第2章 災害予防計画

第2章
第2章
災害予防計画
災害予防計画
第1節 防災組織の整備計画
第1 弥富市防災会議
市の地域に係る防災に関し、市の業務を中心とし市の区域内の公共的団体その他関係機関の業務を包
含する総合的かつ計画的な運営を図るため、災害対策基本法第16条第1項の規定により市長の附属機関
として弥富市防災会議を設置する。
弥富市防災会議は、市長を会長とし、弥富市防災会議条例(昭和38年条例第9号)第3条第5項に規
定する委員をもって組織する。
弥富市防災会議条例に基づく所掌事務は、次のとおりである。
(1)
弥富市地域防災計画を作成し、その実施を推進する。
(2)
弥富市の地域に係る災害が発生した場合に、当該災害に関する情報を収集する。
(3)
その他法律又はこれに基づく政令によりその権利に属する事務を行う。
附属資料
○
弥富市防災会議条例
P.329
第2 弥富市災害対策本部
市の地域内に災害が発生し、又は発生するおそれがある場合で、市長が必要と認めたときは、災害対
策基本法第23条の2及び弥富市災害対策本部条例(昭和38年条例第10号)の規定により弥富市災害対策
本部(以下「市災害対策本部」という。)を設置し、市における防災活動を強力に推進する。
なお、組織及び活動計画については第1編第3章第1節「災害対策本部計画」で定める。
附属資料
○
弥富市災害対策本部条例
P.331
第3 消防及び水防機関
消防及び水防は、消防組織法(昭和22年法律第226号)及び水防法(昭和24年法律第193号)に定める
ところにより、その施設及び人員を活用して、住民の生命、身体及び財産を水火災から保護するととも
に、水火災又は地震等の災害を防除し、及びこれらの災害による被害を軽減することを目的とし、消防
力及び水防力の強化・整備を図るものとする。
1
海部南部消防組合
弥富市及び飛島村で構成されている海部南部消防組合は、飛島村大宝に消防本部(本署)、弥富市
鎌倉町に北分署、飛島村木場に南出張所があり、消防車両と救急車が配備され、迅速に対応できる体
制となっているが、多様な火災に対処するため、消防装備の充実や消防職員の資質の向上等をさらに
推進していく必要がある。また、消防組織法に基づき、愛知県内広域消防相互応援協定、海部津島地
区消防相互応援協定、愛知県下高速道路における消防相互応援協定を結び、緊急時の出動も行ってい
る。
附属資料
○
協定締結状況一覧表
P.346
―19―
第1編 風水害・原子力等災害対策計画
2
海部地区水防事務組合
昭和48年に、津島市、旧七宝町、旧美和町、旧甚目寺町、大治町、蟹江町、旧十四山村、飛島村、
旧弥富町、旧佐屋町、旧立田村、旧八開村及び旧佐織町の河川及び海岸の水防に関する事務を処理す
るために設立された。水防に必要な監視、水防、警戒、通信連絡、輸送等の事項を具体的に定め、水
防力の強化に努めている。
3
弥富市消防団
非常備消防としての消防団は、16分団、372名の団員で構成されている。消防業務はもとより水防
業務も兼ね、災害の警戒、救難、救護及び消防器具の保全を行っている。現在、実働可能な団員の確
保が難しくなってきているので、団員の確保と組織の強化を図る必要がある。
第4 自主防災組織
大規模な災害が発生した場合、防災関係機関の活動が遅れたり、阻害されたりする場合が予想される
が、このような事態において被害を最小限にとどめ、災害の拡大を防止するには、平素から住民による
自主防災組織を設けて出火防止、初期消火、被災者の救出救護、避難誘導等を組織的に行う必要があ
る。市は、自治会への補助金交付等により、自治会単位での自主防災組織の整備促進を図っており、平
成23年度時点で48の自主防災組織が整備されている。
今後も、市は、地域住民、施設及び事業所などによる自主防災組織の整備を促進し、火災の初期消火
に対応できる体制づくりに努めるものとする。その際、女性の参画の促進に努めるものとするととも
に、いざという時には、日頃から地域の防災関係者等のネットワーク化の推進にも努めるものとする。
1
設置推進機関
災害対策基本法第5条第2項の規定に基づき、市は自主防災組織の育成を推進するものとする。
なお、防災関係機関は、相互に有機的連携のもとに市の推進活動に積極的に協力するものとする。
2
設置推進する自主防災組織
市は、地域住民による自主防災組織に対し適切な指導、援助を行うものとする。また、大規模な人
的、物的被害が発生する危険性を有する施設の自発的な防災組織の設置も推進するものとする。
なお、自主防災組織の一般的な編成例としては次のようなものがある。
〈自 主 防 災 組 織 の 編 成 例〉
会
長
副
会
長
情
報
班 (情報収集、伝達及び広報)
消
火
班 (出火防止、消火活動)
避 難 誘 導 班 (避難誘導)
救 出 ・ 救 護 班 (負傷者等の救出、救護)
会
給 食 ・ 給 水 班 (炊き出し、食料・水の配分)
計
―20―
第2章
3
災害予防計画
施設の自主防災組織の設置
多数の従業員がいる事務所等で組織的に防災活動を行うことが望ましい施設の自主防災組織の設置
を指導していくものとする。ただし、法令により防火管理者等を置き、消防計画を作成し、自衛消防
組織を設置している施設については、新たに自主防災組織の設置の必要はなく、その組織による防災
活動の充実強化を図って、自主防災体制を整備するものとする。
4
自主防災組織の設置推進活動
(1)
広報活動
自発的な防災組織の必要性を認識させ、あわせて防災意識の高揚を図るための広報活動を実施す
る。
(2)
防災教育
地域住民及び施設の管理者を対象に自主防災組織の組織づくりを指導するとともに、災害及び防
災に関する知識の徹底を図るための防災教育を実施する。
5
防災マニュアルの作成
地区ごとに地区の実情に合った防災マニュアルの作成を図るものとし、作成については、地区内に
消防団、医師、看護師等の専門家(若しくはOB)が在住しているかを確認の上、概ね次のような段
階を重ね、協議を行う。
地区の実情を考慮した被害想定の実施
・当該地区で起こり得る災害を具体的に想定する。
予 想 さ れ る 事 態 へ の 対 応
・必要なものは何か、どう行動すべきかを考える。
必 要 な
・当該地区に最も適した体制の構築を行う。
体
制
の
必 要 な 資 機 材 の
・非常時に使用する資機材の整備計画及び管理方法を決定する。
6
整
備
整
備
自主防災組織の活動
(1)
対
平常時の活動
策
内
容
消
火
対
策 1
2
火災予防の啓発
延焼危険地区、消防水利等の把握
救
出
対
策 1
2
救出用資機材の整備計画の立案
建設業者などへの重機の事前協力要請
救
護
対
策 1
2
3
各世帯への救急医薬品の保有指導
応急手当講習会の実施
負傷者収容についての医療機関との協議
情
報
対
策 1
2
情報の収集、伝達方法の立案
市内防災関係機関や隣接自主防災組織との連絡方法の確立
避
難
対
策 1
2
3
避難対象地区の把握
避難路の決定と周知
自力で避難困難な者等災害時要援護者の把握
―21―
第1編 風水害・原子力等災害対策計画
対
策
内
給食給水対策
防
災
訓
備
(2)
対
1
2
3
各世帯への備蓄の徹底
飲料水が確保できる場所の把握
炊き出し、配分計画の立案
練 1
2
個別訓練の随時実施
市が行う防災訓練への参加
蓄 1
2
各班の活動に必要な資機材、物資を順次備蓄
備蓄資機材、物資の管理、点検
災害時の活動
策
内
消
火
対
策 1
2
3
各自家庭における火の始末
初期消火の実施
延焼の場合は消火班出動
救
出
対
策 1
2
初期救出の実施
建設業者への応援要請
救
護
対
策 1
2
3
情 報 対 策 1
2
3
4
5
避 難 対 策 1
2
3
給食給水対策 1
2
3
7
容
容
軽傷者は各世帯で処置
各世帯で不可能な場合は救護班が処置
重傷者などの医療機関への搬送
各世帯による情報班への被害状況報告
情報の集約と市等への報告
隣接自主防災組織との情報交換
重要情報の各世帯への広報
市への地域住民の安否、入院先、疎開先等の情報提供
避難路の安全確認
避難者の誘導(組織的避難の実施)
自力で避難困難な者等災害時要援護者の安否確認、担架搬送、介添え
飲料水の確保
炊き出しの実施
飲料水、食料などの公平配分
自主防災組織に対する指導、援助
自主防災組織が実施する活動について、積極的に指導、援助を行うものとする。
