第54節 文化財応急対策 (PDF:172KB)

風水害・雪害対策編
第 3 章第 54 節
「文化財応急対策」
文化財応急対策
第 54 節
【本所】教育班
1
【庁舎】総務企画班
【関係機関】県災害対策本部
計画の目的
災害発生時、文化財所有者をはじめとする関係機関は、文化財を保護し その文化的価値の滅
失を防ぐための必要措置をとる。
<達成目標>
市は、文化財の被害状況を把握し早急に県に報告するとともに、文化財所有者や地域住
民等の協力を得て、必要に応じて応急的修理及び一時搬出等の救済措置を講ずる。文化財
所有者は、市の協力を得て二次的災害から文化財を保護し、その文化的価値がより失われ
ないような必要措置をとるものとする。
2
各段階における業務の内容
入館者の安全確保(建物の場合)
風水害発生中、発生後
被災状況の調査報告
被害拡大防止措置
3
各主体の役割
(1)市の役割
指定文化財への対策
ア
国及び県指定文化財
市内に所在する文化財の被害状況を把握し、速やかに県教育委員会に報告するととも
に、被害拡大防止のための応急措置をとる。併せて、被災文化財に係る応急的措置及び
修理について関係諸機関と連絡・調整を図り、所有者又は管理責任者に対する指導・助
言の仲立ちをする。
イ
市指定等文化財
文 化 財 の 被 害 状 況 把 握 を 行 う と と も に 、 被害拡大防止のための応急措置をとる。
併せて、応急的措置及び修理についての助言・指導や支援を行う。
ウ
建造物等に観覧者等がいる場合は、人命の安全確保の措置を行う。
(2)県の役割
指定文化財等への対策
ア
国及び県指定文化財
必 要 に 応 じ て 現 地 に 担 当 職 員 を 派 遣 す る な ど 文 化 財 の 被 害 状 況 を 把 握・確 認 し 、
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風水害・雪害対策編
第 3 章第 54 節
「文化財応急対策」
国 関 係 機 関 等 と 連 絡 を 取 り 合 い な が ら 、被 災 文 化 財 の 応 急 的 措 置 及 び 修 理 に つ い
ての指導・助言を行う。
イ
市指定文化財
市教育委員会等を通じて文化財の被害状況を把握し、必要に応じて被災文化
財に係る種々の相談や協力要請に応じる。
(3)市民・文化財所有者等の役割
①市民の役割
文化財に被害が見られた場合には、所有者又は関係機関等へ可能な限り連絡を行うととも
に、危険のない範囲で、被災文化財搬出活動等への参加・協力を行うものとする。
②地域の役割
地域全体の共有財産である文化財を保存・継承するために、所有者又は管理責任者と確認
を取り合いながら、可能な限り被災文化財の保護・ 搬出活動にあたるものとする。
③文化財所有者、管理責任者の役割
危険のない範囲で、被災文化財の保護・搬出等にあたるとともに、市教育委員会等の関係
機関へ被害状況を報告し、応急的処置及び修理についての協力や指示を仰ぐものとする。
4
業務の内容
(1)文化財の応急対策
ア
文化財、収蔵施設等の管理者は、入館者及び施設利用者の安全確保及び施設の保全を図
るとともに、応急対策を行い被害の軽減に努める。
a
災害発生直後は、入館者、施設利用者を安全な場所に避難誘導させる。
b
負傷者の有無を確認し、必要な措置を講ずる。
c
報道機関の情報を収集し、関係機関と連絡をとり情報把握に努める。
d
速やかに被害状況を把握し、市教育委員会へ報告する。
e
当該施設が避難所となった場合は、市及び地域の自主防災組織等と連携して、避難所
の開設及び運営に協力する。
イ
市は、文化財の被害状況を把握し、必要な応急措置を行うことにより被害の軽減に努め
る。
(2)文化財の種別毎の対策
①建造物
文化財所有者は、二次災害等により被害拡大のおそれのあるものについては、可能な限り
応急的措置を施し、本格的な修理・修復まで現状維持できるような対応を行うものとする。
県及び市は、それを指導・助言するとともに、可能な限りの支援を行う。
②美術工芸品、有形民俗文化財
文化財所有者は、文化財が展示・収蔵されている施設そのものが、倒壊・浸水又はその危
険性がある場合には、市、県及び地域住民等と連携して、可能な限り速やかに当該施設から
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風水害・雪害対策編
第 3 章第 54 節
「文化財応急対策」
文化財を搬出し、その保護・保存を図る。併せて、被災した文化財に関しては、その現状復
旧を前提とした措置を施し、本格的な修理・修復に備えるものとする。
③史跡、名勝、天然記念物
文 化 財 所 有 者 は 、可 能 な 限 り 被 害 状 況 の 把 握 に 努 め 、 二 次 的 倒 壊 ・ 崩 落 を 極 力 防
止 す る た め に 、危 険 の な い 範 囲 で 応 急 的 措 置 を 講 ず る も の と す る 。市 及 び 県は、それ
を指導・助言するとともに、可能な限りの支援を行う。
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