入試直前必見情報~中 3 数学~

標準新演習 中 3 数学 指導のポイント
入試直前必見情報~中 3 数学~
正答率が示す「解けそうで解けない問題」 を最終チェック!!
[連立方程式の利用(増減に関する問題)]
~秋田 大問 1 ⑼ 正答率 37.6%~
ある中学校の昨年度の生徒数は 230 人であった。今年度の生徒数は,昨年度と比べ,男
子が 10%増え女子が 5 %減り,全体で 5 人増えた。昨年度の男子,女子それぞれの生徒数を
求めなさい。
解き方 昨年度の男子を x 人,女子を y 人とおくと,昨年度の人数について,
x + y = 230 …①
増えた人数について,0.1x +(- 0.05y)= 5 …②
①,②を連立方程式として解くと,x = 110(人),y = 120(人)
連立方程式の利用
連立方程式を利用して,文章問題を
解くことは入試に頻出である。その中
でも割合を使う場合はよくあり,計算
ミスを誘発するので,必ず検算をさせ
るように指導する。左記のような問題
を使って,5 %を 0.05 として立式する
ことや,②の式を簡単にするためには
100 倍 す る こ と,100 倍 す る と 0.1 →
10,5 → 500 になること等,方程式の
解き方があやふやになっていないか確
認することを勧める。
テキスト P9 演習問題B大問 5
[反比例のグラフ
(格子点)]
~青森 大問 1 ⑸ 正答率 28.2%~
8
y = x のグラフ上の点で,x 座標,y 座標の値がともに整数となる点は何個あるか,求め
なさい。
反比例のグラフ
関数の分野で反比例は,中 1 で学習
したきり触れられることが少ない。左
記の問題は決して難しくないが,学習
解き方 x が 8 の約数であれば,y は整数になる。
(x,y)
=
(1,8)
,
(2,4)
,
(4,2)
,
(8,1)
してから時間がたってしまうと,瞬時
また,x,y が負の数になる場合もあるので,
には対応し辛く,点数を落としてしま
(x,y)
=(- 1,- 8),(- 2,- 4),(- 4,- 2),(- 8,- 1)
う。中 3 の受験対策期でも,一度は取
よって,8 個である。
り組んで感覚を取り戻しておく必要が
ある。
テキスト P39
入試対策コーナー 3 大問 4
[変化の割合]
~長野 問 1 ⑷ 正答率 31%~
関数 y = x2 について,x の値が a から a + 2 まで増加したときの変化の割合が- 8 であ
る。a の値を求めなさい。
y の増加量
2 - a2
(a + 2)
解き方 変化の割合= x
より,(a + 2)- a =- 8
の増加量
これを解いて,a =- 5
変化の割合
中 2 で学習したきり触れられる機会
が少ないので,言葉の概念すら忘れが
ちになるだろう。また,x の値を文字
で表していることも戸惑う原因の一つ
である。しかし,難しい問題ではない
ので,受験対策期に復習しておくこと
で,簡単に得点に結び付けられる。冬
期テキストで一度解かせておこう。
テキスト P17 演習問題B大問 1 ⑵
[場合の数
(樹形図や表を使って場合を書き出す)]
~埼玉 大問 2 ⑴ 正答率 12%~
Aさん,Bさん,Cさん,Dさんの 4 人がそれぞれひとり 1 個ずつのプレゼント a,b,c,
d を持ち寄り,パーティーを行いました。これらのプレゼントを互いに交換して,全員が自
分の持ってきたプレゼント以外のものを 1 個ずつ受け取るとき,この受け取り方は全部で何
通りあるか求めなさい。
解き方 A B C D
a ― d ― c
b ― c ― d ― a
d ― a ― c
Aが c,d をもらう場合も同様に 3 通りずつあるので,全部で 3 × 3 = 9(通り)
場合の数
近年の入試の傾向では,全ての通り
を挙げてもそれほど多くない。計算で
要領良く場合の数を求めることよりも,
漏れなく書き出すことを優先して練習