8
災害時要援護者対策への協力
各自主防災組織は、災害時要援護者の安全避難のための指針となる「市災害時要援護者支援体制マ
ニュアル」の運用に協力するものとする。
9
日赤奉仕団
女性の会により構成されている弥富市地区日赤奉仕団は、炊き出しその他の災害救助活動に参加す
るため指導と訓練を行う。
第5 ボランティア
行政、住民、自主防災組織などが対応困難な大規模な災害が発生した場合に、被災者の自立支援を進
めるためには、様々な分野における迅速できめ細かいボランティア活動が必要である。災害時にボラン
ティアがその力を十分に発揮するためには、ボランティアと被災地からの支援要請との調整役となるボ
ランティアコーディネーター(以下「コーディネーター」という。)を確保した受入体制の整備とボラ
ンティアの相互の協力・連絡体制づくり(ネットワーク化)が不可欠である。
このため、市は、社会福祉協議会、日赤奉仕団などのボランティア関係団体と連携し、災害時にボラ
ンティアの受入れが円滑に行われるよう活動環境を整備するとともに、相互の協力・連絡体制を推進す
―22―
第2章
災害予防計画
るものとする。
1
ボランティアの受入体制の整備及び協力・連絡体制の推進
(1)
ア
ボランティアの受入体制の整備
市は、弥富市総合福祉センター内にボランティアの受入れに必要な机、椅子及び電話等の資機
材を確保して、災害ボランティアセンターを設置する。
イ
市は、災害時にコーディネーターを派遣することを協力するボランティア関係団体(協力団
体)にコーディネーターの派遣を要請する。
ウ
市の災害ボランティアセンターに派遣されたコーディネーターは、ボランティアの受入れを行
う。
エ
市は、あらかじめ平常時において定期的に災害発生時の対応や連絡体制について、ボランティ
ア団体との意見交換に努める。
オ
市は、防災訓練等において、ボランティア関係団体の協力を得て災害ボランティアセンターの
立ち上げ訓練を行う。
(2)
ボランティアコーディネーター養成講座の開催
市は、ボランティア関係団体と相互に連絡し、ボランティアとして被災地の支援をしたい者と支
援を求める者との調整役となるコーディネーターの確保に努めるものとする。このため、市は、ボ
ランティアコーディネーターの養成に努めるとともに、養成したボランティアコーディネーターに
対し、コーディネートの知識、技術の向上を図るため県等が開催するフォローアップ研修を受講さ
せるものとする。
(3)
ボランティア関係団体との連携
市は、地域での連絡会の設置・協定の締結などにより、ボランティア関係団体との連携に努め
る。
(4)
防災ボランティアの活動の普及啓発
市は、ボランティア活動に対する意識を高めるとともに、災害時にボランティア活動を行いやす
い環境づくりを進めるために、普及・啓発活動を行う。特に、「防災とボランティアの日」及び
「防災とボランティア週間」においては、広報・啓発活動を行うように努めるものとする。
第6 防災リーダーの養成及び活用
市は、防災リーダーを養成するとともに、防災リーダーのネットワーク化を推進することにより、地
域防災力の強化を図る。その際、女性の参画の促進に努めるものとする。
1
防災リーダーの養成
県及び市等は、地域防災の中心として情報の収集や伝達・発信を行える、災害に対する知識や防災
活動の技術を習得した地域の実践的リーダーの養成に努めるものとする。
2
防災リーダーのネットワーク化の推進
防災リーダーが各々の地域において自主防災活動を展開するのを支援するため、市は、防災リーダ
ーの継続的な資質向上に努めるとともに、防災リーダーのネットワーク化を推進する。
3
自主防災組織と防災関係機関等とのネットワーク活動の推進
市は、自主防災組織が消防団、企業、学校、防災ボランティア団体など防災関係機関同士と顔の見
―23―
第1編 風水害・原子力等災害対策計画
える密接な関係(ネットワーク)を構築することを推進するため、ネットワーク化を図る防災訓練
に取り組むなど必要な事業の実施及び支援、指導に努めるものとする。
第2節 防災協働社会の形成推進
第1 方針
自然災害から安全・安心を得るためには、行政による公助はもとより、住民一人ひとりの自覚に根ざ
した自助、身近なコミュニティ等による共助が大切であり、国の「災害被害を軽減する国民運動の推進
に関する基本方針」を踏まえ、社会の様々な主体が協働して災害被害の軽減に向けた防災活動を行う仕
組みを構築していかなければならない。
また、市、県、住民、事業者、自主防災組織、ボランティア等はその責務や役割を認識し、お互いに
助け合い、協働して災害に対処できる防災協働社会の形成の推進に努めるものとする。
第2 対策
1
地域における防災活動の継続的な推進の枠組み作り
市は、「新しい公」という考え方を踏まえ、住民、事業者、自主防災組織等が一体となって、より
幅広い連携による防災活動の推進や住民の防災意識の高揚を図るため、防災活動の継続的な取り組み
を推進する枠組み作りに努めるとともに、あいち防災協働社会推進協議会が策定した「災害に強い地
域づくりに向けた活動方針」に基づいた活動を実施するものとする。
2
災害被害の軽減に向けた取組み
市は、様々な主体を通じた防災知識の普及啓発に努めるものとする。また、各主体が連携して防災
活動に参加できるよう配慮するとともに、家庭や事業所等における安全に対する備えの促進を図るも
のとする。
3
業務継続計画の策定
市は、激甚な被害を被った場合に備え、発災後に実施する災害応急対策及び継続する必要性の高い
通常業務等を行うための業務継続計画を策定し、そのために必要な実施体制を整えるよう努めるもの
とする。
また、計画策定後は、より実効性のある業務継続体制を確保するため、必要な資源の継続的な確保
に努めるとともに、定期的な研修・訓練等を通じた見直しを行うことにより、計画の定着や改訂など
を行うものとする。
第3節 防災施設、設備等の整備計画
災害応急活動に必要な通信、水防、消防、救助、避難、気象観測その他に係わる施設、設備等の整備に
ついては、各々整備計画を樹立し、これに基づき、整備を推進する。
第1 防災用拠点施設の整備促進
市は、その所管する施設、設備の被害状況の把握及び応急復旧を行うため、あらかじめ体制・資機材
を整備する。特に、市役所本庁舎は、災害対策本部としての活動拠点となることから非常用発電施設の
確保、災害時の拠点・中枢機能など必要な施設・設備対策を講じるものとする。
―24―
第2章
災害予防計画
また、防災上重要な施設に対しては、早期に復旧できるよう体制等を強化する。
第2 防災中枢機能の充実
市は、保有する施設、設備について、代替エネルギーシステムの活用を含め自家発電設備等の整備を
図り、十分な期間の発電が可能となるような燃料の備蓄等に努めるものとする。その際、物資の供給が
相当困難な場合を想定した食料、飲料水、燃料等の適切な備蓄・調達・輸送体制の整備、通信途絶時に
備えた衛星携帯電話の整備等非常用通信手段の確保を図るものとする。
第3 気象観測施設、設備等
気象、水象等の自然現象の観測に必要な雨量観測、風向・風速観測、水位観測等の施設、設備を整備
し、予報、警報等を速やかに住民及び関係機関へ連絡できるように、通信施設、設備等の整備とあわせ
て行うこととする。また、これらの施設、設備については、定期的に点検を行う。
(注)気象業務法では、気象庁以外の政府機関又は地方公共団体が気象の観測を行う場合は検定に合格
した観測機器を使用するとともに、観測施設を設置した場合はこれを気象庁へ届けることを義務づ
けている。
附属資料
○
○
水位観測所
愛知県水防テレメーターシステム水位観測局
P.317
P.317
第4 消防施設、設備等
消防ポンプ自動車等の消防機械、消火栓、防火水槽等の消防用水利、火災通報施設その他の消防施
設、設備の整備、改善並びに性能調査を実施することにより、有事の際の即応体制の確立を期する。特
に、災害時の初期消火活動については、耐震性貯水槽、可搬式動力ポンプを重点とする。耐震性貯水槽
については、コミュニティ単位で設置しているが、近年の人口増に伴い、順次設置個所を増やしてい
く。
また、消防施設、設備等を定期的に点検し、災害の発生に備える。
附属資料
○
○
○
海部南部消防組合所有の資機材一覧
弥富市消防団保有の消防力
防火水槽・耐震性貯水槽一覧
