九州のがんばる農山漁村の女性たち Ver.12 取材日:H26.10.31 宇城地方農業女性野菜ソムリエの会 代表 かわしま ひ と み 川島 ひとみ さん 〔プロフィール〕 就農のきっかけ 結婚を期に就農 営農地・農産物 熊本県宇城市でれんこん、米を経営 近年の主な活動歴 宇城地方農業女性野菜ソムリエの会 代表 農業女性アドバイザー くまもとふるさと食の名人 「農業者の野菜ソムリエ」として、生産者の立場で野菜の美味しさや調理法を消費 者に伝え、野菜の消費拡大を積極的に行う川島ひとみさんの取組をご紹介します。 ∼野菜の美味しさや調理法を「生産者」の立場で伝えたい∼ あ結婚を期に就農し、就農5年目には義父から経営移譲されました。れん こんと米を経営しつつ、熊本県の認定を受けて農業女性アドバイザーとし て活動する中で、「自分たちで作った野菜の美味しさや調理法を生産者の 立場で伝えたい」と思いました。アドバイザーやレンコン農家の仲間に声 をかけて「野菜ソムリエ」の講義を一緒に受け、資格を取得しました。宇 城市の物産館「宇城彩館」から「お客さんへ料理の作り方を教えて欲し い」と依頼があり、黒いエプロンと赤いネクタイで気を引き締め、料理の 実演を行っています。初めの頃は講演経験もなく、大変緊張しましたが、2 年目からは自信が付き、お客さんからの「からし蓮根について教えて!」 などの要望にも応えられるようになりました。 これから年を重ねたら息子に経営移譲して、野菜ソムリエの活動に重点 を置きたいと思いますが、今はまだ50代!農業経営の中心となって頑張る べき時期です。農業経営者・野菜ソムリエ・農業女性アドバザー、色々な 角度から地元の野菜の素晴らしさを伝えていきたい思います。 自家製れんこんで作った「から し蓮根」の特徴は「甘み」。子 供や女性が食べやすいように、 国産ハチミツを加えて作ってい ます。 ∼家族と力を合わせて繁忙期を乗り切ります!∼ れんこん農家は冬が勝負で、毎年家族力を合わせて繁忙 期を乗り越えています。忙しい毎日ですが、夫の理解と協 力もあり、家庭での役割を済ませた後、積極的に外に出て 活動しています。 ∼野菜料理のレシピ集を道の駅等で配布しています∼ 野菜ソムリエの会で野菜レシピを考案し、「宇城の美味しい野菜のレシピ 集」として宇城地域の道の駅、物産館・直売所などで配布しています。レシピ 集を参考に野菜を購入されるお客様も数多くいらっしゃいます。 レシピを考えたら自宅で調理し、息子夫婦がアドバイスしてくれます! 「農業者の野菜ソムリエ」だから出来ること 栄養士や料理教室の先生とは違う「農業者の野菜ソムリ エ」は、生産過程の苦労話など生産現場の生の声や野菜の 最も美味しい旬の状況、農村に昔から伝わる伝統野菜料理 など、消費者に直接伝えることができます。 また、物産館などで料理教室を開くことで、宇城の農産 物のPRに繋がり、野菜の販売量が増加すれば、農家の所 得向上につながります。 消費者の方々との会話や、新しいメニューの考案など、 私たち自身も楽しみながら「野菜ソムリエ」として活動し ています。 農業高校で郷土料理を伝えて、10年になりました! あ息子が高校2年生の時、家庭科の先生から「からし蓮根」の 調理実習を頼まれたのをきっかけに、農業高校で郷土料理等の講師を 務めて10年になります。現在息子は後継者となり、時間の流れを感 じますが、これからも生徒たちとの触れ合いを楽しみながら伝承活動 を続けていきたいと思っています。 これからがんばる農山漁村の女性たちへのメッセージ ∼外に出て、「繋がり」を作ろう!∼ 昔は地域の婦人会等が女性を家庭から引っ張り出 し、交流の機会が与えられました。今は農家自体が 少なくなり、「繋がり」ができないと感じていまし たが、野菜ソムリエを通じて沢山の仲間ができまし た。田んぼと家との往復だけではつまらない!どん どん外へ出るべきです。若い女性が家庭の外でも活 躍できる環境と「繋がり」を作り、生き生きと活動 しましょう!
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