基礎編 練習59 図のように、4つの同じ大きさの球が互いに接していて、 下の3つの球は円柱の底面および側面に接しており、 上の球は円柱の上面に接しています。 球の半径を1 とするとき、この円柱の高さℎはいくつですか。 基礎編 練習59 解き方) 球を重ねる立体図形問題では、おもに『球の中心と半径』『正四面体の性質』『重心の性質』 の3つを用います。 求める円柱の高さℎは、球の半径2個分 + OHの長さ になります。 上の球の中心をO, 下の3つの球の中心をそれぞれA, B, C とすると、 立体O − ABCは正四面体となるから、Oから底面の △ ABCへ下ろした 垂線の足をHとすると、Hは △ ABCの重心になる。 右図のようにAHの延長線がBCと交わる点をIとすると、IはBCの中点であり、 △ ABCは正三角形なのでAI ⊥ BCとなる。 (※二等辺三角形の場合も直交します。) BI = 1 になり、 △ OBCは正三角形なので、辺の比の関係より OI = 3 となる。 ※ △ OBIは鋭角が30°, 60°の直角三角形になります。 1 Hは △ ABCの重心なので、HI = × AI 3 3 ここで AI = OI = 3 であるから、HI = 3 3 △ OHIに三平方の定理を用いて 3 = OH + 3 3 OH = 3 − 9 8 OH = 3 2 6 ∴ OH = 3 2 6 6+2 6 追加ポイント3 【補助線】 よって ℎ = 1 + 1 + = ・・・(答 図形に補助線を引く目的は、おもに次の4点です。 3 3 ※このように球を重ねた立体の問題は、私立高校入試では頻出なのですが、 解き方を知らないとどうしようもないので、この際に覚えておくことをおすすめ します。なお、県入試では未出題です。 1) 相似な図形をつくる。 2) 合同な図形をつくる。 3) 同じ長さの線分をつくる。 4) 同じ面積を持つ図形(とくに三角形)をつくる。 追加ポイント1 【重心】 補助線の引き方はおもに次の2つです。 1) 平行線を引く。 2) 線分を延長する。 ※参考書や問題集の解答で、『~に補助線を引いて』という書き出しから 始まるものが多いのですが、『どうしてここに補助線を引くの?』 という疑問が残ったままになりがちですよね....。 補助線を引く目的を知れば、より理解が深まるのではないでしょうか。 追加ポイント4 【円の共通接線】 △ABCにおいて、各頂点から向かい合う辺の中点に線分を 引くと、3つの線分は1箇所で交わり、この交点を重心という。 重心は各線分を頂点に近いほうから 2:1 に内分する。 追加ポイント2 【正四面体】 4つの面が正三角形である四面体のことで、頂点から底面へ 下ろした垂線の足は底面の正三角形の重心になる。 ※県入試では、これらの性質を用いなくても解けるようになっていますが、 私立高校入試にはよく登場するので、押さえておきたいです。 画像で、2つの円の中心A,Bからそれぞれの接点P,Qに 下ろした線分は接線ℓと直交する。 ※高校入試では、この画像の形から三平方の定理を用いて問題を 解くというタイプがよく出題されています。
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