P.311
P.313
P.315
第5 通信施設、設備等
防災に関する情報の収集、伝達等の迅速化を図るため、各地区、市、県、関係機関相互間における情
報連絡網の整備を図るとともに通信施設等の整備改善に努める。
1
無線通信による災害予防体制の充実
無線通信による災害予防体制の基本的な考え方は、次のとおりである。
(1)
災害時に備え無線技師の養成と増員を図るとともに防災行政用無線の充実を図る。
(2)
本部基地局(基地局受信装置)は、自家発電設備により、常時受信回路の整備に備える。
(3)
移動局(車両登載用及び携帯用)は、常に車両を整備し、携帯用は常時充電に努める。
(4)
各防災関係機関が開設する防災相互通信用無線局の利用を図る。
(5)
平常時においては防災、交通安全、道路、給水、公害パトロール等災害予防対策に有効活用
を図る。
(6)
無線の管理、運営、通話等については、定期的な点検、整備、研修に努める。
―25―
第1編 風水害・原子力等災害対策計画
2
無線通信網の強化
(1)
県の新総合通信ネットワーク整備事業により防災通信網を充実する。
(2)
市の防災行政用無線の整備については、移動局など随時無線装置を設置し、通信網を強化す
る。
(3)
アマチュア無線愛好家との協力体制を築く。
(4)
市指定避難場所等に無線施設の充実を図る。
(5)
本部基地局は市役所庁舎(防災安全課)に置き、関係部局には電話又は無線による連絡方法
とし、そのための連絡網・施設の整備に努める。
(6)
非常時には、災害対策本部において全無線局を統制するものとし、そのための定期的な研修
に努める。
3
同報系無線の整備
災害時において、的確な情報を迅速に関係機関及び住民に伝達するために、19・20年度で同報系無
線の整備を行なった。
附属資料
○
○
○
○
愛知県防災行政用無線局
弥富市防災行政無線設備状況
アマチュア無線局
同報無線一覧
P.299
P.299
P.302
P.303
第6 水防施設、設備等
重要水防区域、危険箇所その他水防活動については、海部地区水防事務組合水防計画による。
水防活動に必要な水防資機材については、市及び海部地区水防事務組合において充実が図られてい
る。
附属資料
○
○
○
水防事務組合の水防倉庫及び水防資機材備蓄状況
弥富市水防倉庫及び水防資機材備蓄状況
非常用土砂備蓄場所
P.319
P.320
P.320
第7 救助施設、設備等
人命救助に必要な救命ボート等の救助機械、発電機、救命胴衣等の救命用資機材及び乾パン、アル
ファ米等の救助用食料、生活必需品等の物資について災害発生時にその機能等が有効、適切に運用でき
るよう、整備、改善する。
また、救助施設、設備等を定期的に点検し、災害発生時に備える。
附属資料
○
○
海部南部消防組合所有の資機材一覧
弥富市主要資機材保有状況
P.311
P.318
第8 避難施設、設備等
災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、住民の生命を災害から保護するための避難
所を事前に指定する。避難所として指定した施設については、その施設の管理者と使用方法等について
事前に協議するとともに県、警察署等に報告する。また、避難路についても事前に選定しておき、避難
所、避難路は、定期的に点検を行う。
附属資料
○
弥富市避難所一覧
P.304
第9 防災広場
―26―
第2章
災害予防計画
各小学校区に「防災広場」を整備し、大規模災害発生時に地域住民の相互援助による被害軽減及び応
急復旧等の防災活動が実施される場として、コミュニティ単位での活用を促進する。
第4節 防災事業計画
第1 地域保全事業
洪水又は海水等による災害を防止するため、河川維持修繕、河川改良、海岸保全等の改修事業を実施
し、維持管理の強化とあわせ、水系一貫した河川改修を推進する。
1
河川維持修繕
平常から河川を巡視して河川施設の状況を把握し、必要に応じ対策を実施するとともに、洪水に際
して被害を最小限度に止めるよう堤防の維持・補修、護岸、水制、根固工の修繕、堆積土砂の除去等
を進める。
2
河川改修事業の整備等
市内を流下する河川のうち、一級河川木曽川は国の直轄管理河川で国土交通省中部地方整備局木曽
川下流河川事務所が担当し、二級河川筏川の鍋田大橋より下流は愛知県が管理するところである。河
川改修事業のうち未改修の箇所については、その実態を的確に把握するとともに土地改良事業等との
関連を考慮し、改修計画を立て、その実施に努めるものとする。
3
水路改修
現水路は、農業用水路として構築されているので、都市排水機能を満たすよう改修整備が必要であ
る。また近年、環境の変化に伴い、雑草や水草により流水が阻害され、水路機能が低下しており、対
策が必要である。
4
海岸保全対策
海水による浸食又は高潮及び波浪等による被害から海岸を防護するため、海岸堤防、既存施設の補
強改修等の海岸保全事業を実施し、その保全を図るものとする。
5
農地防災対策
集中豪雨時あるいは木曽川流域の河川の決壊を想定し、農地、住宅地等への水害を防除するために
も、排水路、排水機場、樋門等土地改良区と協力し整備改善に努めるものとする。
たん水時間を短くし、農作物の被害を最少にするためには、機械排水によらなければならない。
(筏川排水機場)
附属資料
○
○
6
重要水防箇所
水防上重要な水こう門
P.321
P.321
総合治水対策
筏川については、鍋田川と併せて国の総合治水対策特定河川事業の一環として関係機関に対して整
備の促進を要請していく。
第2 道路、橋梁の新設維持補修
災害時における道路、橋梁は、水防、避難、応急救助活動等の動脈として重要な役割をもった防災施
設であり、したがって平素から風水害に備え道路、橋梁等の被害を未然に防止し、また被害の誘因とな
―27―
第1編 風水害・原子力等災害対策計画
るものを排除する等、常に維持補修に努める。
(1)
国や県の道路整備計画にあわせて市道の整備事業等の促進を図る。
(2)
国道1号線及び23号線の横断地下道等の設置促進を図る。
第3 都市の防災性の向上
1
防災都市計画
土地区画整理事業、地区計画等を実施し、道路、公園及び下水道等を整備し、計画的な市街化を図
り、災害に強い街づくりに努める。
また、都市内道路の整備、拡幅により都市内に空間を与え、火災の延焼を防止し、非常災害時にお
いては緊急輸送路及び避難路としての機能を確保する。
さらに、市街地の公園緑地の規模と配置の適正化に留意しつつ、その拡充整備を図る。また、施設
面で外周部に植栽し緑化を行い、火災の拡大防止及び非常災害時の避難地、被災者の収容地として、
災害の防止並びに復旧に対処する。
2
都市排水対策
本市においては、都市化に伴い保水、遊水機能が低下し、また地盤沈下地帯であり、海抜0メート
ルと低く、排水不良の傾向が顕著であり、浸水被害が発生しやすい状況にある。そのため、生活環境
の改善及び公共用水域の水質保全を図るとともに、市街地における雨水排除を図るため、ポンプ場、
排水路の新設又は改修を行い、被害を未然に防止するよう努める。また、必要に応じて調節池等を設
ける。排水ポンプ場施設の新設、改修にあたっては、氾濫、浸水時の機能確保のために必要な耐水対
策を行う。
また、集落内の排水能力向上のため、集落内の道路整備とあわせて側溝等の排水施設の整備に努め
る。
さらに、生活環境の改善及び公共用水域の水質保全を図るとともに、住宅密集地における雨水排除
を図るため、ポンプ場、下水管渠の新設又は改修を行い、予想される被害を未然に防止する。また、
必要に応じて調節池等を設ける。排水ポンプ場施設の新設、改修にあたっては、氾濫、浸水時の機能
確保のために必要な耐水対策を行う。
3
防災街区等整備対策
市街化が進んだ地域に対して、災害に強い街づくりを展開し、防災街区の整備を進める。
4
防災建造物整備対策
(1)
公共建造物の不燃化等
学校、病院等の公共建造物の不燃化、耐震化を図る。また、消防法(昭和23年法律第186号)第
17条の規定に基づく消防用設備等の設置を促進するものとする。また、耐火建築物の建設を促進す
るための資金融資の活用を周知する。
(2)
防災拠点施設の屋上の番号標示
市は、災害発生時において、ヘリコプター等航空機による空からの情報収集活動が効率的に実施
できるように、避難所となる公共施設等の屋上に番号標示を行うよう努めるものとする。
