OK NEWS 350 No. H26.6.1 特別徴収について大井健次月々の給与からは様々な控除があり、その分手取金額が少なくなっているのは、ご存じの通りです。会社は、その控除した金額を代行して国や、年金事務所に支払う義務を負っています。従って、もし会社が社員の給与から差し引くことを忘れたとしても、定められた税や社会保険料は会社が支払うことになります。これが源泉徴収という制度の怖いところで、「自分で払うから、俺の給与からは、税金や保険料は引かないでくれ」という選択はできないのです。源泉所得税は給与を支払った日の翌月１０日に支払期限があり、社会保険料は月末に引き落としになっています。皆さん、「特別徴収」という制度をご存じでしょうか。これは、会社が住民税を給与から差し引き、代行して各市町村へ支払う制度のことです。所得税と違い、住民税は前年分を今年の６月から支払う仕組みになっています。５月の中旬、住所地の役所から会社宛に「給与所得等にかかる市民税・県民税特別徴収税額の決定通知書」という一覧表と納付書が送付されてきます。社員が多いと５０以上もの市町村から通知書が届くことも！！大企業であれば、経理部員がしっかり把握しているから間違いありません。が、中小企業それも奥さんとパートさんが事務を担当しているようなケースでは、大変な負担です。毎月その市町村ごとに納付書を記入し、納税するだけでも一仕事。社員が退職したりすると異動届に記入して郵送。これが意外に面倒くさい。そこで、正社員以外は、「普通徴収」といって、給与所得者に直接納付書を送ってもらい、各人が直接住民税を納付する方法を選択しているケースが結構ありました。会社としては事務負担が軽減できるからです。嗚呼、それがです。今年から、「普通徴収」を認めず、すべて「特別徴収」という役所が現れてきました。これが広がれば、入退社が頻繁にある事業、たとえば飲食店などは対応が大変です。普通徴収になるよう頼みましたが「ダメです」と冷たい返事。【下々】の都合なんか関係なし、有無を言わせず執行する【お上】には逆らえないのでしょうか？前号「猫に噛まれた」後報告１ヶ月で痛みがなくなりました飼い猫はシレーっとしてまだ健在処分を主張した私の意見は却下でした。大井会計事務所 www.ooikaikei.jp いつもの感覚新開章日常生活で、習慣化しているようなことは、特に意識しなくてもいつもの感覚で行動してしまう事、ありませんか？私は、考え事をしながら家に帰って、施錠したかどうか心配になって後から確認すると、ちゃんと鍵がかかってて安心するなんてことがあります。逆に、ちょっと開けておいてと頼まれていても、いつもの感覚で鍵を掛けてしまい、子供を閉め出して怒られるなんて失敗も・・・。さて、消費税増税後２ヶ月が経ちました。私は、増税前のいつもの感覚が未だに抜けません。増税時の消費税転嫁対策の一環として、スーパーなどで税抜価格の表示が期間限定で復活しましたが、実際には税込表示のお店と税抜表示のお店など対応がまちまちなので、他店より安い！と思って、買ってみたら実は逆だったり、税抜価格につい 1.05 を掛けて、レジで精算してみたら思ったよりお金がギリギリだったり。税理士として、痛税感を納税者が実感できる税抜表示は賛成なのですが、消費者としては税込表示のほうがやっぱり便利 !! 消費税がらみで、お伝えしたいことがもう一つ。消費税を納税している会社は、特に消費税の納税資金の確保に注意が必要です。これまでと同じ事業規模で１年を終えて、さて消費税を納めようと思ったら、まず確実に 1.6倍以上の納税資金が必要です。さらに中間納税の回数が多い事業者は、決算確定納付時には、最大で前年より８倍超の納税資金が必要になることも !?当期中に現金預金がいつもの感覚より多くなっていても、それは手許に確保しておかないといけない納税資金かもしれませんので、定期積立を行うなど、十分な対策が必要です。 COMING SOON !! 大井会計事務所では、ただ今、新企画として、経営者・後継者向けの少人数形式の夜間勉強会を鋭意検討中です。詳細につきましては、随時ＯＫニュース等でお伝えいたします。その第１回を平成２６年８月２２日（金）に予定しておりますので、ご期待下さい !! ＜納期特例の源泉所得税、労働保険の年度更新、社会保険算定基礎届のお知らせ＞納期特例の源泉所得税の納付期限は７月１０日、労働保険料の年度更新・納付の期間は６月２日から７月１０日まで、社会保険の算定基礎届出期間は７月１日から７月１０日までです。申告や納付をお忘れなく！