編集長便り

〈2015年1月〉
編 集 長 便り
数学の入試直前対策!
ここが盲点! ここで差がつく! !
今年入試に挑む中3生は、2012年の教科書改訂に絡む移行
措置はなく、新しい教科書だけで学んできた世代です。そんな
世代でも新出内容への対策は必須。中でも注目したい分野につ
ここで差がつく!「図形の新出内容」
基礎 ・ 基本が身についた生徒に取り組んでもらいたいのが、
「球の表面積と体積」「平行移動・対称移動・回転移動」「投影
いてお話しします。
図」といった図形の新出内容です。これらの内容は中1の教科書
ここが得点源!「資料の散らばりと代表値」
で習いますが、入試では中3で習う「三平方の定理」と絡めた出
数学が苦手な生徒でも得点しやすい単元が、「資料の散らば
解できていた子も、中3の内容と融合されたことで、初めて見
りと代表値」。これは、新出内容の中でもこの4年間の入試で
るような問題となってしまったのでしょう。
最も出題されている単元です。 2014年度は「標本調査」も含め
題が目立ちました。これが難化の要因。中1で習った時には理
ると42県、つまりほとんどの県で出題されました。しかし、簡
出題例
単な問題でありながら正答率は極めて低いものでした。
三平方の定理と空間図形
「資料の散らばりと代表値」の問題を解くために必要な計算は、
下の図は正四角錐の投影図である。この正四角錐の立面図は1 辺の長さが
小学4年生でもできるような単純なものですし、関数や三平方
6 cmの正三角形である。この正四角錐の体積を求めよ。
の定理のように、複雑な考え方や積み重ねも必要ありません。
〈埼玉〉
(立面図)
ただ、こうも頻出するとは塾でも予想できず、また過去問での
正答率
出題数も少ないので、対策が遅れてしまった可能性があります。
24.8%
出題例
(平面図)
資料の散らばりと代表値
下の表は、ある学級の生徒29人の通学時間を度数分布表に整理したもの
である。この生徒29人の通学時間の最頻値を求めよ。
通学時間(分)
度数(人)
以上 未満
0 〜 10
10 〜 20
20 〜 30
30 〜 40
40 〜 50
計
4
9
8
6
2
「精選全国高校入試問題集」
(P69 大問番号236)
より
〈福島〉
押さえておきたいのは立体の求積問題ですが、その中でも
錐体全般の体積、特に円錐は表面積の求め方も忘れずに復習
正答率
38.4%
しておきましょう。錐体は以前から最頻出内容でしたが、新出
内容が加わったことで、従来のような回転体のほかに展開図や
投影図からの出題も増えています。決してやさしい問題ではあ
29
りませんが、中上位の生徒にとっては合否を分ける決め手とな
「精選全国高校入試問題集」
(P21 大問番号60)
より
る可能性も大。 基礎が身についていればまだ間に合いますか
ら、ぜひとも最新の入試で出題された問題にチャレンジしてお
問題自体は簡単ですから、入試の直前でも間に合う単元です。
きましょう。
「中央値」「最頻値」「階級値」などの用語の理解を含めて、しっ
かり確認しておきましょう。
編集長の
しょ
ここで
ト
ポイン
(教材編集長 上野伸二)
「資料の散らばりと代表値」は用語の理解も含めて直前に確認を!
図形の新出内容は、最新の入試問題にチャレンジしておこう!
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