附属資料
(3)
○
防災用拠点施設屋上番号標示一覧
防災上重要な施設の耐水性能の確保
―28―
P.323
第2章
災害予防計画
防災拠点など防災上重要な施設については、浸水等の水害により大きな機能障害を発生させない
必要があり、当該建築物の機能確保の観点から、新設等に際して浸水対策設計・施工を講じるなど
必要な浸水対策等を促進する。
(4)
公共建築物における雨水流出抑制機能の確保
河川への雨水流出抑制を図る必要があることから、公共建築物の新設に際して、必要な雨水流出
抑制機能の確保を促進する。
第4 その他の防災事業
1
地盤災害予防対策
(1)
地盤沈下対策
地盤沈下の主要原因と考えられる地下水の採取を規制し、地下水転換用の代替水の整備を図ると
ともに、既に沈下して被害の発生のおそれのある地域については、防災対策等必要な措置をとる。
ア
地下水採取規制
本市は、県民の生活環境の保全等に関する条例(平成15年愛知県条例第7号)による地下水採
取の第1規制区域及び工業用水法(昭和31年法律第146号)による揚水規制区域となっている。
したがって、地盤沈下への影響を防ぐため、地下水採取の規制を実施する。
また、尾張地域の地盤沈下に対して、国において策定された「濃尾平野地盤沈下防止等対策要
綱」に基づき、地盤沈下防止等対策を推進し、地盤沈下の防止を図り、海岸、河川等の防災対策
に資する。
イ
代替水源の整備
地下水採取の規制に伴い、工業用水や農業用水の代替水源として、上水道及び用水路等の整備
を図り、給水事業を促進する。
ウ
排水対策
(ア)
警戒水位感知機の設置
警戒水位機を幹線排水路に設置し、深夜の増水にも敏速に対応できる体制づくりに努める。
(イ)
自動排水ポンプの設置
警戒水位機の設置と連動させ、自動的に排水を開始することができるよう排水機の改善を行
う。
(2)
被災宅地危険度判定の体制整備
降雨等の災害で被災した宅地による二次災害を防止するため実施する被災宅地対策について定め
るものとする。
ア
被災宅地危険度判定士の養成・登録
市は、県と協力して土木・建築技術者等を対象に判定士養成講習会を開催し、判定士の養成・
登録に努めるものとする。
イ
愛知県建築物地震対策推進協議会による取組み
市及び県等は、地域の相互支援体制を充実し、広域的な災害に対し円滑な活動を行うため、愛
知県建築物地震対策推進協議会の活動の一つとしてその体制整備を図るものとする。
―29―
第1編 風水害・原子力等災害対策計画
附属資料
○
○
○
○
2
水準点の累積沈下量と地下水位観測所の年平均地下水位(昭和31年~平成23年)
P.295
累積沈下量等量線図(単位:cm)
(昭和36年2月~平成23年11月)P.296
東海三県における揚水規制地域
P.297
県民の生活環境の保全等に関する条例に基づく揚水規制区域
P.298
交通施設防災事業
災害時における緊急輸送の確保を図るため、災害対策本部(市役所)、主要公共施設、避難所、集
落等を結ぶ道路を重点的に整備する。
市道に関しては、幅員の狭い道路の拡幅工事等の整備を図る。
3
文化財保護対策
文化財を各種災害から保護するため、次のような対策を講ずるものとする。
(1)
文化財の所有者、管理責任者等と文化財の保護措置について協議し、保護、管理に必要な指
導、助言を行う。
(2)
文化財の破損、腐朽箇所の修理を速やかに行い、又は所有者、管理責任者に修理の手続、方
法等について適切な指導を行う。
(3)
自動火災報知設備、避雷針、貯水槽、防火壁等の消防用設備の配備及び消防道路の整備を促
進する。
(4)
消防訓練の実施等により災害予防体制を整える。
(5)
弥富市文化財保護条例(昭和47年条例第17号)の規定に基づき、市指定有形文化財の管理又
は修理につき多額の経費を要し、所有者がその負担に堪えない等の事情がある場合には、市の
予算の範囲内で補助金を交付する。
附属資料
○
文化財の現況
P.365
第5節 文教対策計画
第1 基本方針
幼児、児童、生徒(以下「児童生徒等」という。)及び職員の生命、身体の安全を図り、学校その他
の教育機関(以下「学校等」という。
)の土地、建物その他の工作物(以下「文教施設」という。
)及び
設備を災害から防護するため必要な計画を策定し、その推進を図る。
第2 防災上必要な組織の整備
災害発生時において、迅速かつ適切な対応を図るため、学校等では平素から災害に備えて職員等の任
務の分担及び相互の連携等について組織を整備しておく。児童生徒等が任務を分担する場合は、児童生
徒等の安全の確保を最優先する。
第3 防災上必要な教育の実施
学校等での災害を未然に防止するとともに、災害による教育活動への障害を最小限にとどめるため、
平素から必要な教育を行う。
1
児童生徒等に対する安全教育
児童生徒等の安全と家庭への防災思想の普及を図るため、学校等において防災上必要な安全教育を
行う。安全教育は、教育課程に位置づけて実施し、とりわけ学級活動(ホームルーム活動)、学校行
―30―
第2章
災害予防計画
事等とも関連を持たせながら、効果的に行うよう配慮する。
2
関係職員の専門的知識のかん養及び技能の向上
関係職員に対する防災指導資料の作成、配布、講習会及び研究会等の実施を促進し、災害及び防災
に関する専門的知識のかん養及び技能の向上を図る。
3
防災思想の普及
PTA、青少年団体、女性団体等の研修会及び各種講座等、社会教育の機会を活用して、防災思想
の普及を図る。
第4 防災上必要な計画及び訓練
児童生徒等及び職員の防災に対する意識の高揚を図り、災害発生時に迅速かつ適切な行動をとり得る
よう、必要な計画を樹立するとともに訓練を定期的に実施する。
1
災害の種別に応じ、学校等の規模、施設、設備の配置状況、児童生徒等の発達段階を考慮し、避難
の場所、経路、時期及び誘導並びにその指示、伝達の方法の計画をあらかじめ定め、その周知徹底を
図る。計画策定に際しては、関係機関との連絡を密にして専門的立場からの指導、助言を受ける。
2
学校における訓練は、教育計画に位置づけて実施するとともに、児童会、生徒会等の活動とも相
まって、十分な効果をあげるよう努める。
3
訓練実施後は、十分な反省を行うとともに、必要に応じ計画の修正、整備を図る。
第5 登下校(登降園)の安全確保
児童生徒等の登下校(登降園も含む。以下同じ。)途中の安全を確保するため、あらかじめ登下校の
指導計画を学校ごとに樹立し、平素から児童生徒等及び保護者への徹底を図る。
1
通学路の設定
(1)
通学路については、市教育委員会、蟹江警察署、海部建設事務所、海部南部消防組合等関係
機関及び地元関係者と連携を図り、学区内のさまざまな状況下における危険箇所を把握して点
検を行う。
(2)
平常の通学路に異常が生じる場合に備え、必要に応じて緊急時の通学路を設定するなどして
おく。
(3)
異常気象時における通学路の状況の把握についてその情報収集の方法を確認しておく。
(4)
児童生徒等の個々の通学路及び誘導方法等について常に保護者と連携をとり確認しておく。
(5)
園児の登降園については原則として個人又は小グループごとに保護者が付き添うものとす
る。
2
登下校の安全指導
(1)
異常気象時の児童生徒等の登下校について指導計画を綿密に確認する。
(2)
通学路における危険箇所については、児童生徒等への注意と保護者への周知徹底を図る。
(3)
登下校時における危険を回避できるよう、児童生徒等に対して具体的な注意事項をあげて指
導する。
第6 文教施設の耐震・耐火性能の保持
文教施設、設備を災害から防護し、児童生徒等の安全を図るため、これらの建物の耐震性能・耐火性
能を保持することが必要であり、そのための改修工事等を促進する。また、校地等の選定、造成をする
―31―
第1編 風水害・原子力等災害対策計画
場合は、災害に対する適切な予防措置を講ずる。
第7 文教施設、設備等の点検及び整備
文教施設、設備を災害から防護するため、定期的に安全点検を行い、危険箇所あるいは要補修箇所の
早期発見に努めるとともにこれらの改善を図る。
災害時の施設、設備等の補強等、防災活動に必要な器具等については、あらかじめ、必要な数量を備
蓄するとともに定期的に点検を行い整備する。
また、公民館、集会所等の施設についても、災害時に避難所として利用される場合が多いので、今後
の建築については鉄骨建築とするよう推進に努める。
