1 制度の意義 本制度は、生活保護に至っていない生活困窮者に対する「第2 のセーフティネット」を全国的に拡充し、包括的な支援体系を創設 するもの ○これまでの福祉は・・・ ・福祉ニーズの高度化、複雑化に対応するため、特定の対象者や 分野ごとに展開(高齢者、障がい者、児童等) →制度や機関は専門化・細分化して整備 ・重大なニーズがある人を定義付け、当てはまる人に対して専門 的サービスを提供 ⇒まったく新しい制度の創設によって・・・ 13 ・これまで支援が届かなった(あるいは十分でなかった)生活困窮 者に対して、問題が複雑化、深刻化する前に、自立のための支 援が可能 14 2 制度のめざす目標 (1) 生活困窮者の自立と尊厳の確保 <生活保護制度との関係> ・生活困窮者のなかで、必要であると判断される場合には適切に 生活保護制度へつなぐことが求められる。 ・本制度は、生活保護制度と一体的な事業展開が期待されている。 ・自立:本人が主体的に自分の目標・行動を考え、地域で生活し ていけるように状況が改善されること *経済的自立だけでなく、日常生活自立や社会生活自立も含む。 ・尊厳の確保:生活困窮者の多くが自信や自己肯定感、自尊感 (参考:大阪市モデル事業での状況) ・相談受付件数(平成26年1月~8月) ・うち、生活保護担当課へつないだ件数 情を失い、傷つきやすくなっていることに考慮し、 734件 本人が「自分は生きていてもいいんだ。」と思える 79件(10.8%) 状態を確保すること ・支援:本人の尊厳を確保しながら、本人の自立に向けた取り組 みを側面から支えること(伴走型支援) 15 (2) 生活困窮者支援を通じた地域づくり ・地域づくり:生活困窮者の早期把握や支援を行うため、地域の中 にいる協力者、仲間、キーパーソンを見つけていくこと (参考:「自立相談支援事業従事者養成研修テキスト(中央法規)」10頁抜粋) ・本制度では、既存の社会資源を生活困窮者支援という新たな視点でつなぎ直し、不足す れば創造していくという作業を進めていきます。 ・生活困窮者の支援を通して、さまざまな分野の社会資源の連携を促進し、また、これらの 活性化を図り、行政、関係機関、地域住民等が協働で、いわば生活困窮者の支援を通じ た「地域づくり」に取り組み、生活困窮者の支援に理解のある参加型包摂社会を創造して 16 [地域づくりのイメージ(例)] ・地域にごみ屋敷があることについて自立相談支援窓口へ怒って相 談に来たAさん ⇒自立相談支援窓口の職員が掃除したことで問題解決? ⇒ごみ屋敷になった背景に「頼れる親族や友人がいない。」「近所 からは迷惑な人だとさげすまれている。」といった社会的孤立の問 題があれば、数か月後には同じことが繰り返される可能性大 ⇒見守りを行う必要があるが、支援員が行うことは困難 ⇒地域の協力者を見つける必要あり ⇒怒りながらでも「何とかしなければならない。」という問題意識を 持って相談に来たAさんに協力を求め ることも地域づくりのひとつ いくことが重要です。 17 18 1
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