瀬戸内海で培われた運航ノウハウでミャンマーの内陸水運物流

2015/2/10
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瀬戸内海で培われた運航ノウハウでミャンマーの内陸水運物流促進に貢献
福山市の SA マリン有限会社、JICA と契約
国際協力機構(JICA)は、2015年2月10日、SAマリン有限会社(広島県福山市)と、「ミャンマー連邦
共和国イラワジ川における低吃水軽量台船の普及・実証事業」にかかる契約を締結しました。
ミャンマーを南北2,000キロに亘り縦貫するイラワジ川。雨季には水位上昇で水没・冠水により道路交
通が遮断される地域も多く、雨季も安定輸送が可能な水運は交通・貨物輸送の動脈として重要な手段とな
っています。一方、乾季と雨季の河川水位差が10m以上あり、乾季には水位が1mを切る地域や、浅瀬が出
現することから船舶航行ができない地域が多く、年間を通じた安定的な航行に支障をきたしています。
他方で、ミャンマーにおいては物流の近代化とともに、コンテナ化が急速に進んでおり、特に、コンテ
ナ物流において水運は輸出入のための外航海運との接続するフィーダー輸送(支線輸送)の役割を担う必
要性が高まっています。しかしながら、コンテナ輸送に対応するためには、荷役施設が十分でなく、また
機械化も遅れているなど多くの問題を抱えています。
ミャンマーの大動脈 イラワジ川
瀬戸内海を航行する台船
本事業では、イラワジ川流域において、通年にわたる安定的な河川輸送の提供を目的として、同社の持
つ台船航行技術や経験から得た知見を紹介するとともに、乾季の浅瀬でも航行可能な「低吃水軽量コンテ
ナ台船」を雨季・乾季で航行させ、通年航行の可能性を検証します。また、他地域における低吃水軽量台
船の利用促進と内陸水運のさらなる活性化に向け、内陸水運公社をはじめ、運輸省等関係者の理解向上促
進を目指します。
本事業を通じて、低吃水軽量台船の通年にわたる安全かつ安定的な輸送が確認されると共に、コンテナ
取扱量が増加しているミャンマーにおいて、内陸水運を活用したコンテナ輸送の潜在性や課題を明らかに
し、その活用や課題に対する対応策が提言されることが期待されています。
同社は、約1年半かけて活動予定。本事業を通じて、事業後は現地法人を設立しイラワジ川における輸送
運航ビジネスの展開を図る計画です。
※『普及・実証事業』は、2012 年度より開始した中小企業海外展開支援事業の 1 つで、昨年 3 月に公示を行いました。この事業は、日
本の中小企業が持つ製品・技術が途上国の開発に有効であることを実証し、現地への適合性を高め、普及を図ることを目的としたもの
です。途上国への貢献と共に、採択企業が所在する地元経済の活性化も期待されます。
以上
www.jica.go.jp/chugoku/
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