ライフサイクル思考に基づく中高大の 段階に応じた環境教育 花木啓祐(東京大学大学院工学系研究科 教授)/ NPO法人 環境ネットワーク・文京 1 背景・目的 2 調査・活動地域 □ 段階的にLCT(Life Cycle Thinking)を知り、考え、身に着け るプログラムは少ない □ 「つながり感」の変化や長期的な行動変容の調査は不足 東京都文京区 特徴:対象地域には大学が多数存在 (区内の延べ床面積の7割を大学が占める) 3 活動内容 図:文京区の位置(出所:第46回文京の統計) 段階的なLCTに関する環境教育プログラムの作成 小学校でのLCT教材作成(省エネを中心に) 小学生:LCTに触れる 中学生:LCTから商品を選ぶ 高校生:LCTの情報を集める 大学生向け教材作成ワークショップの開催 □ 東京大学、お茶の水女子大学の学生5名が参加 □ 小学館等から教材出版経験のある講師がフォロー □ ファシリテーション型でLCTを 学べる環境教育教材を開発 □ 実際に学校での活用し、大学 生がLCTを発信!(予定) 行動変容の調査 1年後に調査 【長期的な行動変容 効果の分析】 日常生活で 見えやすい 小 学 校 ① 大学生:LCTの情報を発信する LCTの ある 環境教育実施校 日常生活で 見えにくい 小 学 校 ② 小 学 校 ③ 衣類の原材料と モンゴルの生活 衣類のリサイクル モンゴルと日本の 関係(黄砂) 私たちの選択と 現地の災害の関係 電気の輸送、蓄電 CO2の廃棄 発電の原材料と ニジェールの生活 様々な発電方法 ワークシート ワークシート 家 庭 で の 省 エ ネ LCTの ない 環境教育実施校 LCTの有無による効果の調査 【つながり感による行動変容 の向上効果の分析】 4 成果と課題 <成 果> □ 実践を経た小学校におけるLCT教材開発 □ 子どもたちの参加や体験を引き出すファシリテーション 型ラーニング的方法を導入(話し合い活動) □ LCTが含まれる実践と含まれない実践が行われたため、 省エネ行動への効果の分析が可能に(担任教師の希望 により結果として比較可能に) □ 担任教師から1年後の調査への了解が得られ、長期的効 果の把握が可能に □ 大学生による教材作成のワークショップ開始。若い発想 を活かしたLCT教材の開発も進展 5 今後の展開 <課 題> □ 小学校は総合的な学習の時間で実施。約10時間の中で、 原料から使用、廃棄まで、それらのつながりにすべて 扱うことができた。ただし、2nd stageから実施が予定さ れている小中学校では、2時間程度しかなく、短い時間 でLCT的な内容をどのように扱うかは課題 □ 小学校、中学校は計画通り実施できる予定であるが、高 等学校は、当初計画の学校で実施できなくなり、現在 調整中。今後、調整する校数を増やすなどの積極的な 取組が必要 中学校におけるLCT的な環境教育の実施、大学生による教材の完成、調査結果の整理、2015年3月には 学会での報告、環境月刊誌での広報を予定
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