28年度の当初予算総額(一般会計、特別会計、公営企業会計を合わせたもの)は、2兆6,609億円となっていま す。 このうち、市税をおもな財源とし、福祉・教育など市政の基本的な施策にかかる経費の会計である一般会計は1 兆856億円となっています。 《歳出予算》 <歳出の内訳> 消費者・勤労者 31億円(0.3%) 都市農業 13億円(0.1%) 観光・コンベンション 70億円(0.6%) 産業振興 801億円(7.4%) 水 352億円(3.2%) 情報・通信 20億円(0.2%) 港湾・空港 43億円(0.4%) 市債の返済 1,326億円 人権と (12.2%) 市民サービス 558億円 (5.1%) 市民の経済 915億円 (8.4%) 市街地 の整備 1,394億円 (12.9%) 交通 541億円(5.0%) 福祉 4,465億円(41.1%) 総額 1兆856億円 (100%) 健康 342億円(3.2%) 市民の 福 祉と健康 4,807億円 (44.3%) 市民の 都市の 教育と文化 871億円 安全と環境 (8.0%) 985億円 (9.1%) 災害の防止 403億円(3.7%) 環境の保全と緑化 251億円(2.3%) 住宅 214億円(2.0%) 廃棄物の減量と処理 331億円(3.1%) 市街地整備 224億円(2.1%) コミュニティ 男女 国際都市 平等参画 ・市民活動 9億円 26億円 2億円 (0.1%) (0.0%) (0.2%) 文化 65億円 (0.6%) 生涯学習、 スポーツ・ レクリエーション 105億円 (1.0%) 学校教育 664億円 (6.1%) 6 《歳入予算》 《市税収入の内訳》 名古屋市の平成28年度当初予算における市税は5,065億円で一 平 成 2 8 年 度当初 予 算の市 税 収 入 額は 般会計歳入予算の46.7%を占めています。ついで、国庫支出金、貸 5,065億円です。その内訳をみると市民税と 付金返還、市債等となっています。 固定資産税が全体の84%を占めており、市 これらの収入の中には、その使いみちが特定されているものもあり 税収入の中心になっています。 ます。 また、市債は将来において元利償還をしなければなりません。 一方、市税は市民のために自由に使うことができる財源ですから、 市民のみなさんの声を反映させながら名古屋市が行政を運営してい くうえで、 もっとも重要な役割をになっているといえます。 <歳入の内訳> 地方譲与税 62億円 (0.6%) <市税収入の内訳> 地方交付税 50億円 (0.5%) 地方特例交付金 13億円(0.1%) その他 527億円(4.9%) 使用料及び 手数料 470億円 (4.3%) 県支出金 526億円 (4.8%) その他☆ 360億円 (7.1%) 都市計画税 442億円 (8.7%) 市民税 県税交付金 675億円 (6.2%) 使い みちは …? 市債 681億円 (6.3%) 貸付金 返還 949億円 (8.7%) 総額 1兆856億円 (100%) 市税 5,065億円 (46.7%) 5,065 億円 2,234億円 (44.1%) 固定資産税 2,029億円 (40.1%) 国庫 支出金 1,838億円 (16.9%) <市税「その他☆」の内訳> 地方消費税交付金について 地方消費税率の引上げ分の地方消費税交付金は、社会保障施策に 要する経費に充てるものとされています。 (参考)平成26年度決算 社会保障施策に充てた一般財源等 2,185億円 地方消費税交付金(税率引上げ分) 48億円 税 目 予算額 構成比 市たばこ税 事業所税 軽自動車税 180億円 158億円 22億円 3.6% 3.1% 0.4% 市税の使いみち 実際のくらしの中ではこんなふうに市税が 使われています。 ●介護保険のための年間経費1,777億円を要 支援・要介護者1人あたりに換算すると… 市税24万2,120円 国庫・県費 58万9,489円 保険料など 79万8,770円 〈市税収入10,000円あたりの使いみちを見てみると…〉 人権と 市民サービス 572円 市民の経済 164円 市民の 福祉と健康 4,092円 都市の安全と 環境 1,061円 要支援・要介護者1人あたり163万379円 ●ごみ、資 源の収 集 処 理に要する年 間 経 費 234億円を1世帯あたりに換算すると… 市税1万5,360円 10,000 円 処理手数料など 6,733円 1世帯あたり2万2,093円 7 市民の 教育と文化 1,156円 市街地の整備 1,137円 市債 市債の返済 1,818円
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