第8 危険物の災害予防
化学薬品及びその他の危険物を取り扱う学校等にあっては、それらの化学薬品等を関係法令に従い適
切に取り扱うとともに、災害の発生時においても安全を確保できるよう適切な予防措置を講ずる。
第6節 防災教育計画
第1 基本方針
災害の未然防止又は災害が発生した場合、被害を最小限にとどめるためには、住民一人ひとりが平素
から各種災害について正しい認識をもち、災害から自らの生命、身体及び財産を守るための最小限の知
識を備えておくことが必要である。
したがって、防災機関の職員及び住民に対して、防災教育を行い、もって防災思想の普及を図る。
第2 職員に対する防災教育
防災上必要な知識及び技能の向上を図るため、防災事務又は業務に従事する職員はもちろん、一般職
員に対しても、機会を得て防災関係法令、地域防災計画、非常配備の基準、各部局において処理すべき
防災に関する事務又は業務などの知識及び実務等に関する講習会、研究会、研修会、映画会等を実施
し、その指導を行う。
また、地域の防災力の充実を図る観点から、国の研修機関等及び地方公共団体の研修制度の充実、大
学の防災に関する講座等との連携を図るなど、防災に関して専門的な知識や行動力を有する人材を育成
するための仕組みの構築に努める。
職員に対する防災教育は、市の地域防災計画の内容を周知徹底させることを基本とし、次の項目につ
いて教育する。
(1)
気象、災害についての一般的知識
(2)
災害対策基本法を中心とした法令等の知識
(3)
災害対策本部の組織及び任務分担
(4)
非常配備の基準及び連絡方法
(5)
被害の調査方法及び報告要領
第3 住民等に対する防災教育
1
地域住民に対する防災教育
住民の防災思想を普及させるため、出水期前、防災週間、火災予防運動、河川愛護運動、安全の日の
―32―
第2章
災害予防計画
各期間を中心として、防災に関する講演会、防災展、映画会等を実施し、また防災に関する記事等を掲
載した広報紙、パンフレット、ちらし等を配布し、水防等の災害時における心得等の知識の普及に努め
るとともに、地域コミュニティにおける多様な主体の関わりの中で防災に関する教育の普及推進を図
り、地域住民の防災に関する認識を高揚する。これらの教育は、必要に応じ、国、県等の機関と協力し
て実施する。さらに、市は、防災に関する様々な動向や各種データを分かりやすく発信するよう努め
る。
住民に対する防災教育は、次の項目について行う。
2
(1)
防災に関する一般的知識
(2)
気象情報等に関する知識
(3)
避難の方法及び場所
(4)
災害危険箇所
(5)
過去の災害事例
(6)
平常時及び災害発生時の心得
(7)
自主防災組織の意義
企業防災の促進
市は、企業の防災意識の向上を図るとともに、企業の防災力向上の促進を図るものとする。
また、企業を地域コミュニティの一員としてとらえ、地域の防災訓練等への積極的参加の呼びか
け、防災に関するアドバイスを行うものとする。
第4 自主防災組織等に対する教育
自主防災組織等に対して日常生活で使われる火器具の知識と適切な使用方法などを中心とする防火・
防災思想の普及、消火方法などの初期消火さらに災害発生時の避難、通報要領、応急対策への協力等に
ついて自主防災活動の充実を図る。
第5 防災関係機関における措置
防災関係機関は、それぞれ又は他と共同して、その所掌事務又は業務について、防災教育の実施に努
める。
第6 その他の教育
1
児童、生徒等に対する防災教育は、市教育委員会の定めるところによる。
2
自動車運転者に対する防災教育は、県公安委員会の定めるところによる。
第7 過去の災害教訓の伝承
県及び市は、市民が過去の災害から得られた教訓を伝承するよう、その重要性について啓発を行う。
また、教訓を後世に伝えていくため、災害に関する調査結果や各種資料を広く収集・整理し、適切に
保存するとともに、市民が閲覧できるよう公開に努めるものとする。
第7節 防災訓練計画
第1 基本方針
市地域防災計画は、災害時において十分活用され、防災活動が的確に遂行されなければならない。そ
―33―
第1編 風水害・原子力等災害対策計画
のため、市が中心となり、防災関係機関の協力を得て、防災訓練を実施し、防災関係機関相互の協力体
制の強化を図るとともに、予防並びに応急措置に関する技術の向上と活動の効率化を図り、あわせて住
民の防災思想の普及を図るものとする。
第2 基礎訓練の実施
防災意識の高揚は、訓練を実施することによって一層の成果をあげるものである。
したがって、防災関係機関(市、消防団、学校等)は毎年、独自の訓練計画を立て、公共的団体、民
間協力団体及び地域住民等の協力を得て、科学的かつ計画的な図上又は実働訓練の実施を重ね、責任の
自覚と技術の錬磨を図るものとする。その際、高齢者、障害者、外国人、乳幼児、妊産婦等災害時要援
護者(以下「災害時要援護者」という。)に十分配慮し、地域において災害時要援護者を支援する体制
が整備されるよう努めるとともに、被災時の男女のニーズの違い等男女双方の視点に十分配慮するよう
努めるものとする。
なお、実働訓練の実施に当たっては、過去の災害を教訓とし、訓練の目的を具体的に設定した上で、
被害の想定を明確にするとともに、あらかじめ設定した訓練効果が得られるように訓練参加者、使用す
る器材及び実施時間等の訓練環境などについて具体的な設定を行い、参加者自身の判断も求められる内
容を盛り込むなど、より実践的な内容とする。
訓練内容としては、次のものが考えられるが、当該機関の性格に応じ、適宜選択する。
1
水防(水防工法)訓練
「海部地区水防事務組合水防計画」に基づき、水防活動の円滑な遂行を図るため、地域の河川状況
を勘案した水防訓練を実施する。実施時期は、出水期前の最も訓練の効果のある時期とし、河川の危
険地域等洪水のおそれのある地域で実施する。
2
消防訓練
消防活動が円滑に実施できるよう、消防に関する訓練を実施する。
3
避難・救助訓練
市及び防災関係機関は、関係の計画に基づく避難その他救助の円滑な遂行を図るため、水防、消防
等の災害防護活動とあわせ、又は単独で訓練を実施するものとする。
また、学校、病院、社会福祉施設、工場、事務所等にあっては、収容者等の人命保護のため特に避
難について、その施設の整備を図り、訓練を実施するものとする。特に、自主防災組織、地域住民の
参加による地域の実情に応じた訓練を徹底して行うとともに、災害時要援護者の避難誘導を含む避難
誘導訓練や安全確保訓練を行う。
4
通信連絡訓練
市及び防災関係機関は、災害時における通信の円滑化を図るため、愛知県地区非常通信協議会等の
協力を得て、各種災害を想定し、通信訓練を実施する。
5
非常招集訓練
市及び防災関係機関は、各種災害を想定し勤務時間外における職員、消防団、水防団等の円滑な参
集、非常配備体制の万全を期するため、必要に応じ非常招集訓練を実施する。
6
各種救助訓練
倒壊家屋、自動車等からの救出訓練等、必要に応じて実施する。
―34―
第2章
災害予防計画
第3 総合防災訓練の実施
前記の各種基礎訓練を有機的に組み合せ、地域との連携を図り、地域の実情に応じた防災の教育及び
普及促進を図るとともに、防災関係機関及び住民が一体となって、又は連携して、総合防災訓練を実施
し、市地域防災計画の内容を習熟するとともに、市及び防災関係機関相互の協力体制の緊密化を図る。
さらに、ボランティア団体に対しても、総合訓練への参加を求める。
1
風水害想定
実施時期は出水期前とし、河川危険箇所等、洪水が予想される場所を選定する。
訓練内容は以下の項目とする。
2
(1)
水防工法
(2)
樋門等の操作
(3)
水位・雨量観測
(4)
消防機関・水防団の動員
(5)
一般住民の動員
(6)
水防資機材の輸送
(7)
情報の収集・伝達と災害広報
(8)
避難・立ち退き・災害時要援護者の移送
火災想定
実施時期は防火週間とし、火災が発生しやすい市街化が進んだ地区を選定する。
訓練内容は、以下の項目とする。
(1)
消防機関の出動
(2)
隣接市町村の応援
(3)
避難・立ち退き・災害時要援護者の移送
(4)
救出救助
(5)
情報の収集・伝達と災害広報
第4 訓練の検証
市は、訓練後には訓練成果を取りまとめ、課題等を整理し、必要に応じて改善措置を講じるととも
に、次回の訓練に反映させるよう努めるものとする。
第8節 避難対策計画
第1 基本方針
