学習メモ

学習メモ
第 40 回
倫 理
第 5 章 現代の課題を考える
情報化社会と倫理
今回学ぶこと
活字メディア、映像メディア、インターネットなどのさま
ざまな情報メディアの発展の歴史を通して、メディアはどの
ような特質をもっているのかを学ぶ。またメディアを使いこ
なすために必要な能力であるメディアリテラシーとは、どの
ようなものかについて、理解を深める。
講師
千田有紀
今回のキーワード!
マスメディア/パーソナルメディア/ステレオタイプ/
疑似イベント/活版印刷/メディアリテラシー
情報社会の歴史
▼
メディアにはいろいろある。まず、不特定多数の人に向けられて発信する、テレビやラジオ、
新聞、
雑誌などのマスメディアと、使い手が情報を発信する電話や手紙などのパーソナルメディ
アがある。また、インターネットを経由して形成される双方向的なソーシャルメディアなども
存在している。
マクルーハンは、グーテンベルクによる活版印刷の発明により、文書の保存や処理のみなら
ず、私たちの感覚を変容させたと主張している。またラジオやテレビのようなメディアは、活
字文化の支配をさらに変形させたと考えられている。
メディアに接するときには、紋切り型のステレオタイプのイメージによって判断をしていな
いか、またメディアのつくり出す疑似イベントによって誤ったイメージを持たされていないか
などをチェックし、自覚する必要がある。
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倫 理
情報化社会と倫理
携帯電話につながれる「わたし」
1990 年代くらいから、ポケットベル、PHS、携帯電話が急速に普及し、わたしたちは現在、
どこに居ても電話に繋がれている。さらに電話にはメール機能があったり、小型のコンピュー
ターともいえるスマートフォンなども普及したりしてきたため、つねにインターネットにも繋
がれている状態にも近くなってきている。
こうした状況によって、個人と個人は急速に結び付けられるようになり、通信機器によって、
「わたしたち」の共同性がつくられるようになってきているのである。こうした新しいつなが
りかたはさまざまな課題をわたしたちに突き付け、人と人との関係のありかたを、急速に変え
つつある。わたしたちはどのようにこの状況に対応すべきであろうか。
メディア・リテラシー
読み書き能力を指すリテラシーと、メディアを組み合わせて、メディア・リテラシーと呼ぶ。
メディア・リテラシーとは、メディアの読み書き能力、つまりインターネットやテレビ、新聞
などのメディアを使いこなし、メディアの伝える情報を主体的・批判的に読み解く能力のこと
を指す。また情報をうのみにせず、どんな意図でつくられ、送りだされているかを自分の頭で
判断し、自分も情報発信する力を身につけることまでをも含み込む概念である。
▼
近年登場したインターネットは、全世界に結び付けられ、匿名性を保ったままの情報発信を
可能にした。こうしたネットの特質は、便利であると同時に、難しさをはらんでいる。
私たちはインターネットなどの良いつきあい方を学んでいく必要があるだろう。
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