今月のPHOTO 大観峰から望む元朝のくじゅう連

撮影/本誌・井田勝 文/加藤哲也
Zaikai Kyushu / FEB.2015
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村の仲介もあって、なんとか「阿蘇くじゅう
再び両町の大論争が勃発。結果は関係市町
が連なる。
ある。その地帯には九州最高峰の雄渾な峰々
ゆうこん
大観峰から望む元朝のくじゅう連山 ———————————————
阿蘇北外輪山にある大観峰は、明治から
昭和にかけてのジャーナリスト徳富蘇峰が昭
国立公園」におさまり、事なきを得た。
両町のこだわりの背景には、久住町は延
暦年間(782〜806)最澄が開基した
和 年(1932)に命名したという。阿蘇
町と北麓の九重町で、何年もの間大論争が
久住山天台宗猪鹿狼寺、九重町は文明 年
「久住」を
くじゅう山の表記については、
使うか「九重」にするかで、連山南麓の久住
月中旬から後半にかけて阿蘇カルデラを埋め
展開されてきた。長い歳月を経て落着したの
(1470)養順法印が開山した九重山法華
五岳を眺望するには最高の地点であり、
尽くす雲海の絶景も、
一度は見たいものである。
は、最高峰の山を「久住山」
、連山全体は「九
いえ、新年の日の出に向かって世の泰平を祈
院白水寺の歴史と伝統があったからだ。とは
年(1986)
、阿蘇国立公園の名称を拡張
る時は、心をひとつにしているものと思いたい。
重山」にすることであった。ところが昭和
向に向けたとき、レンズはいままさに山の頂
しくじゅうも含まれることになった。ここで
が、今回は新年の日の出がテーマ。昇る朝
日を追って、カメラを阿蘇五岳から北東の方
にかかる朝日を捉えた。山はくじゅう連山で
Zaikai Kyushu / FEB.2015
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