災害から地域住民を安全に避難させ、もって生命、身体の保護を図るため、市長は、あらかじめ避難
場所や避難所の選定及び整備、避難計画の作成、避難所の運営体制の整備を行うとともに、避難に関す
る知識の普及を図り、住民の安全の確保に努めるものとする。
市は、災害時要援護者を適切に避難誘導し、安否確認を行うため、地域住民、自主防災組織、民生委
員・児童委員、介護保険事業者、障害福祉サービス事業者、ボランティア団体等の多様な主体の協力を
得ながら、平常時より、災害時要援護者に関する情報を把握の上、関係者との共有に努めることとする。
―35―
第1編 風水害・原子力等災害対策計画
また、災害時要援護者への対応を強化するため、情報伝達体制の整備、避難誘導体制の整備、避難訓練
の実施を一層図るものとする。
社会福祉施設等の管理者は、その施設を利用する者を適切に避難誘導するため、市、地域住民、ボラ
ンティア団体等の多様な主体と協力体制を図るものとする。
県及び市は、大規模災害発生時の一斉帰宅を抑制するため、公共交通機関の運行状況によっては「む
やみに移動を開始しない」という基本原則を積極的に広報することが必要である。また、事業所等に対
して従業員等を職場等に滞在させることができるよう、必要な物資の備蓄等を促すものとする。
第2 実施内容
1
避難所の選定
市は、あらかじめ避難所を指定しているが、施設の老朽化、また人口動態の変化など地域の実情に
応じた避難者数を想定し、さらに他市町村との相互応援協力体制のバックアップのもとに避難所の整
備を図る。選定に際しては、次の点などに留意する。
(1)
住民にとって身近な施設にすること。
(2)
二次災害などのおそれがないこと。
(3)
立地条件や建物の構造等を考慮し、安全性が十分確保されていること。
(4)
主要道路等との緊急搬出入用災害アクセスが確保されていること。
(5)
環境衛生上問題のないこと。
(6)
指定に当たっては、原則として、防災関係機関、教育機関の管理諸室、病院等医療救護施
設、ヘリポート、物資集配拠点などの災害対策に必要な施設は、避けること。
(7)
必要に応じ県と連携をとり、社会福祉施設等の管理者との協議により、要援護高齢者、障害
者等が相談等の必要な生活支援が受けられるなど、安心して生活できる体制を整備した福祉避
難所の選定に努めること。
(8)
災害発生時に複数の避難者がやむを得ず選定された避難所以外の施設に避難した場合は、そ
の場所を新たに避難所として追認、登録すること。
2
避難所として適切な施設
公立学校、公民館等であるが、適当な施設がない場合は、公園、広場を利用して、野外へ建物を仮
設し、又はテント等を設営する。この場合、平素から安全な広場等及び仮設に必要な資機材の調達可
能数を把握確認しておくものとする。
なお、必要に応じ町丁界や行政界を越えての避難を考慮し、整備していくものとする。
また、市では市指定避難所として、以下のとおり、1次開設避難所~3次開設避難所というかたち
で各段階に沿った避難所を設置している。
(1)1次開設避難所
自主避難時に開設する避難所として、学区ごとに6か所を指定している。
(2)2次開設避難所
弥富市において震度5弱以上の地震が発生した場合、または、避難指示・勧告等の発令時に開設す
る。学区ごとに23か所を指定している。
(3)3次開設避難所
―36―
第2章
災害予防計画
収容人員が足りない場合など、必要に応じて開設する避難所として、5か所を指定している。
3
福祉避難所の指定
市は、一般の避難所では生活に支障を来たす災害時要援護者が、生活相談や必要な生活支援を受け
る等何らかの特別な配慮がされた、安心して生活ができる体制を整備した施設として福祉避難所の指
定を行っている。
このため、市では民間との協定締結などにより指定に取り組んでおり、平成23年度現在、社会福祉法
人3か所、市の公共施設2か所の合計5か所が指定されている。
4
避難所における必要面積の確保
市は、避難所の避難状況に応じた最小限のスペースを次のとおり確保するとともに、避難所運営に
必要な本部、会議、医療、災害時要援護者等に対応できるスペースの確保も不可欠である。
〈一人当たりの必要占有面積〉
1㎡/人
発災直後の一時避難段階で座った状態程度の占有面積
2㎡/人
緊急対応初期の段階での就寝可能な占有面積
3㎡/人
避難所生活が長期化し、荷物置き場を含めた占有面積
*介護が必要な災害時要援護者のスペース規模は、収容配置上の工夫を行う。また、避難者の状況に応
じた必要な規模の確保に努める必要がある。
5
避難所が備えるべき設備
避難所にテント、仮設トイレ、毛布等の整備を図るとともに、空調・洋式トイレなど災害時要援護
者にも配慮した施設・設備の整備に努める。
また、緊急時に有効な次の設備について、平時から避難所等に備え付け、利用できるよう整備して
おくよう努めていく。
(1)
情報受発信手段の整備:防災行政用無線、携帯電話、ファクシミリ、パソコン、拡声器、コ
ピー機、テレビ、携帯ラジオ等
6
(2)
運営事務機能の整備:コピー機、パソコン等
(3)
バックアップ設備の整備:投光器、自家発電設備等
(4)
災害時要援護者への配慮:スロープ、障害者用トイレ、文字を表示できるラジオ等
避難経路の表示
市は、避難所及びその場所を住民に周知徹底させるため、広報伝達するとともに、所要の箇所に標
示・標札を立てておくものとする。
7
避難所の運営体制の整備
避難所においては、多種多様な問題が発生することが予想されるため、市は、県が平成17年度に改
訂した「愛知県避難所運営マニュアル」などを活用し、各地域ごとの実情を踏まえた避難所の運営体
制の整備を図るものとする。
8
市及び学校、病院等防災上重要な施設の管理者の避難計画
市及び学校、病院等防災上重要な施設の管理者は、地域の特性、想定被害の種類に応じた具体的な
避難計画を作成しておくものとする。
なお、作成に当たっては、災害危険箇所の把握に努めるとともに、危険箇所ごとの避難所と避難経
―37―
第1編 風水害・原子力等災害対策計画
路を明示すること。
9
避難に関する広報
市は、住民が的確な避難行動をとることができるようにするため、避難場所・避難所・災害危険地
域等を明示した防災マップ、洪水時の浸水想定区域及び浸水深を示したハザードマップ、広報紙・P
R紙などを活用して広報活動を実施するものとする。
附属資料
○
弥富市避難所一覧
P.304
第9節 必需物資の確保対策計画
第1 基本方針
災害により、飲料水、食品、生活必需品の確保が困難な住民に対し、必要な物資を供給するため、集
中備蓄、分散備蓄などにより、必要な生活物資の確保に努める。
第2 実施内容
1
飲料水の確保体制の整備
市は、県と相互に協力して、発災後3日間は1人当たり1日3リットルの飲料水を供給し、それ以
降は順次供給量を増加できるよう、被災後の経過日数ごとに、目標数量、給水方法などを定め、飲料
水の確保体制の整備に努める。
(1)
給水車等の整備
(2)
給水用資機材の整備
(3)
相互応援体制の整備
市で対応できない大規模な災害を想定し、他市町村や他県と協定を締結するなど、相互応援体制
の整備に努める。
2
食品及び生活必需品の確保
市、県を始め防災関係機関は、食品及び生活必需品の確保、備蓄倉庫の整備又は耐水性を考慮した
保管場所の確保に努める。
(1)
米穀の確保
市は、県が策定した「応急用米穀取扱要領」9(市町村長が自ら主食を確保する場合)に基づ
き、事前に米穀販売業者等と米穀の供給協定の締結を行い、応急時の米穀の確保に努める。
(2)
主食及び副食の確保
市は、乾パンなどの主食とともに野菜などの副食を、自ら確保又は関係機関から調達する。
(3)
生活必需品の確保
必要量の確保が困難なときは、県へ援助の要請をする。
主な生活必需品は、次のとおりである。
ア
毛布
イ
被服(肌着等)
ウ
日用品(タオル、石けん、ちり紙等)
―38―
第2章
3
エ
炊事道具・食器類(鍋、やかん、茶碗、はし等)
オ
光熱用品(エルピーガス、懐中電灯、ローソク、乾電池等)
カ
医薬品等(救急セット等)
キ
衛生用品(生理用品、紙おむつ等)
ク
仮設トイレ
ケ
簡易トイレ
災害予防計画
家庭内備蓄の推進
災害発生時には、ライフラインの途絶等の事態が予想されるので、3日分程度の飲料水、食料その
他の生活物資の家庭内備蓄を推進する。
