「人口減少」で変わる路線バス形態 /〝人を運ぶ手段〟

駅─西鉄太宰府駅間を結ぶ往復路線バスの新設や2
階建てオープントップバスの運行など、観光面での役
福岡県
北九州、宗像、筑豊、二日市、久
る。地域のバス事業を分社化し、
福岡都心部以外で西鉄が柱に
据えているのがコストダウンであ
通がしやすくなっ
自治体との意思疎
地域にあることで、
業 会 社の 本 社 が
んでいる」と、説明する。地域事
ながら、コストダウンにも取り組
そのためにも安全面を最優先にし
いる。利用者への影響を最小限に
について議 論して
すべき時間帯など
うとする場合、残
けられるようになったという。現
助、それに伴う 自治体補助を受
られるというメリットもある。北
地域ごとに事業会社があること
で、各地の自治体との関係を強め
金を受けることはなかったが、分
こともあり、分社化する前は補助
線もある。赤字路線が少なかった
く、補助金を受けざるを得ない路
いくにつれ、事業性の確保は難し
ないものだろう。人口が減少して
域交通を維持するためには欠かせ
まな意見があるのが事実だが、地
になる。補助金についてはさまざ
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Zaikai Kyushu / FEB.2015
〝人を運ぶ手段〟
から
〝まちづくりの手段〟
へ
ウンというよりも
自治体との関係に
重点を置いた分社
留米、佐賀、大牟田に7つの地域
た。例えば、利用
化という色合いが
事業会社をつくっている。西鉄は
者が少ない路線で
分社化で事業会社を設立
経費削減で路線維持図る
地方の
「人口減少」
で変わる路線バス形態
地域の
る。ここでは人口減少が続く地域での路線維持の取り
組みと、バスと地域との関わり方を中心に同社の取り
組みについてリポートする。
割も高まっている。一方、過疎化が進む地方では、行
政と連携した地域づくりを念頭に路線維持を図ってい
濃い。西鉄は「事
「路線バスには長期に運行を続け
業会社に西鉄本体と異なる給与
抑えるため」と説明する。
るという継続性が求められている。 運行本数を減らそ
体系を導入し、人件費を抑えるこ
本体も含め、グループ全体では
在、補助を受けている路線は西鉄
とで路線維持と雇用確保を図って
ただ、コストダウンや減便をし
ても慢性的な赤字で維持が難し
九州はさほど過疎化が進んでいる
社化により路線単位での国庫補
いるのである。
地域ではないことから、コストダ
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変 わっていく
九州最多のバスを保有する西日本鉄道(福岡市)。
福岡都心部では移動の手段としてはもちろん、JR博多
BUS
TAXI
RAILWAY
西鉄と八女市は
「パーク&ライド協定」
を締結、市は市有池を駐車場として無償提供した
住民の要望で誕生した
西鉄大橋駅と福大病院
を結ぶバス
自転車マナー教育の必要性も
(本文とは関係ありません)
しくなっている。マイカー増や規
都心部の収益で赤字路線の補
填ができるかと言えば、それも難
くなる。過疎地ではなおさらだ。
や回数券を販売。 日約 便(片
金を支出し、西鉄は割安の定期券
みだ。協定に伴い、八女市は補助
タウン化を進めようという取り組
〝横路線〟となった。西鉄は「今
のケースは住民の要望にこたえて
線〟のものがメーンだったが、こ
をできるだけ直線的に結ぶ〝縦路
限の補助金がないと広域展開する
ているためだ。西鉄は「必要最小
益で赤字をカバーしきれなくなっ
進行で過疎地が大幅に増加し、収
くなったことに加え、人口減少の
制緩和の影響で収益を上げにく
自治体の改善策の一つになっている。
成功例」と説明。人口減少に悩む
ためにバスを有効活用する一つの
提供したものだ。西鉄は「地域の
てもらう。駐車場は市有地を無償
道)が停車する高速バスを利用し
みたい」としている。
くりに役立つ路 線 設 置に取り 組
後も住民の利 便 性 向上、まちづ
人口減少が進む中、地域づくり
の面でバスの担う役割は大きくな
延伸。今では住民の貴重な足とし
ね、既存のバス路線を高台にまで
管理者や道路管理者と議論を重
多かった地域。そこで西鉄は交通
でバスの乗り入れを求める要望が
いわゆる交通不便地で、住宅地ま
たびたびあるという。西鉄は「幼
運行の維持にも支障を来すことが
特に福岡の自転車マナーの悪さ
は際立っており、安全運行や定時
なのがマナーである。
その雰囲気を良くするために必要
気を大切にしていきたい」という。
まちづくりとバスの関わり方を
考えるとき、西鉄は「まちの雰囲
安全やマナーの意識を
教育する環境整備必要
バス会社は路線を維持できない」
と、理解を求めている。
丁目は
りつつある。西鉄も「人口減少に
て重宝されている。西鉄は「この
少時から自転車マナーの教育に力
伴いコンパクトシティの形成が進
路線の大切さを地域の皆さんが共
を入れなければ、状況は改善しな
人口減対策や利便性向上に
められる中、バス事業は人を運ぶ
有している。路線維持のためにも
いだろう」と、話す。
新たなアイデアを実現へ
手段からまちづくりの一つの手段
バスを使おうという意識、機運が
スを利用した定住人口増に着手し
ーク&ライド協定」を締結し、バ
を結ぶ路線で、同市の国道202
もある。西鉄大 橋駅と福大病 院
また、病 院利用 者の利 便性を
向上させようとして誕生した路線
えられるバス事業を継続していか
も責任をもって地域の要望にこた
動きは大変ありがたい。われわれ
いくことになった。西鉄は「この
一つとなって諸々の問題を解決して
広がっていった」と話す。
ス停近くの駐車場に停めてもらい、 号平成外環通りが全線4車線化
ている。自家用車を高速道路のバ
したのに伴い新設された。これま
ねばならない」と、話している。
折しも交通政策基本法が策定
され、自治体も地域交通の主体の
高速バスで福岡市中心部と行き来
でバス路線は同市中心部と目的地
例えば、多くの過疎地域を抱
える福岡県八女市は、西鉄と「パ
になりつつある」と説明する。
広がる福岡市南区柏原
地域の声を受け、新設にこぎ着
けた路線もある。高台に住宅地が
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しやすくすることで同市のベッド
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