させた方が,確実に得点できるように
なる。樹形図や表などを活用し,漏れ
なく書き出せるように,生徒自身の中
でルールを決めさせるとよい。
テキスト P30 学習 2
[相似な図形の線分の比]
~秋田 大問 1(12) 正答率 22%~
右の図で,線分 AB と線分 CD は平行であり,線
C
分 AD と 線 分 BC の 交 点 を E と す る。 点 F は 線 分
相似な三角形の代表例として,左記
の問題の△ABE ∽△DCE(砂時計型)
A
CD 上 の 点 で あ り, 線 分 EF と 線 分 BD は 平 行 で あ
相似な図形の線分の比
や△CEF ∽△CBD(ピラミッド型)が
E
る。AB = 3 cm,BD = 6 cm,CD = 5 cm で あ る と
F
き,線分 EF の長さを求めなさい。
B
ある。平行線を用いた図形では,まず
含まれていると考えてよい。
D
EF:BD を使えば EF を求められる
→ CE:CB または CF:CD が分かれ
解き方 △ABE ∽△DCE なので,BE:CE = AB:DC = 3:5
ば,ピラミッド型で EF が求められる
△CEF ∽△CBD なので,EF:BD = CE:CB
→ CE:CB ならば,砂時計型で求め
よって,5:(5 + 3)= EF:6
15
この比例式を解いて,EF = 4 cm
られる。砂時計型とピラミッド型に慣
れておけば,このような解法の手順も
見つけやすくなる。冬期テキストで練
習を積ませよう。
テキスト P25 演習問題 B 大問 1 ⑴
[最短距離
(展開図の利用)]
~長崎A 大問 4 問 4 正答率 8.6%~
右の図のように,三角すい ABCD があり,∠ADB =∠ADC =
A
∠BDC = 90°
,AD = 6 cm,BD = CD = 3 cm である。このとき,
線になる。入試では,最短距離の長さ
+ PD が最小となるとき,BP + PD の長さは何 cm か。
を求めさせるだけではなく,作図させ
る場合もあるので,展開図をかく練習
P
B
も同時に指導すると,理解が深まると
D
解き方 展開図をかくと右のようになる。
D
BP + PD がもっとも短くなるときは,展開図に
開図をかく問題があり,展開図がかけ
A
の定理を利用して,
3cm
D
した。次は,そのときにようこさんが作成した
ノートの一部である。このとき,ようこさんが
作成した度数分布表における最頻値(モード)を
求めよ。
P
C
6cm
D
ようこさんが作成したノート
自宅から学校までの通学時間
階級(分)
以上
未満
度数(人)
  5 ~ 10
3
10 ~ 15
2
15 ~ 20
6
20 ~ 25
4
25 ~ 30
3
30 ~ 35
2
計
20
解き方 度数がもっとも多い階級の階級値が最頻値にあたる。
ようこさんが作成した度数分布表より,15 分以上 20 分未満の階級の度数がもっと
も多いので,最頻値は 17.5 分である。
は極めて簡単である。
B
√32 + 62 =√45 = 3 √5 cm
その結果について,度数分布表をノートに作成
ていれば,最短距離の長さを求めるの
テキスト P26 学習 2
おいて直線になるときなので,BP + PD は三平方
対して,自宅から学校までの通学時間を調べ,
ともに,より得点アップが狙える。
左記の問題でも,この問題の前に展
C
ようこさんは,自分のクラスの生徒 20 人に
空間図形の面に沿って引かれる線の
最短距離は,展開図で表したときに直
辺 AC 上を動く点を P とする。2 つの線分 BP,PD の長さの和 BP
[代表値]
~高知 大問 3 ⑵ 正答率 16.9%~
最短距離(展開図の利用)
代表値
代表値には平均値,中央値,最頻値
などがある。左記の問題では,各値の
意味を知ってさえいれば,確実に得点
できる問題である。冬期テキストで確
認しておこう。
テキスト P30 学習 1