第10節 災害時要援護者の安全確保対策計画
第1 基本方針
災害発生時には、災害時要援護者への特別な配慮、支援が重要であり、市及び災害時要援護者を入所
させる社会福祉施設等の管理者(以下「施設等管理者」という。)は、風水害等から災害時要援護者を
守るための安全対策の一層の充実を図るものとする。
特に、市にあっては、災害時要援護者を適切に避難誘導し、安否確認を行うため、地域住民、自主防災
組織等の協力を得ながら、平常時より、災害時要援護者に関する情報の把握及び関係者との共有に努める
とともに、これらの者に係る避難誘導体制の整備を図るものとする。その際には、災害時要援護者の避難
対策に関する検討会(内閣府・消防庁・厚生労働省・国土交通省)作成の「災害時要援護者の避難支援ガ
イドライン」を踏まえ県が作成している「市町村災害時要援護者支援体制マニュアル」を活用するものと
する。
また、市及び施設管理者は、
「人にやさしい街づくりの推進に関する条例」(平成6年愛知県条例第33
号)の目的に従い、真に人にやさしい施設整備に努めるとともに、災害時要援護者に配慮した情報伝達
体制の推進及び教育・広報活動などに努める。
第2 実施内容
1
社会福祉施設等における対策
(1)
組織体制の整備
施設等管理者は、風水害等災害の予防や災害時の迅速かつ的確な対応を行うため、あらかじめ自
衛防災組織等を整備し、動員計画や非常招集体制等の確立に努める。
また、市との連携のもとに近隣施設間、地域住民やボランティア組織等の協力を得て、入所者の
実態に応じた体制づくりに努める。
(2)
緊急連絡体制の整備
市及び施設等管理者は、風水害等災害に備え、消防機関等への緊急通報のための情報伝達手段の
整備を図るものとする。
(3)
防災教育・防災訓練の実施
市及び施設等管理者は、災害時要援護者が自らの対応能力を高めるため、個々の災害時要援護者
―39―
第1編 風水害・原子力等災害対策計画
の態様に合わせた防災教育や防災訓練の充実強化を図るものとする。
(4)
防災備品等の整備
施設等管理者は、災害に備え、食料や生活必需品の備蓄を図るよう努める。
2
在宅者対策
(1)
災害時要援護者等の状況把握
市は、災害の発生に備え、災害時要援護者名簿を整備し、災害発生時に効果的に利用することで、
災害時要援護者に対する援護が適切に行われるように努めるものとする。
また、あらかじめ自主防災組織、保健センター、総合福祉センター、いこいの里等と連携して、
災害時要援護者に関する情報の共有、避難支援計画の策定等に努めるものとする。
(2)
緊急警報システム等の整備
市は、災害時要援護者の対応能力を考慮した緊急警報システムの整備を進めるとともに、地域ぐ
るみの避難誘導システムの確立を図るものとする。
(3)
応援協力体制の整備
市は、被災時の災害時要援護者の安全と入所施設を確保するため、医療機関、社会福祉施設、近
隣住民やボランティア組織、国及び他の地方公共団体等との応援協力体制の確立に努めるものとす
る。
(4)
防災教育・防災訓練の実施
市は、災害時要援護者が自らの対応能力を高めるため、個々の災害時要援護者の態様に合わせた
防災教育や防災訓練の充実強化を図るものとする。
3
外国人等に対する防災対策
市、県をはじめ防災関係機関は、言語、生活習慣、防災意識の異なる外国人や旅行者等が、災害発
生時に迅速かつ的確な行動がとれるよう、次のような防災環境づくりに努めるものとする。
(1)
広域避難場所や避難路の標識等を簡明かつ効果的なものとするとともに、多言語化を推進す
る。
4
(2)
地域全体で災害時要援護者への支援システムや救助体制の整備に努めるものとする。
(3)
多言語による防災知識の普及活動を推進する。
(4)
外国人も対象とした防災教育や防災訓練の普及を図るよう努める。
浸水想定区域内の施設等の公表
市は、浸水想定区域内に主として高齢者等の災害時要援護者が利用する施設で当該施設の利用者の
円滑かつ迅速な避難を確保する必要があると認められるものがある場合には、これらの施設名称及び
所在地について市地域防災計画に定めるとともに、住民への周知を図る。
5
洪水時の災害時要援護者が利用する施設の管理者への洪水予報等の的確かつ迅速な伝達
市は、市地域防災計画において、浸水想定区域内の災害時要援護者が利用する施設で当該施設の利
用者の洪水時の円滑かつ迅速な避難を確保する必要があると認められるものについては、当該施設の
利用者の円滑かつ迅速な避難の確保が図られるよう洪水予報等の伝達方法を定めるとともに、住民へ
の周知を図る。
第3 帰宅困難者支援体制の整備
―40―
第2章
1
災害予防計画
県(防災局)及び市における措置
(1)
公共交通機関が運行を停止した場合、ターミナル駅周辺等において、自力で帰宅することが困
難な帰宅困難者が大量に発生する可能性が高いことから、県及び市は、「むやみに移動を開始し
ない」という帰宅困難者対策に対する基本原則や安否確認手段について、平常時から積極的に広
報するものとする。また、企業等に対して、従業員等を一定期間事業所等内に留めておくことが
できるよう、必要な物資の備蓄等を促すなど、帰宅困難者対策を行うものとする。
(2)
県、市及び関係事業者等は、都市再生緊急整備地域において、人口・機能が集積したターミナ
ル駅周辺等における滞在者等の安全の確保を図るため、退避経路、退避施設、備蓄倉庫等の都市
再生安全確保施設の整備、退避施設への誘導、災害情報等の提供、備蓄物資の提供、避難訓練の
実施等を定めた都市再生安全確保計画を作成し、官民連携による都市の安全確保対策を進めるも
のとする。
附属資料
○
弥富市避難所一覧
P.304
第11節 特殊災害対策計画
危険物等の爆発、火災による災害及び石油類の流出、火災による災害を防止するための災害予防対策に
ついて定める。
第1 危険物等災害対策
危険物等の爆発、火災による災害を防止するため、市は、県、労働局、事業所等の関係機関と協議の
上、災害予防対策を実施する。
1
防災計画作成の指導
市は、関係事業所に対し、災害防止計画書の作成を指導する。
2
自主保安体制の整備
関係事業所は、所有、管理又は占有する危険物等について、それぞれ消防法、火薬類取締法(昭和
25年法律第149号)、ガス事業法(昭和29年法律第51号)、高圧ガス保安法(昭和26年法律第204号)、
毒物及び劇物取締法(昭和25年法律第303号)等危険物の保安に関する法令(以下「保安法令」とい
う。)の定める基準により、その位置、構造及び取扱いが常に適合するよう点検整備するものとす
る。さらに、必要な防災用設備、資機材を整備する。
点検にあたっては、日常の点検事項及び点検方法等をあらかじめ具体的に定めておくものとする。
また、従業員、下請者に対し保安教育を徹底するとともに定期的に防災訓練を実施する。
3
立入検査の徹底
防災関係機関は、それぞれ保安法令の定めるところにより、危険物施設の立入検査を年1回以上実
施するとともに、可能な限り相互に協力してこれを行い、検査結果の情報交換に努めるものとする。
第2 海上災害対策
海上における危険物の漏えい、流出、火災又は爆発の災害が発生した場合の流出油等の防除活動、災
害拡大防止活動等に対処するため、名古屋海上保安部その他関係機関との連絡及び協力についての体制
の整備を図るものとする。
―41―
第1編 風水害・原子力等災害対策計画
1
市及び海部南部消防組合の対策
(1)
オイルフェンス、油吸着材、油処理剤等の流出油防除資材並びに化学消火薬剤及び作業船艇
等の整備・備蓄に努める。
なお、必要に応じて漂着油の除去等に必要な資機材及び消防用資機材等の整備に努める。
(2)
大規模海難や危険物等の大量排出を想定し、関係機関と連携して防災体制の強化を図る。
第3 航空機事故による災害対策
民間の航空機又は自衛隊の航空機による航空機事故及び航空機事故に伴う災害が発生した場合の連絡
調整について、迅速な救難活動ができるよう、大阪航空局中部空港事務所・愛知県名古屋空港事務所及
びその他の防災関係機関、周辺市町村との協力関係を確立する。
第4 鉄道災害対策
鉄軌道における列車の衝突等による多数の死傷者等の発生といった鉄道災害(以下「大規模鉄道災
害」という。)に対して、鉄軌道事業者と連携して防災体制の整備を図るものとする。
1
市及び海部南部消防組合の対策
(1)
大規模鉄道災害に対処できるように救急救助用資機材の整備に努める。
(2)
大規模鉄道災害時の情報通信手段について、平常時よりその確保に努めるとともに、運用・
管理及び整備等に努める。
第5 放射性物質災害予防対策
放射性同位元素、核燃料物質等(以下「放射性物質」という。)による災害の発生及び拡大を防止す
るため、災害対策基本法及び原子力災害対策特別措置法(平成11年法律第156号)に基づき、防災関係
機関との連携の下に、予防対策の整備を図るものとする。
1
市及び海部南部消防組合の対策
市は、放射性物質に対する防災対策を円滑に実施するため、放射性物質を保有する事業者、放射線
防護資機材の保有状況等防災対策資料の把握に努めるものとする。
第12節 広域応援体制の整備計画
第1 基本方針
市は、大規模な災害等が発生した場合において、速やかに災害応急活動等が実施できるよう、あらか
じめ相互応援協定を締結するなど、広域的な応援体制の整備を図るものとする。
なお、相互応援協定の締結にあたっては、大規模な地震・津波災害等による同時被災を避ける観点か
ら、近隣の団体に加えて、遠方に所在する団体との間の協定締結も考慮するものとする。
第2 実施内容
1
応援協定締結の推進
市は、市の地域にかかる災害について適切な応援措置を実施するため、災害対策基本法第67 条の規
定により、他の市町村との間で災害に関し、物資等の提供、あっせん及び人員の派遣などについて市
町村相互応援協定を締結するよう努める。
また、大規模災害発生時に必要となる食料、飲料水、災害救助用資機材、輸送車両等を迅速に調達
―42―
第2章
災害予防計画
できるよう、市内関係団体・業者等との応援協定締結の推進を図る。
附属資料
2
○
協定締結状況一覧表
P.346
防災活動拠点の確保及び受援体制の整備
市は、大規模な災害が発生し国等からの広域的な応援を受ける場合に、自衛隊・警察・消防を始め
とする応援隊等の人員・資機材・物資の集結・集積に必要となる活動拠点及び受援体制について、関
係機関と調整の上、確保、整備に努めるものとする。
第13節 調査、研究計画
災害は、広範な分野にわたる複雑な現象であり、かつ、その実態は地域的特性を有するので、防災に関
する研究は、広範多岐にわたる研究部門相互の緊密な連繋を図るとともに、地域の特性に応じた総合的か
つ一体的調査研究を実施する。
第1 重点をおくべき調査研究事項
重点をおくべき調査研究事項は、次のとおりである。
1
危険地域の把握
次の事項について広範囲にあらゆる角度から調査し、その実態を把握する。
2
(1)
浸水危険区域
(2)
河川注意箇所
(3)
道路注意箇所
(4)
液状化危険地域
(5)
火災延焼危険地域
自然条件の調査
次の事項について調査を行う。
3
(1)
地形
(2)
地質
(3)
地盤構造
(4)
気象
危険地区の被害想定
災害時において迅速的確な災害対策が実施できるように社会的要請が強く、かつ調査の促進が必要
とされている上記第1の1の危険地域について関係機関等と共同して実態調査を行い、この調査結果
並びに過去に受けた災害状況等から被害想定をする。
第2 調査研究成果の活用
1
調査研究成果の活用
調査研究の成果を将来の具体的防災施策樹立の参考に資するよう計画するとともに、教訓となるべ
き要素を収録して広く関係者に配布し、一般防災意識の高揚を図る。
2
防災アセスメントの実施、防災カルテ、防災マップ等の整備
―43―
第1編 風水害・原子力等災害対策計画
市においては、危険地域の把握、危険地区の被害想定等各種の調査研究による成果を活用し、災害
危険性を地域の実状に即して的確に把握するための、防災アセスメントを積極的に実施する。
また、市は、コミュニティレベル(地区単位、学校区単位、自主防災組織単位等)でのきめ細かな
地区別防災カルテ・防災マップ等の作成を積極的に推進する。
さらに、災害危険区域及び避難場所、避難路等を具体的に示したハザードマップの作成、公表に努
める。
3
地籍調査
市は、防災化の推進や円滑な災害復旧に資するため、土地の最も基礎的な情報である面積や境界等
を正確に把握し、記録する地籍調査の推進を図る。
第14節 企業防災の促進
第1 方針
1
企業防災の重要性
企業の事業継続・早期再建は住民の生活再建や市の復興にも大きな影響を与えるため、企業活動の
早期復旧にも迅速さが求められる。
しかしながら、想定されるような大規模地震においては、従来の国・地方公共団体を中心とした防
災対策だけでなく国全体として災害に備える必要があり、愛知県地震防災推進条例に掲げる自助・共
助・公助の理念に基づき、企業も防災の担い手としての取組が極めて重要となる。
大規模災害時の被害を最小限にとどめ、できる限り早期の復旧を可能とする予防対策を推進する必
要があり、そのために企業は、顧客・従業員の生命、財産を守るとともに、企業にとって中核となる
事業の継続あるいは早期に復旧させるための事業継続計画(Business Continuity Plan(以下「BC
P」という)
)の策定に取り組むなど、予防対策を進める必要がある。
2
企業防災の促進
市は県及び商工団体等と協力し、企業の防災意識の向上を図り、災害時の企業の果たす役割が十分
に実施できるよう、事業継続計画(BCP)の策定等、企業の自主的な防災対策を促進していくととも
に、防災対策に取り組むことができる環境の整備に努める。
第2 対策
1
企業の取組
企業は、災害時の企業の果たす役割(生命の安全確保、二次災害の防止、事業の継続、地域貢
献・地域との共生)を十分に認識し、各企業において、災害時に重要業務を継続するための事業継
続計画(BCP)を策定・運用するよう努めるとともに、防災体制の整備、防災訓練の実施、事業所の
耐震化・耐浪化、予想被害からの復旧計画策定、各計画の点検・見直し、燃料・電力等重要なライ
フラインの供給不足への対応、取引先とのサプライチェーンの確保等の事業継続上の取組みを継続
的に実施するなどの防災活動の推進に努めるものとする。
(1) 生命の安全確保
顧客等不特定多数の者が施設に来たり、施設内に留まったりすることが想定される施設の管理者
等については、まず顧客の安全、次に企業の従業員等業務に携わる者の安全を確保するものとす
―44―
第2章
災害予防計画
る。
(2) 二次災害の防止
製造業などにおいて、火災の防止、建築物等の倒壊防止、薬液の漏洩防止など、周辺地域の安全
確保の観点から二次災害防止のための取り組みが必要である。
(3) 事業の継続
被災した場合の事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧
を可能とするために、事業継続計画(BCP)を策定し、平常時に行うべき活動や緊急時における事
業継続のための方針、手段などを取り決めておくものとする。
(4) 地域貢献・地域との共生
災害が発生した際には、住民、行政、取引先企業などと連携し、地域の一日も早い復旧を目指
す。その活動の一環として企業が行う地域貢献は、可能な範囲において、援助金、敷地の提供、
物資の提供などが一般的であるが、このほかにも技術者の派遣、ボランティア活動など企業の特
色を活かした活動が望まれる。
また、平常時からこれら主体との連携を密にしておくことも望まれる。
2
企業防災促進のための取組
市は、県及び商工団体等と協力し、企業のトップから一般職員に至る職員の防災意識の高揚を図る
とともに、事業継続計画(BCP)の策定を促進するための情報提供や相談体制の整備などの支援等に
より企業の防災力向上の推進を図るものとする。
また、企業を地域コミュニティの一員としてとらえ、地域の防災訓練への積極的参加の呼びかけ、
防災に関するアドバイスを行うものとする。
(1) 事業継続計画(BCP)の策定促進
ア
普及啓発活動
市は県及び商工団体等と連携し、企業防災の重要性や事業継続計画(BCP)の必要性について
積極的に啓発していくものとする。
イ
情報の提供
企業が事業継続計画(BCP)を策定するためには想定リスクを考える必要があり、そのため、
市が策定している被害想定やハザードマップ等を積極的に公表するものとする。
(2) 相談体制の整備
市は県及び商工団体等と連携し、企業が被災した場合に速やかに相談等に対応できるよう、相談
窓口・相談体制等について検討するとともに、被災企業等の事業再開に関する各種支援について
予め整理しておくものとする。
―45―